映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

天才の勉強術  木原武一

2008-09-17 23:26:08 | 
何度も読んだ本だ。
ピカソ、ニュートン、ゲーテ、ナポレオン、チャーチル、モーツァルト、チャップリン、ダーウィン、平賀源内の9人の天才たちの生い立ちを取り上げ、彼らがいかに努力したか述べている。

著者によれば、この中でピカソとモーツァルトが「モノマネ」の天才ということで共通しているとのことだ。

モーツァルトの研究書によれば、彼はハイドンや他の作曲家の模倣、借用をおこなっているのは明らかということだ。しかし、著作権うんぬんという時代ではないのか「盗作」で訴えられることはなく、お互いに代作、共作をしていたようだ。
6歳から20歳まで、フランス、イタリア、ロンドンと世界をまたにかけて演奏旅行をしている間に新しい音楽に接するチャンスがあり、ほんのちょっとの楽想からすばらしい旋律を作り出せたとのことだ。

著者はいう
「まじめな生徒は必ず先生の真似をするものである。字の書き方、話し方、歩き方までまねる。そうして初めて先生に近づくことができると」
「他人の音楽を模倣して、それをはるかに超えてモーツァルト独特の音楽を作る能力こそ彼の天才ぶりである。」
私は比較していないが、モーツァルトとその模倣した曲を比べると、明らかにモーツァルトの方が人の胸に迫る曲であるという。

ピカソの父親は学校で絵画を教える画家であった。
現代でいえば義務教育などなんのその、ひたすら絵を描く才能ただ一筋に育てられた子どもであった。

「子どもは誰でもはじめは身近にいる者の真似をする。」
「ピカソには、そこに絵を描いている父がいて、彼は無心でそれを真似をしていた。」

ピカソは10歳で絵画学校に入学して、父親に学校でも家でも学ぶ。
父親にデッサンがきちんとなるまでは、絵具を使ってはいけないと教えられていたピカソは忠実にデッサンの修行を積む。13歳になったあるとき自分よりもうまくデッサンを書くピカソの絵を見て、父は絵具と絵筆を息子に与えて、絵を描くのをやめたそうだ。
(中島敦の「名人伝」を思い出す)

ピカソは生涯に2万点を超える作品を描く位、多作であったが、父親が教えることをやめてからは、他人の作品を数多く見るのも重要な勉強の一つとなった。
美術館が彼の「学校」となった。いかにも模倣といわれる作品も、数多く作られたのである。

著者いわく
「独創性をやたら強調する現代の教育の風潮の中で忘れられていることは、まねをする能力と物事を鮮明に記憶する能力である。
ピカソは一度見たものは決して忘れず、自由に再現することができて、意識的無意識的に自分の作品に利用したという。」

天才ピアニストグレングールドいわく
「創造的行為と模倣的行為の違いは、時間が経つと比較的わずかな差となる可能性がある。」

著者いわく
「何事につけ、無から創造は不可能である。豊富な知識こそ創造の源泉である。」
「あらゆる本は引用であり、すべての人間は祖先からの引用である。もっとも偉大な天才は、他人のお陰を受けている人間だ。」

ひたすら読んで自分の読書ノートに書き加えていくしかない。






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空売り売り乗せ

2008-09-17 23:14:02 | Weblog
今日は株は反発して、円も106円台まで戻された。

株はともかく為替やっている人は大変だと思う。
上下の動き方が一方に向かわず、ジグザグ走行であるから、逆に逆にポジションとってしまって結局儲からないという人が多いのではないか?
ルーレットでいえば、赤または黒がずっと続くというパターンでなく、赤黒赤黒と続くパターンのような気がする。
一日中じっと見ていられれば違うんだろうけど。。。

でも日経平均は明らかに売り乗せのパターンとなった。
基準となる移動平均線との乖離はまだまだ下がってもおかしくない水準だ。
昨日が二番底になる可能性は薄い

サーフィンでも静かな波より、昔「ビッグウェンズデイ」の映画の中に出ていたような極度の大波に好んで挑戦する人が多いように、ボラティリティが急激に高まった相場に挑むプレイヤーが多いのではないか?
逆張りにはまだまだ早すぎ、明らかに空売り一直線という感じと私は読むけど

政府の連中がのんきなこといっているから、もっと株式を下げて驚かせて、サプライズな経済対策が出る動きに持っていってもらった方がいいと思う。目標は日経平均1万円割れだ。




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「バッドエデュケーション」 ペドロ・アルモドバル

2008-09-17 08:06:40 | 映画(洋画:2000年以降主演男性)
ペドロ・アルモドバルはスペインの映画監督

日本では「オールアバウトマイマザー」で注目を浴びるようになった。そして「トークトゥハー」はオスカー脚本賞をとる。これは外国映画ではなんと名作「男と女」以来だそうだ。「ボルベール」はここでも取り上げた。

同性愛の話が強そうで後回しにしていた「バッドエデュケーション」を昨日見た。

人気映画監督のエンリケのところを幼馴染と称する男が訪れる。(これはいかにも探偵に依頼者が訪れるスタートから混迷させるフィルムノワール的だ。)
彼は脚本を持ってきて、それを映画化してほしいと希望する。エンリケは作品を読んで幼いころの思い出の話と理解する。それはキリスト教系の小学校での出来事。
神父との男同士の秘め事の話を基点にして、エンリケと男との小さいころの怪しい秘め事の話まで書いてある。。。。

いかにも見たくない脚本だが、ペドロ・アルモドバルは我々を一種の迷彩にはめ込む。映画の中の「映画」を用いて、現実と虚実がわからないようにする。
最近ではデイヴィッドリンチ監督の「インランドエンパイア」がこの手法だった。
デイヴィッドリンチほどの極度の迷彩は使わないが、ペドロ・アルモドバル独特の美しいコンテを次から次へと見せ、美術的(というべきであろうか)に見る人間を飽きさせない。
原色の使い方がうまい。スペインで多分漆喰だと思うが、ライトキャメル系が基調の色の壁にきれいに原色の小物を組み合わせる。色の組み合わせの妙ということを彼や美術担当が良く知っていないとこうはならない。出てくる俳優に昔のハリウッド映画のような美男美女は出てこない。(ボルベールのペペロネクルスは別だが。。。)むしろ若干落ちるのでは?というレベルである。
でも美男美女がでる映画よりもはるかに画像がきれい!!
デイヴィッドリーンの映画の美しさとも違う美しさだ。

次が楽しみ
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