映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

黒いジャガー 

2008-09-22 23:02:22 | 映画(洋画 89年以前)
ジャッキーブラウンのところで、昔のブラックムービーの匂いがすると言った。
無性に「黒いジャガー」が見たくなった。

1971年のニューヨークが舞台
黒人私立探偵シャフトは、黒人マフィアの親分から誘拐された娘を取り戻すように依頼される。シャフトはマフィアと警察の間を泳いでいく探偵、両方から一目おかれている。手がかりを探していく中、相手の筋が次第に読めてくる。黒人仲間を味方に入れながらイタリアンマフィアを追っていく。。。。。

映画はいかにもB級映画のいでたちで、その時代の東映映画のレベルと大して変わらない。典型的な70年代前半の黒人ファッションに身を包んだ主人公は実にかっこいい。しかも黒人主体に映画が構成され、アイザックへイズのスリリングな音楽もいいタッチで、おそらくは黒人の連中にはたまらない映画だったと思う。

主題歌は全米ヒットチャートNO.1だ。ビートルズが解散に向かう60年代後半から70年代前半にかけての全米ヒットチャートNO.1は、黒人と白人が交互にとることが多かった。黒人側では、ジャクソンファイブ、テンプテーションズ、ダイアナロス、スライ&ファミリーストーンがその常連であった。
自分のノートを見てみると、なぜか1971年は白人の方がチャートNO.1を多くとっていた。キャロルキングジェームステイラーの活躍が目立ち、ロッドスチュワートの初めてのNO.1ヒット「マギーメイ」も出たところだった。しかし、11月にこの曲が全米ヒットチャートNO.1をとった後、スライ&ファミリーストーン「ファミリーアフェア」がアルバム「暴動」とともに大ヒットした。直後にはタランチーノの映画「パルプフィクション」でも流れていたアルグリーン「レッツステイトゥゲザー」もトップをとる。
その勢いで逆に1972年から73年は黒人の全米NO.1の方が断然多くなる。74年に入ると初期のディスコミュージックの流れが出てくる。

この映画と主題歌が、黒人パワーを強く盛り上げた気がする。

同じ時代のニューヨークというと「フレンチコネクション」がある。一世一代のカーチェイスが有名だが、70年初めのニューヨークの風俗を知るにもこの映画はいいと思う。タイムズスクウェアの前でタクシーをひろおうとして、黒人だから乗車拒否される場面があるが、まだまだ人種差別が強かったのであろう。そういう場面をとりまぜながら「ブラックの臭い」を強くかぐことができる。


コメント
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