「日本わらべ歌全集9上」(柳原書店)は「富山のわらべ歌」。
短い歌から、はじめましょ。
泣きべそこべそ ( からかい歌 )
泣きべそ こべそ
泣いた顔 どこいった
山の谷へ とんでった
いま来てわろた ワーイ ワイ
( 富山市湊入船町 )p193~194
もっと短い歌も引用。
大なみ小なみ ( 縄とび )
大なみ 小なみ
どうどう ひびき
かえして 波の音
( 富山市下熊野 )p128
こちらには、解説と類歌とがついておりました。
「 『大なみ小なみ』の縄とび歌は、
北海道から九州鹿児島まで、各地で遊ばれている。
はじめ『 大なみ小なみ 』ではゆるく左右にゆらし、
『 どうどう 』から大きく回転させる。
終わりは、縄をまたいで止まるものが多い。
【類歌】 大なみ小なみで、ドードードー。
一ぺん、二へん、三べん、四へん、五へん、
六へん、七へん、八へん、九へん、十ぺん。
( 石川県 ) 」p128
何だか、橋にまつわる歌が印象深いので引用。
あっちの町と
あっちの町と こっちの町と
太鼓橋かけた
赤いじょじょ履いて みんなで渡ろ
あの子も渡れ この子も渡れ
みんなで渡ろ 虹の橋ゃ高いぞ
手手(てて)ひいて渡ろ 手手ひいて渡ろ
( 新湊市八幡町 )p151
注: 太鼓橋(たいこばし)は、橋の下を舟などが通れるように、
橋の中央部を半円形に高くした橋。
じょじょとは、草履の幼児語。
【類歌】 渡ろ渡ろ、あの橋わたろ、
虹の橋渡ろ、傘きて渡ろ、
渡ろと思ったら、渡らんまに消えた。
( 京都府宇治市 ) 」p151
橋ということで、思い浮かんだのは、
茶木滋の詩です。最後はそれを引用。
このはし わたろ 茶木滋
このはし わたろ
このかわこえて
しらない ところへ
いこうか よそか。
むこうの ほうは
ひろっぱ のはら
とんとこ おうちが
ちらほら みえる
どこからきたか
むくいぬ こいぬ
ともだちいるのか
わたっていった。
( 「茶木滋童謡詩集 めだかの学校」岩崎書店 p36 )
( 岩崎書店「美しい日本の詩歌」シリーズの中の一冊 )