和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

あっちの町と

2024-11-04 | 詩歌
「日本わらべ歌全集9上」(柳原書店)は「富山のわらべ歌」。
短い歌から、はじめましょ。

      泣きべそこべそ    ( からかい歌 )

    泣きべそ こべそ
    泣いた顔 どこいった
    山の谷へ とんでった
    いま来てわろた ワーイ ワイ
              ( 富山市湊入船町 )p193~194

もっと短い歌も引用。

      大なみ小なみ   ( 縄とび )

     大なみ 小なみ
     どうどう ひびき
     かえして 波の音
              ( 富山市下熊野 )p128

こちらには、解説と類歌とがついておりました。

「 『大なみ小なみ』の縄とび歌は、
  北海道から九州鹿児島まで、各地で遊ばれている。

  はじめ『 大なみ小なみ 』ではゆるく左右にゆらし、
  『 どうどう 』から大きく回転させる。
  終わりは、縄をまたいで止まるものが多い。

 【類歌】  大なみ小なみで、ドードードー。
      一ぺん、二へん、三べん、四へん、五へん、
      六へん、七へん、八へん、九へん、十ぺん。
             ( 石川県 )        」p128

何だか、橋にまつわる歌が印象深いので引用。

      あっちの町と

    あっちの町と こっちの町と
    太鼓橋かけた
    赤いじょじょ履いて みんなで渡ろ
    あの子も渡れ この子も渡れ
    みんなで渡ろ 虹の橋ゃ高いぞ
    手手(てて)ひいて渡ろ 手手ひいて渡ろ
                  ( 新湊市八幡町 )p151

 注: 太鼓橋(たいこばし)は、橋の下を舟などが通れるように、
    橋の中央部を半円形に高くした橋。
    じょじょとは、草履の幼児語。

 【類歌】   渡ろ渡ろ、あの橋わたろ、
       虹の橋渡ろ、傘きて渡ろ、
       渡ろと思ったら、渡らんまに消えた。
              ( 京都府宇治市 )  」p151

橋ということで、思い浮かんだのは、
茶木滋の詩です。最後はそれを引用。

      このはし わたろ    茶木滋

    このはし わたろ
    このかわこえて
    しらない ところへ
    いこうか よそか。

    むこうの ほうは
    ひろっぱ のはら
    とんとこ おうちが
    ちらほら みえる

    どこからきたか
    むくいぬ こいぬ
    ともだちいるのか
    わたっていった。  

    ( 「茶木滋童謡詩集 めだかの学校」岩崎書店 p36 )
    ( 岩崎書店「美しい日本の詩歌」シリーズの中の一冊 ) 

     


コメント (2)
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