大村しげ著「京暮し」(暮しの手帖社・昭和62年)。
古本で届く。200円なり。
はじまりの白紙ページに、著者の筆書きサインがあった。
左下に小さく、分かりやすくて丁寧で大胆にさりげなく。
あとがきのはじまりを紹介。
「京暮しは、暮しの手帖に、2年半の間連載していただいたものです。
題名の『京暮し』というのは、花森安治さんがつけてくださいました。
・・・・
花森さんは、京ことばの文章をよしとして、
それをそのまま載せてくださいました。
そのうれしさを、わたしは忘れることができません。
わたしのことばとなりますと、それはやっぱり京ことばです。
そのことを、花森さんはちゃんとわかってくださいました。
そしてわたしの思いをだいじにしてくださいました。
それがうれしかったのです。京暮しは京ことばのままで、
みなさんに読んでいただきました。
・・・・・」
目次をのぞいてみると、
季節ごとに分かれております。
初春・春・初夏・夏・秋・冬という順の目次です。
装画・花森安治。
せっかくなので、今頃の季節感がでてくる箇所を
めくって、一箇所引用。題は「盆の十六日」。
「お盆がすむと、京の夏もいっしょに去(い)んでしもうて、
祇園祭から大文字へかけて、カッカと燃えていた気分が、
いっぺんにしぼんでしまう。あーァ、これで今年の夏もおしまいやわ。
暑い、暑い、蒸し暑い夏やのに、
わたしはこの季節との別れがいちばんさびしい。
そして、残暑がいっぺんにこたえてくる。
きっと、お祭りや、お盆やというていた気持の
支えがのうなるからやろう。」(p155)
「この季節との別れがいちばんさびしい」
この言葉と共に、令和元年の夏を惜しむことに。
古本で届く。200円なり。
はじまりの白紙ページに、著者の筆書きサインがあった。
左下に小さく、分かりやすくて丁寧で大胆にさりげなく。
あとがきのはじまりを紹介。
「京暮しは、暮しの手帖に、2年半の間連載していただいたものです。
題名の『京暮し』というのは、花森安治さんがつけてくださいました。
・・・・
花森さんは、京ことばの文章をよしとして、
それをそのまま載せてくださいました。
そのうれしさを、わたしは忘れることができません。
わたしのことばとなりますと、それはやっぱり京ことばです。
そのことを、花森さんはちゃんとわかってくださいました。
そしてわたしの思いをだいじにしてくださいました。
それがうれしかったのです。京暮しは京ことばのままで、
みなさんに読んでいただきました。
・・・・・」
目次をのぞいてみると、
季節ごとに分かれております。
初春・春・初夏・夏・秋・冬という順の目次です。
装画・花森安治。
せっかくなので、今頃の季節感がでてくる箇所を
めくって、一箇所引用。題は「盆の十六日」。
「お盆がすむと、京の夏もいっしょに去(い)んでしもうて、
祇園祭から大文字へかけて、カッカと燃えていた気分が、
いっぺんにしぼんでしまう。あーァ、これで今年の夏もおしまいやわ。
暑い、暑い、蒸し暑い夏やのに、
わたしはこの季節との別れがいちばんさびしい。
そして、残暑がいっぺんにこたえてくる。
きっと、お祭りや、お盆やというていた気持の
支えがのうなるからやろう。」(p155)
「この季節との別れがいちばんさびしい」
この言葉と共に、令和元年の夏を惜しむことに。