近くにある寺なのに境内に入ったことがなかった。それはなぜかといえば何となく入りにくいから。西を向いている門前の道路巾が狭くて、車はすれ違えないので譲り合わなければならないし、歩くのも危なくて通りたくないのだ。そういう道路事情、位置関係から法界寺は残念な寺。
散歩の途中で何となくその気になり、ようやく立ち寄ることができた。10日程前のことで、ウイーク・デイだったから参拝者は一人もいない。これより拝観料が必要ですとあったので、画面左の社務所に行きボタンを押して住職さんに出てきてもらい500円玉を渡した。
どうぞと促されてついていくと、国宝の阿弥陀堂の扉を開けて法界寺全体のこと阿弥陀堂のこと阿弥陀如来像のことなどを説明してくれた。ごゆっくりどうぞと言われて誰も入ってこない堂内にしばらく居てから縁側を一巡りした。
蔀戸(しとみど)に白い粉が吹いているように見えたのでちょっと触ってみたら黴だった。国宝ともなると、やたらにカビキラーなんて使えないんだろうなと思った次第。この付近は曲がった道が多くて方向が解からなくなる。説明してくれている時に阿弥陀如来が向いているのは西なのかと聞いたら、南を向いているとのことで、正面も南だ。それなのに黴が生えているのは庇の出が大きくて日差しが入らないからだろうか。