和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

地名「塩入(しおいり)」

2019-03-08 | 地域
磯田道史・中西進対談「災害と生きる日本人」(潮出版社・潮新書)
という新刊。

さっそくひらくとこの箇所がある。


中西】 本来であれば宅地開発をやるべきはない地域に
建物を建てたせいで、東日本大震災の被災地で被害が拡大しました。

磯田】 震災が起きた直後、宮城県沿岸部の南三陸町にある
小さな防災庁舎で、遠藤未希さんという若い町職員が
死の間際まで防災無線の放送を続けました。
町長を含め多くの職員が防災庁舎の屋上に避難したわけですが、
逃げ遅れた遠藤さんを含め、43人の職員が殉職しました。
悲しいことです。
そして、その防災庁舎が建っている場所の地名を見たところ、
『塩入(しおいり)』だったことに愕然としました。
そこは海抜1メートルそこそこの場所です。
昔から海水が入ってきた土地を意味する『塩入』という
地名の場所に町の防災庁舎が建てられていた事実は、
やはり、やりきれない。後世の教訓とすべきでしょう。(p35)


うん。もう一箇所引用させてください。

磯田】 2014年8月、広島でひどい土砂災害が起きました。

中西】 大雨によって山の傾斜地が崩落し、
住宅地が丸呑みされて74人が亡くなった痛ましい事件でした。

磯田】 最もひどい被害を受けた広島市安佐南区の八木地区は、
かつて『八木蛇落地悪谷(やぎじゃらくじあしだに)』という
ものすごい地名だったそうです。

中西】 「大地が崩壊する悪路の谷」という字義ですね。
あのような激しい傾斜地をそもそも宅地開発するべきでは
ありませんでした。

磯田】 いま思えば、そうです。(p37)


はい。私はここまで読んでもう満腹、先へ読み進めませんでした。
コメント
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