透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

老後の生活について考える

2019-07-14 | D 新聞を読んで

 「老後資金2千万円問題」。6月初めに公表された金融庁の審議会の報告書には、男性65歳以上、女性60歳以上の夫婦だけの無職世帯の場合、公的年金のみの収入では支出を下回るという指摘がある。平均5万円程度不足し(収入が21万円に対し、支出が26万5千円)、30年間で約2000万円になるという単純な計算結果が示されている。

信濃毎日新聞の7月12日付朝刊に、若者世代の女性ふたりの参院選に向けてのコメントが掲載されているが、ふたりとも年金についても言及している。

**年金についても私がお年寄りになった頃は受け取れるかどうか分からないと考えています。それなのに払わないといけない。払う分を自分で積み立てて運用したいくらいです。** 自分が積み立てた保険料を老後に受け取る積み立て方式だ。このように考える若者が最近少なくないと聞く。

**老後資金2千万円問題も気になります。今までは、何となく老後も年金をもらって暮らしていけると思っていましたが、不安になりました。(中略)将来のために旅行や買い物を我慢して蓄えておいた方がいいのでしょうか。将来を担っていく私たちの世代も安心できるような年金制度を考えて欲しいです。** 

このことに関連するけれど、14日付朝刊に掲載された「痛み伴う議論に踏み込め」と題する社説は、その最後を**社会保障の在り方は財政再建の行方にも影響する。いつまでも借金を重ね、付け回しを続けるわけにはいかない。将来世代のためにも安定した制度を構築することが政治の責務である。**と結んでいる。

社説の隣、4面に経済アナリストの森永卓郎さんの年金生活に関する提言が掲載されている。森永さんはその中で、年金だけで暮らす生活設計をするべきだと主張している。**老後を安心して暮らすためには、公的年金の範囲内で、基礎的な支出が賄えるように家計の構造を変えるしかない。例えば、将来的に年金が夫婦で13万にまで減るのであれば、13万円でも生活していけるような生活設計をしないといけないのだ。** 

鄙里で質素に暮らす、親が実践してみせた年金暮らしを私たち夫婦もするしかない。過去ログ


 


火の見櫓のある風景

2019-07-13 | A 火の見櫓のある風景を描く



 今年5月の連休中に描いたスケッチを額装してリビングに飾る。額装するとなんとなく様になるから不思議だ。辰野町横川に立っているこの火の見櫓を描いたのは2回目。

何年か前に描いたスケッチはある方に請われ、私の手を離れた。このスケッチも来月にはここから離れる・・・。

この秋、またどこかで火の見櫓のある風景をスケッチしよう。楽しみなことを少し先に設定して、その日を楽しみに頑張る。


 


「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」

2019-07-13 | A 読書日記

図書カードで本を買う

図書カード5
(メモ:360)

 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子/新潮文庫、 図書カードで買い求めた5冊目の本。

毎年この時期になると、書店には主に中高生をターゲットにしていると思われる、各出版社の文庫本のコーナーが設けられる。だいぶ昔に高校生だった私も新潮文庫の100冊の中から本書を選んだ。戦争がテーマの本を読むなら、やはり夏だ。

**膨大な犠牲と反省を重ねながら、明治以来、四つの対外戦争を戦った日本。指導者、軍人、官僚、そして一般市民はそれぞれに国家の未来を思い、なお参戦やむなしの判断を下した。その論理を支えたものはなんだったのか。(後略)** カバー裏面には本書の内容がこのように紹介されている。

昨今の政治状況からして、このような本を読んでみることには意義があると思う。

『日日是日本語』今野真二/岩波書店を読了し、『華氏451度』レイ・ブラッドベリ/ハヤカワ文庫を再び読み始めた。このSFを読了したら、本書を読もう。

夏だ、読書だ。


 


年金について考える の巻

2019-07-12 | A あれこれ


①1970年の人口構成

② 人口変動予測グラフ

 上掲①のグラフは1970年の日本の人口構成で、年齢層別に人口比率を示している。65歳以上の人口比率(高齢化率)は全体のわずか7パーセントにすぎない。この年、日本の総人口がどのくらいであったか、電卓を叩いて計算してみると、10372万人。日本の総人口はこの年の数年前、1966、7年に1億人を超えている(表示)。

②の人口変動予測グラフによると日本の総人口は既に減少に転じていて、2050年の数年前に1億人を下回ることが読み取れる(表示)。

2050年の65歳以上の人口比率は39.6、約40パーセント。総人口が共に約1億人であっても、65歳以上の高齢者(年金受給対象者、ただし年齢受給開始年齢は55歳から徐々に引き上げられてきた)の比率が7パーセントと40パーセントで全く違う。

1970年は年金受給者を大勢で胴上げしているような状態だが、2050年(そんなに先のことではない)は年金受給者を乗せる騎馬すら組めない。一騎の騎馬にふたり乗せることになる。ただし未就労年齢の人口も除外しないで含めてしまっているから、実際にはもっと厳しい状況だ。

老後の生活は年金だけでは2000万円不足(もっと不足するという試算もある)ではなく、年金はプラスアルファくらいに考えておかないといけない時代になりつつある、いや既になっているのかもしれない・・・。


*1 うかつにも①②のグラフをどこから転載したのか控えておかなかった(総務省のHPだったかな)。
*2 年金制度は本稿に書いたような単純な話しではありません。関心のある方にはあれこれ調べてみることをおすすめします。
 


「本の寺子屋」

2019-07-11 | A あれこれ





 **活字離れといわれる昨今の状況に対して、著者、出版社、書店、図書館などが連携して本の魅力を発信し、(後略)**

手元にあるリーフレットに塩尻市・塩尻市教育委員会が主催する「本の寺子屋」の企画意図が紹介されている。第8期の今年度の講師を書き込む時間を惜しんで写真で紹介する。女優の冨士眞奈美さんも講師。

今年度最初の講師は芥川賞作家・三田誠広さんだった(過去ログ)。今月7日の講演、講師は北海道在住の作家・外岡英俊さんだった。元朝日新聞記者の外岡さんの「記者と作家のあいだで フィクションとノンフィクション」と題した講演を聴いた。

「ノンフィクションが鑿(のみ)で削る作業だとしたら、小説はその削りくずから塑像をつくる作業」だという説明に、なるほど!と思った。記者時代のエピソードなどを興味深く聴いた。

9月29日の藤沢 周さん、11月24日の穂村 弘さん、来年3月8日の堀井正子さんの講演は是非聴きたいと思う。他の方の講演も努めて聴きたい。

**いままでかなりの数の図書館で講演をしてきたのですが、こんなに充実したイベントを、こんなにたくさん行っているところは初めてです。** 昨年度(18年度)の講師だった金原瑞人さんのコメントがリーフレットに載っている。


 



 


諏訪郡原村のマンホール蓋 再び

2019-07-10 | B 地面の蓋っておもしろい


諏訪郡原村中新田 撮影日190703

 一昨日(8日)の夕方放送された長野放送(NBS)の「善光寺にも・・・奥が深い火の見やぐらの魅力!」、この取材については多くを書かないが、取材日は7月3日4日両日だった。

諏訪郡原村の貫通櫓は5年前に別の放送局の番組でも紹介しているが、そのシュールな姿は是非今回も紹介したいと思った。当日目的の火の見櫓に向かう時、うっかり道を間違えてしまい、狭い生活道路を通ることになってしまった。その時、この火の見櫓(1208)と再会した。

この火の見櫓は今年の5月に既に観察している。目的の貫通櫓ともう1基、別のまたぎ櫓の取材の後、この火の見櫓も取材、となった(番組ではカットされ放送されなかったが)。

その時、近くにあったカラーマンホール蓋を撮った。ただし下の写真は以前撮ったもの。


諏訪郡原村のマンホール蓋 撮影日160924

蓋の中央に村章、周りにミヤマシロチョウを配している。濃いピンクと青の配色がきれいだ。このようなグラフィカルなデザインは好きだ。チョウの向きを交互に変えている。ミヤマシロチョウは生育域が北アルプス、八ヶ岳、浅間山系と限定的で絶滅が危惧されている。


 


古代のロマンを語る

2019-07-09 | A あれこれ

 この度、国連教育科学文化機関(ユネスコ)で日本最大の「仁徳天皇陵古墳」を含む49基の古墳で構成される「百舌鳥・古市古墳群」を世界遺産に登録することが決まった。

以前、前方後円墳について記事を書いている。一部手を加えて再掲する。 


「U1さん!」
「S君とYさん、偶然だね。元気? 一緒に飲もう」
「いいですか? U1さんそちらの女性は?」
「友だち。本屋さんで久しぶりに会って、ちょっと飲もうということになってね」
「Kです」
「Sです よろしく、それから妻のYです」
「初めまして」

 乾杯!


「U1さんKさんと何を話してたんです?」
「この本のこと」
「飲みながら、本の話をするって、U1さんらしいですね」


 
『遊古疑考』松本清張/河出文庫

「ゆうこぎこう?」
「松本清張が独自の視点で古代史に切り込んだ本」
「U1さん、こういう本も読むんですか」
「歴史に関する本はあまり読まないけれど、松本清張は面白いよ」
「この写真は前方後円墳、ですよね。詳しいっしょ」
「そう。でも、清張は前が四角で後ろが円って考えるのって不自然じゃないかって書いているんだよね」
「え、違うんですか?」 

「中学でしたっけ、教科書に載ってましたよね。天皇陵の写真」
「仁徳天皇じゃなかったっけ。清張はいろいろ説明しているけれど、これ見て。左上の成務陵を正面から見ようとすると下の弥徳陵が邪魔してしまう」



「ほんとだ」
「でしょ。で、清張が主張するように側面が正面だとすると三つともきれいに展望できる。この図で□の位置からだけど。前から出来ていた成務陵をわざわざ隠すように後からつくるはずがないって言ってんだよね」
「なるほど、です」
「現在の参拝所の位置が違っているんじゃないか、って。中には手前の四角い部分のほうが後方の円い部分より高いものもあるっていうんだよね」
「前の四角いところがが高いと後ろの円いところというか、本殿が見えませんよね」
「そう! Kさんするどい。四角い部分に神社があったり、円い部分に神社があったりするってことも書いてある」

「ということは、少なくともどっちが前なのか分からないということ、ですか・・・?」
「そういうことになるだろうね」
「そうか・・・」

「教科書に出ているとそれが正しいって思っちゃうよね。この古墳のウェストみたいなところに造出(つくりだし)っていう出っ張りがあってそこが祭壇だって清張は言うんだよね。これ。ここは工事のときの資材置き場だとか、作業員の休憩スペースだったところで、そこで竣工祝いもしたんだろうと。で、そこが拝殿のようなところになったって言ってるんだよね。ここを伏し拝みっていうところもあるってさ」



「へぇ~」
「この清張の論考って40年も前のものだっていうから今どうなっているのか知らないけれど、古墳の方は前方後円墳のままだよね」

「でさ、次の「風水説と古墳」という章では円部が陽で、方が陰でその接合のかたちだって書いているんだよ」
「ン? 陽と陰の接合って、つまり・・・」
「そう。で、中国には上が円で下が四角の古墳があるってことだけど、それが日本に伝わったって説もあるんだって」
「上下が横になったってことは体位が変わって伝わったって・・・」
「体位? あ、そうだね」
「とすると・・・」

「やだ・・・」
「おいおい、酔いがまわってきたな。でね、これはボクの説だけど、この古墳の四角と円がその後、金堂と塔になっていったんだよね」
「金堂と塔って法隆寺なんかの・・・ え~、ほんとですか」


 

掲載履歴
20071007
20170814


107~110 編集の妙

2019-07-08 | C 名刺 今日の1枚

 夕方6時14分から始まる長野放送の「NBSみんなの信州」、今日(8日)の特集は火の見やぐら。「善光寺にも・・・奥が深い火の見やぐらの魅力」を見た。

取材時に制作スタッフの皆さんに名刺を渡していた。

107 Uさん
108 Wさん
109 Hさん
110 Yさん

番組の感想を一言でいうなら編集の妙。私が伝えたかったことが約10分間できっちり放送された。提供した写真も上手く使われていた。

番組を見ていただいた方がひとりでも火の見櫓に関心を持っていただけたら、取材を受けた者として嬉しい。



 


1198 なぜ? こんなところに火の見櫓

2019-07-08 | A 火の見櫓っておもしろい


1198 3脚66型 塩尻市北小野(金井との境、北小野地籍だと思われる) 撮影日190707

 私の火の見櫓巡りは2010年の5月に大町市美麻から始まった。今では大変珍しい木造の火の見櫓を見たからだった。それから早くも9年が過ぎ、主に長野県内を、時には隣県にまで足を延ばして、美しい火の見櫓、珍しい火の見櫓、かわいらしい火の見櫓を見てきた。運転好きでない私を遠く福島県や茨城県まで行かせてしまう程の魅力ってなんだろう。火の見櫓の一体どこが好いのだろう、と自問する・・・。

塩尻市の北小野と金井の境にこの火の見櫓は立っている。使われなくなって久しいようで、櫓には蔓状の植物が絡みついて生長している。周りの雑木が大きくなり、やがて火の見櫓を覆ってしまうだろう。

なぜ集落から離れたこの場所に火の見櫓が立っているのだろう。集落を一望できることが火の見櫓の立地条件ではないのか・・・。
この火の見櫓はふたつの地区(集落)の境に立っているが、このことがヒントになりそうだ。この火の見櫓は火災の発生を隣の集落に伝え、応援を求めるために立てられた、と推測できる。半鐘の叩き方は法的に決まっているが、その中に応援信号、応援を求める叩き方もある。

このような目的で立てられた火の見櫓だから、火災予防週間などの際にこの半鐘を叩くことは無かったはず。それでこのような状態になってしまった、と考えるのが妥当だろう。それにしてもこの様子は何とも寂しい・・・。





塩尻市の農集排マンホール蓋

2019-07-07 | B 地面の蓋っておもしろい




塩尻市北小野勝弦 撮影日190707

 今朝(7日)、塩尻市北小野勝弦まで出かけてきた。この地区の農集排マンホール蓋の写真を撮るために。前稿に火の見櫓(1224)を載せたが、どちらかというと、蓋が主目的だった。これで塩尻市の農集排マンホール蓋、6種類全て蒐集したことになる。

蓋に描かれているキキョウは塩尻市の花、内側に描かれているのはよく分からないが勝弦の風景だろうか。「勝弦地区農集排」という文字も入っている。

周りに市の花、内部に風景というデザインはよく目にするタイプだろう。


 


1197 塩尻市北小野の火の見櫓

2019-07-07 | A 火の見櫓っておもしろい


1197 4脚44型 塩尻市北小野勝弦 撮影日190707




 小野から岡谷に抜ける県道254号沿いに立っている火の見櫓。梯子桟の間隔と数により、総高を約14mと推測した。これからは柱スパンと総高をできるだけ調べるようにしたい。

ピラミッド型(方形)の屋根で蕨手はないが、この形に蕨手は不似合い。避雷針と四角い見張り台の手すりに同じような形の飾りが付いている。手すりの〇とハート形を逆さにしたような飾りの組み合わせはよく見かける。

見張り台床にはU形の開口があるが、それと同形の手すりを見張り台に付けてある。見張り台の四隅に直線部材の方杖を突いている。全体的にカチっとしたデザインだ。




手すり付きの外付け梯子から踊り場に移動する。踊り場には赤い半鐘を下げてある。



脚部もやはりカチっとしている。美脚なのかどうか、判断しかねる。



たまにはこの様な真下から櫓を見上げたアングルも好い。


 


旧開智学校校舎 国宝指定答申報告会

2019-07-07 | A あれこれ

 松本市立博物館で昨日(6日)開かれた「旧開智学校校舎 国宝指定答申報告会」に出席した。旧開智学校校舎学芸員の遠藤正教さんが、次のような内容の報告を行った(会場で配布されたレジュメによる)。

1 文化審議会の答申について
2 調査研究報告書について
 (1)擬洋風建築とは
 (2)建築編
 (3)教育編
 (4)歴史編
 (5)結語
3 研究事業について

この調査研究報告書を報告会終了後に買い求めた。他にも読みかけの本があるが、この興味深い報告書も早く読みたい。この調査研究が国宝答申を後押ししたと新聞に載っている。



報告会で 校舎正面のシンボリックなデザインについて、なるほど!なことを知った。



清水重敦氏(京都工芸繊維大学教授)が次のような指摘をしているという。**旧開智学校校舎の車寄は、開成学校の正面ポーチと脇棟車寄の唐破風を上下の重ねて再構成されている(後略)**以上、報告者32頁からの引用(下線は私が引いた)




開成学校のポーチ(下)唐破風(上)

開成学校の唐破風とポーチを上下に重ねて構成しているそうだ。なるほど!



旧開智学校を設計・施工した立石清重(過去ログ)は異なる要素を上下に重ねることが好きだった、と遠藤さん。中町通りのはかり資料館の裏庭に移築され、2011年2月11日から一般公開されている旧三松屋蔵座敷(過去ログ)も立石の作品だが、和室の上に洋室を重ねている。

*****

それからもうひとつ、八角形の塔屋のデザインについて。学芸員の遠藤さんから次のような説明を聞いた。

旧開智学校を特徴付けている八角形の塔屋は設計初期には無かったそうで、設計途中、というか工事の直前で追加が検討されたという。

建設に必要な木材のリストにはじめは無かった部材、柱5.5間(約10m)×5寸×6寸 松 4、 柱4.5間×5寸×6寸 松 4 が追加されていて、これが塔屋用だそうだ。

校舎平面図(設計途中の検討図面か)にも塔屋を描いた別の紙が後貼りされているという。この図面は展示されているのだろうか、8月3日に予定されている見学会(予約制)で確認したい。

塔屋が第一国立銀行と海軍兵学寮と酷似しているということも説明があった。会場のスクリーンに映し出された写真は確かによく似ていた。第一国立銀行の塔屋は高欄が方形で、旧開智学校の塔屋の高欄も方形で検討された時期があり、前述の図面では高欄は方形だという。

このことについては、報告書の33頁にも**塔屋の形状は第一国立銀行と海軍兵学寮と酷似している(*1)。**とある。



*1 立石清重は旧開智学校の設計にあたり、東京や横浜に洋風建築の見学に出かけている(徒歩で)。

今まで知らなかったことを知るということは楽しく、嬉しいものだ。8月3日の見学会も予約した、今から楽しみ。


「火の見櫓はおもしろい」

2019-07-05 | H 「あ、火の見櫓!」



 「火の見櫓っておもしろい」の書籍化、この話が出たのは2016年の12月、東京で友人と飲んだ時だった。

私の趣味の火の見櫓巡りのことが新聞で紹介され、ラジオ番組にも、テレビ番組にも出て、後は本を出すだけ。書籍の編集経験のある友人にすすめられて、「書くよ」と答えた(答えてしまった)。

翌2017年の2月ころ、このブログに「火の見櫓っておもしろいを本にしよう」というカテゴリーを設定して書き始めた(現在は原稿の掲載はしていない)。それから2年半、ようやく終盤になってきた。

本のタイトルは「火の見櫓はおもしろい」に決まった。他に「火の見櫓観察記」も候補に挙げたが、硬いイメージで不採用(文章も硬いから相応しいかも)。表紙に使うスケッチも決まった。

当初はある理由から今月(7月)中に発行したいと思っていが、遅れている。秋ごろ、紅葉が始まるころまで伸びそうだ。ヒヨドリの観察をする柿の木が落葉し始めて、オー・ヘンリーの短編じゃないけれど「最後の一葉」になるまでには何とかしたい。

まだまだ書き足りないなと思ったり、別の写真の方が良いかなと迷うこともないわけではない。でもどこかで線を引かないとエンドレス・ワークになってしまう。本を出すという願いが叶うならそれで十分満足、満足。


 


「知っとく シニア塾」

2019-07-04 | D 新聞を読んで

 信濃毎日新聞朝刊のくらし面に連載中の「知っとく シニア塾」、2日の記事は年金の受給繰り下げについて。このブログをどんな人が、どんな年齢層の人が閲覧しているのか分からないが、年金は年齢には関係ないので取り上げる。

**まだ働いているので年金の受け取りを先延ばししたいと考えています。遅らせると増額されると聞きました。** 

この質問に対して、年金は70歳まで月単位で受給を遅らせることができ、1カ月遅らせるごとに0.7%増額されるということ、で、肝心の損得については・・・、単純に受け取る総額で比べると、65歳からの本来受給分を追い越す分岐点は約12年という回答。

70歳まで5年(60カ月)受給を先延ばしすると42%(=0.7%×60カ月)も増額されるから、すごく得するような気がする。だが、12年後、82歳になってようやく本来受給の場合を上回るという計算になるという説明だ。67歳から受け取っても12年後、約79歳で上回る。

82歳というのは男性の平均寿命。それ以上長生きすれば、それも健康で長生きなら得するが、どうだろうか。週刊誌には先延ばしは損、という記事が載る。新聞記事にも65歳以上でも働いている人が増えているが、繰り下げている人はわずか1%超だとある。

ここは週刊誌の記事、それから大勢の人たちの判断に従うべきだろう。