和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

話しおろし。

2014-01-27 | 本棚並べ
「座談の思想」を今月読んだので、
新刊の外山滋比古著
「人生複線の思想」(みすず書房)の
最初にある短文「言文近接」に、
つい、興味をもちました。
そこには、こうあります。

「大正に入ってから菊池寛『文藝春秋』の
座談会形式の創出は世界的な発明である。」(p5)

うん。「座談の思想」でも、
菊池寛についてが、前半にページを割いて
とりあげられていたのが印象に残ります。
さてっと、
外山滋比古氏の短文の最後の方を
適宜つまんで引用してみます。

「それよりもおもしろいのは、
語りおろしの本が多くなったことで、
読者の反応もよく、ベストセラーがいくつも
生まれるようである。書いた本は読みづらく、
おもしろくないのに、同じ人が語りおろした本は、
わかりやすく、おもしろい本になっている例が
すくなくない、といわれる。
・・・・・・ 
語りおろし本はこれまでの本のイメージを
少しでなく変えつつある。
それに応える新しい読者も
あらわれているはずだ。
陰のはたらきをしているライターが
存在を増すであろうことは言うまでもない。

話すことばはひとに向って発せられるはずで、
語りおろしは、独りごとで、不自然だと言ってよい。
われわれは、ひとに向って話すとき、
もっとも多くのことを自然に伝えるらしい。
もしそうだとすると、
語りおろしを一歩すすめて、話しおろしの
本が出てもおかしくない。
話おろしなら、言文はずっと近く近接することができる。」


うん。そういえば、
私の本棚は、対談本などの、話おろしや
語りおろしの本が、やけに
多いのにあらためて気づかされるなあ。
それを中心に本棚を並べかえることが
今年の本棚整理の目安となる。
と、こういう時には、
本棚の本が少ないので助かります(笑)。

そう、何よりも、
外山滋比古氏の新刊など、
私は、お話が聴ける楽しみで
購入しておりました。

うん。これで、
語りおろし。
話しおろし。
と、棚おろし
の整理の目鼻がつきました(笑)。
コメント
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