産経新聞の第37回正論大賞に平川祐弘氏が受賞されて、
昨日に産経新聞に受賞の言葉が引用されておりました。
うん。ここは、きちんと私なりに引用しておくべきでしょう。
そう思いました。まず、正論大賞はどなたが受賞なさってるのか?
私が気になる名前を以下に引用
第1回が渡部昇一。3回は曽野綾子。11回は岡崎久彦。
13回は江藤淳。15回は石原慎太郎。18回は中西輝政。
22回は佐々淳行。26回は櫻井よしこ。30回は秦邦彦・西岡力。
ということで、37回目に平川祐弘氏が受賞することになったのでした。
さて受賞の言葉から、私なりに端折って引用。
「大賞を頂いたこの有難い機会に私の比較文化史研究について
説明し、後進が続くことを願いたい。
平川の特色は対象国に専門があるのではない。
比較する方法にある。
スペシャリストは尊敬するが、
時にひどい結果を出す『専門白痴』もいる。
戦前、陸軍一のドイツ通の大島浩中将は、
駐ドイツ大使としてヒトラーに心酔、
日独伊三国同盟の立役者となった・・その悪しき例だ。
それに対し三国同盟締結前夜、
日本論壇でナチスの非をはっきり述べた竹山道雄は
第一級のドイツ文学者だが、仏英語にも通じ、
判断のバランスがとれ、非人道の国と手を握ることの不可を説いた。
戦後は、北京一辺倒の日本人が各界で正義面をした。その結果、
シナと呼ぶのは蔑称だとして地名すらきちんと呼べなくなった。
チャイナ・スクールは、同胞に対しては偉そうだが、
相手には弱腰だから、先方は中国中心の華夷秩序を
当然と思いこんでいる。
人間、相手国に惚れ込むほどでなければ外国語はものにならない。
それも事実だが、特定国にのめり込むと有害にもなる。
相手を師として崇めるだけでなく、客観的に評価せねばならない。
それには三点測量が必要だ。
一外国語と母国語を結ぶと、知識がばらばらの点ではなく線となる。
しかし一外国語専門家は相手を見つめるうちに、
相手に圧倒されがちだ。
直線上の先に対象を見るから距離感が掴めない。
それが第二外国語を習うと、線の知識は面となり、
遠近感覚がつき、相手の所在が確認できる。
さらに加わると、見方が立体的となり、
バランスが取れてくる。
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昭和の戦争も東京裁判も、
日本を知り相手を知ってこそバランスのとれた判断は下せる。
国際文化関係研究に受賞されたのは、
平川の複眼のアプローチの有効性が
認められたことと感じ、喜んでいる。」
はい。新聞には、座りながら指さすように語る
平川祐弘氏の写真が掲載され印象深いのでした。