文藝春秋新年特別号が創刊90周年記念。
購入しました。
気になったのが文藝春秋BOOK倶楽部特別篇の
「14人の書評委員が選ぶ『わたしのベスト3』」。
本のうわさを読めるたのしみ。
うわさも直接、文字で聞けるのは、うれしいなあ。
私は、本よりも、その書評のほうが好きだと、
なんか、思い至るのでした(笑)。
それはそうと、『わたしのベスト3』。
ドナルド・キーン著「正岡子規」を、
まずあげていたのが野崎歓氏。
題して『優れた評伝とは』
うれしいから、最初の口上を引用しておきます。
「どんな文学者、芸術家でも、生きているあいだは自分の書きたいものを書き、作りたいものを作ろうと、ただがむしゃらに突き進むのだろう。そこにひとつの完結した人生を見て取ることができるのは、後世の人間である。ただし、作者をめぐる紋切り型のイメージもつきまといがちだ。紋切り型をくつがえし、人生と作品に対する新鮮な理解を可能にしてくれるのが優れた評伝である。それは対象との長年にわたるつきあいに加え、書き手としての練達の手腕があって初めて成り立つ、極めてぜいたくなものなのではないか。・・・」(p534)
うん。ドナルド・キーン著「正岡子規」を語るには、こうあるべきという口上を聞く思いで嬉しくなる。といっても、私は、まだこの本を再読していない。これを機会に再読、再読。
どなたも、とりあげないような本を、おもむろに取り出しているのが
高島俊男氏の3冊。私が興味を持ったのは、その2冊目。
そこも引用。
「『戦争していた国のおらが里』の著者酒井キミ子さんは昭和3年(1928)富山県の稗田という村に生れ、今も住んでいる人。20年ほど前孫娘が学校で昔のくらしについて学ぶと聞き、戦前の稲作のようすを絵にかいて持たせた。これが先生がたに好評で、種々質問が寄せられ、応じて詳細具体的な絵を多くかき足し、さらに子供たちの遊びや対米戦開始後の絵もかいた。計約280枚。今はすっかりなくなった、50年以上も前の生活や物事や作業である。絵であるから、人の身なりも用具も何も、あったままに、しかも興味深くかかねばならない。それをありありと記憶していて、みごとに再現したのが、何でもないふつうの農家のおばさんである。まったく才能というのはどこに眠っているかわからないものだなあ、とつくづく思った。」(p545)
うん。気になるので、この本注文。
文藝春秋の今回の特集は「激動の90年、歴史を動かした90人」。
雑誌の面白さを満喫できるので、うれしい。
90人をさまざまな書き手がとりあげるので、
その顔ぶれを見るのもたのしい。
歴史の紅白歌合戦みたいなバラエティさ。
パラパラとどこから読んでもよさそうで、
よっ、雑誌の真骨頂。
「弔辞2012 忘れられぬ人々の記憶」というのまである。
購入しました。
気になったのが文藝春秋BOOK倶楽部特別篇の
「14人の書評委員が選ぶ『わたしのベスト3』」。
本のうわさを読めるたのしみ。
うわさも直接、文字で聞けるのは、うれしいなあ。
私は、本よりも、その書評のほうが好きだと、
なんか、思い至るのでした(笑)。
それはそうと、『わたしのベスト3』。
ドナルド・キーン著「正岡子規」を、
まずあげていたのが野崎歓氏。
題して『優れた評伝とは』
うれしいから、最初の口上を引用しておきます。
「どんな文学者、芸術家でも、生きているあいだは自分の書きたいものを書き、作りたいものを作ろうと、ただがむしゃらに突き進むのだろう。そこにひとつの完結した人生を見て取ることができるのは、後世の人間である。ただし、作者をめぐる紋切り型のイメージもつきまといがちだ。紋切り型をくつがえし、人生と作品に対する新鮮な理解を可能にしてくれるのが優れた評伝である。それは対象との長年にわたるつきあいに加え、書き手としての練達の手腕があって初めて成り立つ、極めてぜいたくなものなのではないか。・・・」(p534)
うん。ドナルド・キーン著「正岡子規」を語るには、こうあるべきという口上を聞く思いで嬉しくなる。といっても、私は、まだこの本を再読していない。これを機会に再読、再読。
どなたも、とりあげないような本を、おもむろに取り出しているのが
高島俊男氏の3冊。私が興味を持ったのは、その2冊目。
そこも引用。
「『戦争していた国のおらが里』の著者酒井キミ子さんは昭和3年(1928)富山県の稗田という村に生れ、今も住んでいる人。20年ほど前孫娘が学校で昔のくらしについて学ぶと聞き、戦前の稲作のようすを絵にかいて持たせた。これが先生がたに好評で、種々質問が寄せられ、応じて詳細具体的な絵を多くかき足し、さらに子供たちの遊びや対米戦開始後の絵もかいた。計約280枚。今はすっかりなくなった、50年以上も前の生活や物事や作業である。絵であるから、人の身なりも用具も何も、あったままに、しかも興味深くかかねばならない。それをありありと記憶していて、みごとに再現したのが、何でもないふつうの農家のおばさんである。まったく才能というのはどこに眠っているかわからないものだなあ、とつくづく思った。」(p545)
うん。気になるので、この本注文。
文藝春秋の今回の特集は「激動の90年、歴史を動かした90人」。
雑誌の面白さを満喫できるので、うれしい。
90人をさまざまな書き手がとりあげるので、
その顔ぶれを見るのもたのしい。
歴史の紅白歌合戦みたいなバラエティさ。
パラパラとどこから読んでもよさそうで、
よっ、雑誌の真骨頂。
「弔辞2012 忘れられぬ人々の記憶」というのまである。