和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

いまなお。

2014-01-26 | 短文紹介
昨日は、喉が痛く、
鼻水が出る。
はやく寝る。
司馬遼太郎の「護貞の話」を読む。
そこに、
「『細川日記』は、どのくだりも文飾などはなく、
いまなお切りとったばかりの生肉のような匂いがする。
事実尊重の精神は、おそらく狩野君山から
うけたものにちがいない。」
(p121.「春灯雑記」朝日新聞社)

ちなみに、
「『細川日記』が昭和28年に出版されたときは、
出版社(同光社磯部書房)の意向で
『情報天皇に達せず』という題名だった。
・・・・・  
昭和53年、中央公論から再出版されたときは、
注や索引などもついて、
単に『細川日記』という名称になった。」(p121)

うん。つぎは「細川日記」を読もう。

ちなみに、
司馬遼太郎の、この「護貞氏の話」の
最初の方に、こんな箇所がありました。

「本来、ハナシの妙はみじかさにあるようで、
複雑な事態から本質をとりだして数語で
それをあらわさなければ、
生きた会話にならない。
ただし、私がここで書いている文章は、
読み手が目の前にいない言語表現であるせいか、
護貞氏のような一刀彫の表現になりにくい。」(p64)


うん。
目の前にいない言語表現。
目の前にいる言語表現。
というのがあるのだ。
コメント
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