和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

親から子。子から孫へ。

2022-12-03 | 詩歌
先月購入した古本で400円。文化庁編の
「親から子、子から孫へ 親子で歌いつごう日本の歌百選」
 (  東京書籍・平成19年5月28日発行  )

はい。こんな本が出ていたことを知りませんでした。
うん。その頃には、こういう本に感心がなかったし。
けれども、本をひらいたら、紹介したくなりました。

発行の平成19年は、西暦で2007年。
うん。語りたいことから始めます。
この本に『文化庁編』とあります。
晩年の河合隼雄さんが浮かびます。

河合隼雄さんは、2002年1月18日に文化庁長官に就任します。
その後、長官留任を要請され3期4年余り在任することになる。
在任期間に、何があったのかと振り返ってみます。

就任した2002年4月には、小中道徳の副教材「こころのノート」が
出ております。うん。私の子供がこの小さい本をもらって来たのを
覚えております。

2004年 高松塚古墳の壁画が、カビ劣化。文化庁が隠蔽し大問題。
2006年 河合氏は文化庁長官として国内各地で謝罪。8月公式謝罪。
    河合隼雄氏は8月17日脳梗塞の発作。容体が回復せず、
    11月1日休職。
2007年 1月17日付けで任期切れ退任。7月19日亡くなる。

以上が検索すると出て来ました。
あの頃だったんだ。

この本のはじまりは、各選考委員の言葉が並んでおりました。
その選考委員長・伊藤京子さんの言葉から引用することに。

「・・・私が、この企画に携わるきっかけとなったのは、
 平成18年(2006年)に文化庁月報五月号に掲載するために、

 当時の河合隼雄文化庁長官と対談したことです。
 その対談では『歌でつながる人と心』と題して、
 歌の持っている力についてお話させていただきました。」

 ここは、最後まで伊藤さんの言葉を引用しておきます。

「その対談の中で、私が小さいときから歌が好きだったので
 音楽の道に進んだこと、日本には素晴らしい詩につけられた
 美しい曲がたくさんあるのだから、それを積極的に歌って
 いきたいと思い続けてきたこと、大げさかもしれませんが、
 それが日本の歌い手の責務だと思っていることなどを申し上げました。

 また・・・音楽は家族や友だち、仲間同士などがみんなで
 一緒に歌うことによって、心と心を通い合わせてつないで 
 いくものだというようなお話をさせていただきました。

 ・・・河合長官から、いま、みんなで共通に歌える歌が
 消えかかっているが、だからこそ世代を超えて、みんなで
 歌を歌うということを復活させる、そういう運動が必要で、
 みんなで歌える歌を残していくということを伊藤さんと
 一緒にできればいいと思っていると言われましたので、
 私は喜んでお手伝いしますとお答えしました。

 そのことがこんなにも早く、
 こんなにも素晴らしい形で実現できましたことは
 私にとってこのうえない喜びで、
 ご協力いただきました皆様方に心より感謝申し上げます。

 今回の歌百選は、私たち日本人にとって、
 いずれも大変懐かしくそして耳になじんだ曲の数々です。
 これらの歌が長く歌いつがれていくことを願ってやみません。」(p10)


選考委員の前・文化庁長官近藤信司さんの言葉のなかでは
はっきり、発案されたことが指摘されておりました。

「 この企画は、近年の人間関係の希薄化を憂慮し、
  歌の持つ力で家族が触れあう機会を増やしたい、
  美しい日本語の歌詞の歌を子どもや孫の世代へ
  歌いついでいきたいという思いで、
  河合隼雄・元文化庁長官が発案されたものです。 」(p13)


この歌の本は、平成19年5月28日発行。
河合隼雄氏は、平成19年7月19日死去。


そのうち誰かにあげたくなるだろうと、
もう一冊古本で注文することにします。
アマゾンの古本に1200円ほどであった。


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3 コメント

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こんばんは(^^♪ (のり)
2022-12-03 17:52:50
心理学者や文化庁長官としての河合速雄さんより、私にとってはフルーティストとしての河合さんに親しみを感じています。 コンサートにも出かけて、合間のトークも楽しみました。
音楽に造詣が深い河合氏ならではの素晴らしい企画をなさったのですね。
返信する
間違えました (のり)
2022-12-03 17:54:23
速雄は隼雄の間違いです
返信する
大切なメッセージ。 (和田浦海岸)
2022-12-03 21:46:54
こんばんは。のりさん。
コメントありがとうございます。

はい。この古本を買うまで、
私も知らず過ごしてました。

何だか河合隼雄さんからの
大切なメッセージを偶然に
開いたような気がしてます。
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