


何もかも自分でやるのは初めてのことで、一応の流れを作るのに手間取る。
干した蕎麦束は日の当たり加減などで少し乾燥したりないのがあっても、とにかく時間がないから構わずにやる。
昔の足踏み式脱穀機を農事の師から借りてきてやってみた。
子供の頃に面白半分で、この道具を使い、豆の脱穀をきょうだいでやったことはあったけれど、やってみて落胆した。
30分ほどもやっただろうか、片足で立って、もう片方で踏み続けるという動作が難しいどころか、足が持たない。
よくもまぁ昔の人は、辛抱強くやったもの。
体力がないことを自ら認めて諦め、棒で叩いて手でしごくしかないという結論に達した。
地道にやるしかないにしても、雨が降ったらやれないというのでは困るので、雨の日も夜なべ仕事としても、やれるように家の中に仮作業場をこしらえた。
これで私はひたすら、誰のことを思って叩き続けようか。