■ 旧開智学校校舎(松本市)が国宝に指定されることが決まったので、長野県の国宝は10件になる。昨日(27日)諏訪市湖岸通りにあるサンリツ服部美術館まで出かけて「白楽茶碗 銘 不二山」を鑑賞してきた。これで10件全てクリア。
特別企画展「茶人に愛された数々の名碗」で本阿弥光悦作の国宝「白楽茶碗 銘 不二山」と、同じく光悦作の「赤楽茶碗 銘 障子」はそれぞれ会場内の独立ケースに展示されていた。
不二山という銘の国宝は、バランスがよく、存在感のある茶碗だと感じた。会場で書き写してきた説明文を載せる。**うつわ全体に白釉を掛けるが焼成中に下半分が黒く変化した。雪を頂く富士を連想し、また二つとない出来だったため「不二山」という銘がつけられた。**
なぜ赤楽茶碗に障子の銘が付けられたのか。**腰の部分に3か所裂け目があり、そこに透明釉がかかり、日にかざすと光が透けて見えるため、割れを障子の組子に見立てて「障子」という銘がつけられた。** 説明の通り、照明の光が透過する3本の細いすじが確認できた。茶碗に障子の銘・・・。なるほど! この疑問が解けた。
どちらも予期しない偶然が名品をつくったと言える。自然との共作、いかにも日本的だ。
〇長野県の国宝
・松本城(松本市)
・善光寺本堂(長野市)
・仁科神明宮(大町市)
・安楽寺八角三重塔(上田市)
・大法寺三重塔(青木村)
・土偶・縄文のビーナス(茅野市)
・土偶・仮面の女神(茅野市)
・紙本墨画寒山図(諏訪市)
・白楽茶碗 銘 不二山 (諏訪市)
・旧開智学校校舎(松本市 国宝指定の答申あり)
旧開智学校校舎見学会 8月3日
仁科神明宮本殿檜皮葺きの葺き替え工事見学会 8月4日