和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

厄除札の代り。

2015-11-02 | 詩歌
井伏鱒二の「厄除け詩集」を、
家に探すと講談社文芸文庫と
昭和52年出版の筑摩書房の単行本とがありました。
筑摩書房版には「後記」があり、
「後記」の最後に

「『厄よけ』は『厄除け』とした。
私としては自分の厄除札の代りにしたいつもりである。」


さてっと、
厄除け詩集の最後の詩は
『冬』でした。
はじまりの一行は

「三日不言詩口含荊棘」。

今回興味をひいたのは
この箇所。

「洒落た詩でなくても結構だらう
 書いては消し書いては消し
 消したきりでもいいだろう
 屑籠に棄ててもいいだろう
 どうせ棄てるもおまじなひだ」

そして、最後の一行は

「おまじなひには詩を書くことだ」


講談社文芸文庫の方には
「人と作品」を、河盛好蔵氏が
書いておりました。
題して「詩人井伏鱒二」。
その文のはじまりは、

「井伏夫人のお話によると、
井伏さんは生前は詩人と呼ばれることを
非常に悦ばれたそうである。」
コメント
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