■ 「老後資金2千万円問題」。6月初めに公表された金融庁の審議会の報告書には、男性65歳以上、女性60歳以上の夫婦だけの無職世帯の場合、公的年金のみの収入では支出を下回るという指摘がある。平均5万円程度不足し(収入が21万円に対し、支出が26万5千円)、30年間で約2000万円になるという単純な計算結果が示されている。
信濃毎日新聞の7月12日付朝刊に、若者世代の女性ふたりの参院選に向けてのコメントが掲載されているが、ふたりとも年金についても言及している。
**年金についても私がお年寄りになった頃は受け取れるかどうか分からないと考えています。それなのに払わないといけない。払う分を自分で積み立てて運用したいくらいです。** 自分が積み立てた保険料を老後に受け取る積み立て方式だ。このように考える若者が最近少なくないと聞く。
**老後資金2千万円問題も気になります。今までは、何となく老後も年金をもらって暮らしていけると思っていましたが、不安になりました。(中略)将来のために旅行や買い物を我慢して蓄えておいた方がいいのでしょうか。将来を担っていく私たちの世代も安心できるような年金制度を考えて欲しいです。**
このことに関連するけれど、14日付朝刊に掲載された「痛み伴う議論に踏み込め」と題する社説は、その最後を**社会保障の在り方は財政再建の行方にも影響する。いつまでも借金を重ね、付け回しを続けるわけにはいかない。将来世代のためにも安定した制度を構築することが政治の責務である。**と結んでいる。
社説の隣、4面に経済アナリストの森永卓郎さんの年金生活に関する提言が掲載されている。森永さんはその中で、年金だけで暮らす生活設計をするべきだと主張している。**老後を安心して暮らすためには、公的年金の範囲内で、基礎的な支出が賄えるように家計の構造を変えるしかない。例えば、将来的に年金が夫婦で13万にまで減るのであれば、13万円でも生活していけるような生活設計をしないといけないのだ。**
鄙里で質素に暮らす、親が実践してみせた年金暮らしを私たち夫婦もするしかない。過去ログ