和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

地方(ぢかた)を読む。

2012-12-05 | 短文紹介
中野三敏
磯田道史
都司嘉宣
と三人を補助線でつないでみたくなりました。


都司嘉宣著「千年震災」(ダイヤモンド社)は
産経新聞に連載されていたものを一冊にしたようです。
序章に、こんな箇所があります。

質問に答えているかたちの序章となっております。

――地震の研究者で、手書きの古文書類を読める人は何人ぐらいいるのでしょう。

4人でしょうか。その内、地球物理学で博士号を取った理系の専門家はわたし一人です。江戸時代の標準的な字で書いてあるものなら読めます。あと3人のかたは日本史の専門家で津波や地震の防災に興味があって研究されるようになったんです。

――どのような史料を読むのですか。

お寺の文書、個人の日記、大名の文献もありますが、もっと土臭いといいますか、文字の書けない庶民の証言を名主・庄屋が代筆して代官所に提出したような地方(ぢかた)を読むことが一番多いですね。

――それはどのようにして入手されるのですか。

歩き回るんですね。教育委員会に連絡すると、どこの家にどんな文献があるのかというリストだけがある。そこに『安政の地震で』という記述があると、その家に行くんです。和歌山県の印南という町でミカンの収穫の季節でしたが、旧家に上がり込んで、一日中ずっとそれを読んでいたこともありました。今考えると、迷惑だっただろうなと思いますがね。そういう調査をするとき、その人の前で古文書を読めないといけない。読めないです、では話にならないんです。 (p24~25)
コメント
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