古本で、イソップ童話集があると、
買っております。ということで、今回も買いました。
石井桃子訳とあります。
絵は、装画集団6B。
表紙裏をみると、非売品となっておりました。
石井桃子さんの「あとがき」の真中頃からの引用。
「たとえば、ずるいことをしてはいけないとか、
勤勉でなければいけないとかいうことを人に伝えたいばあい、
寓話の作者たちは、ずるさとか、勤勉とかいうような、
抽象的なことばを使わないで、ずるさをあらわすような動物や、
勤勉そうな鳥などをもってきて、その動物たちを動かして、
ずるいことをすると失敗するぞ、とか、勤勉なものは、
くらしにこまらないぞということを聞き手に理解させようとします。
・・・・・・・
おとぎ話とちがって、寓話には、魔法がでてきません。
そのかわりに、わたしたちが、毎日のくらしのなかで
ぶつかるできごとがでてきます。・・・・・」
最後にはこうありました。
「この本には、できるだけ、幼い子どもたちにおもしろいものを、
そしてまた、絵が重要な要素になっている本なので、
絵になるものをという考えで、お話を選びました。
子と親の、見て、読んでたのしめる本、というのが、
私たち(さし絵をかいてくださった方々や出版社の方々と、私)
のねらいでした。」
はい。18話が載せてあり、
その第1話は「とりと けものと こうもり」。
第1話の、はじまりと、さいごとを引用することに。
「むかし、とりと けものが せんそうを しました。
どちらも つよくて、ながいこと、しょうぶが つきませんでした。」
「けれども、やがて、とりぐんも けものぐんも、
せんそうに つかれて、なかなおりを することに なりました。
その そうだんかいの せきじょうで、こうもりの やりかたは、
おかしいではないか、という はなしが でました。
そして、こうもりは、とりからも、けものからも、
なかまはずれにされて しまいました。
それから というもの、こうもりは、いつも くらがりや
きの うろの なかに かくれて、ゆうがた うすぐらく
ならないと そとに でてきません。」
え~と、昨日、雑誌2月号「WiⅬⅬ」が届きました。
その巻頭随筆のひとりに、日下公人がおります。
2頁の文は「繁栄のヒント」という連載です。
その途中から引用。
「安ければよい・・・ではない時代を生き抜く日本の力は、
赤ん坊の数とその育て方にあると思っている。
それから成人にもっと活躍の場を与えることが急務である。」
このあとに、日下さんは、こう書いておりました。
「ハンス・モーゲンソーは、
同盟国には名誉ある同盟国と不名誉な同盟国の二種類がある
とも言っている。
名誉ある同盟国は、
その加入によって同盟全体の勝利が約束される国で、
さもないのは勝敗には関係なく単に自分のこと
(たとえば戦後の分配に参加する利益だけ)を
考えて右往左往する国のことだ、と言っている。
例えばイタリアは、日本の敗北が近いとみるやたちまち
日独伊の三国同盟を破り捨て、連合国の側に立って日本に宣戦布告した。
そして戦後は、戦勝国になりすまして日本に賠償金を要求した。
呆れたものだが、日本は黙って支払った。・・・・・
誰が負担するかはあまり考えない国である。
とも言えるし、よくそれだけ続いたものだとも言える。
実力が物をいう時代が来たという前に、
実力とは何かが変化していることに
敏感でなくてはならない。・・・・」
はい。日下公人氏のは、短い文なのに、内容が深くって、
私には引用したりない、もの足りない引用となりました。
機会がありましたなら、2頁なので立ち読みでもいかが。
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