映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

唐津一 かけひきの科学

2008-09-19 06:46:28 | 
著者の名前は本屋では良く見かける。最初に読んだのは、オペレーションリサーチのことを書いたブルーバックス「企業をのばす数学」である。昭和39年の本だが、わかりやすく万事の数字化を説明している。いずれ書くつもりだ。

この本は相手との交渉に関して、切り札となる情報を用意して、それをどう駆使すれば目標を達せるか?というのが目的で、それに関する散文が多く集められている本である。参考になることは多い。

1.あることがおきていても、そのことについての情報を得るまでは、なかったことと同じである。それが情報の定義だ。
2.分厚い報告書だから多くの情報があるように思えるが、知っていることばかりでは情報量はゼロである。一言でも影響を与えることがあればそれが情報だ。
3.露天の叩き売りは、売るものはたいしたことがなくても、冗長な言葉を適度に織り交ぜていくので売れていく。
4.ある道のエキスパートがある目的のために、自分で切り抜き、系統的にまとめ、解析すると、ものすごい威力を発揮するようになる。
(伊藤整「氾濫」の主人公の話に通じる)
5.無理難題を突っぱねるには、現実の動きを徹底的に調べて、あらゆる証拠を用意することが必要である。そうすれば100の理論も一つの動かしがたい証拠で覆すことができる。
6.アメリカでテレビ討論したとき
相手の言いたいことを予測し、その反論データを机の下においておく。いわせるだけ言わせて、切り札のグラフを見せる。データを用意する人は少ない。
7.マスコミが取り上げず、誰も気づかなかった核とした証拠を、データで用意すると一発で黙らすことができる。
8.ミニマクスの原理
もし予測が違る方向に進むとき大きな損害をこうむる可能性がある。うまくいったときの最大利益ではなく、失敗した時の損失を最小に抑える。
9.IBMは不況の時に業績を伸ばした。不況の時でも需要はゼロにはならない。むしろ顧客は商品を吟味する。こういうときに新型製品をだす。売れる。その占有率を維持する。不景気にしけた製品を出すとジリ貧になる。
10.値引きはかけひきのゲームそのもの
秋葉原では強烈に値切る顧客ほどリピーターになる可能性が多い。俺がまけさせるからついてこいと仲間を連れて行く
11.思い切って値段を下げてみても、買い手がお金を払って買いたいと思わなければ売れない。
12.すべてのことは数字化できる。目的があってはじめて生きるのであって、目的がない数値化は意味がない。
13.どんな発明や理論であっても、今までに学習した知識や行動を組み合わせなければ出てこない。創造的な仮説といっても、知りえた情報の組み合わせに過ぎない。仮説を立証するには再現性が必要だ。
(ピカソやモーツァルトの話に通じる)

などなど
特に交渉におけるデータの準備は重要だ。

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ウィスキー

2008-09-18 23:33:17 | 映画(洋画:2000年以降主演男性)
カメラの前に立ってにっこり「チーズ」というのが、日本では主流だが、南米では「ウィスキー」とするそうな。。。
勧めで南米映画「ウィスキー」を見た。
派手なスペインの映画を見たせいか、地味で地味でしょうがない画像だ。

主人公は靴下工場の経営者、母親が死んで一年たって墓を立てる。そこで主人公の弟がブラジルからやってくる。主人公は靴下工場で地道に働いている女性に、弟がいる間妻のふりをしてもらえないかと頼む。
主人公と弟と妻のふりを頼んだ女性の3人の絡み合いの映画、一緒に旅行に行ったりもするが地味に展開する。

味があるといえば、そういえないことはない3人だが、華が全然ない。
むしろそれがこの映画の売りであろう。
ところが、最後に突如としてカジノの場面が出てくる。主人公は弟から母親の面倒を見れなかった代わりにこの金を受け取ってくれといわれて受領したお金をルーレットにかける。それも数字24に一点勝負だ。どうなるかはいえないが。。。
何か不思議な映画であった。



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天才の勉強術  木原武一

2008-09-17 23:26:08 | 
何度も読んだ本だ。
ピカソ、ニュートン、ゲーテ、ナポレオン、チャーチル、モーツァルト、チャップリン、ダーウィン、平賀源内の9人の天才たちの生い立ちを取り上げ、彼らがいかに努力したか述べている。

著者によれば、この中でピカソとモーツァルトが「モノマネ」の天才ということで共通しているとのことだ。

モーツァルトの研究書によれば、彼はハイドンや他の作曲家の模倣、借用をおこなっているのは明らかということだ。しかし、著作権うんぬんという時代ではないのか「盗作」で訴えられることはなく、お互いに代作、共作をしていたようだ。
6歳から20歳まで、フランス、イタリア、ロンドンと世界をまたにかけて演奏旅行をしている間に新しい音楽に接するチャンスがあり、ほんのちょっとの楽想からすばらしい旋律を作り出せたとのことだ。

著者はいう
「まじめな生徒は必ず先生の真似をするものである。字の書き方、話し方、歩き方までまねる。そうして初めて先生に近づくことができると」
「他人の音楽を模倣して、それをはるかに超えてモーツァルト独特の音楽を作る能力こそ彼の天才ぶりである。」
私は比較していないが、モーツァルトとその模倣した曲を比べると、明らかにモーツァルトの方が人の胸に迫る曲であるという。

ピカソの父親は学校で絵画を教える画家であった。
現代でいえば義務教育などなんのその、ひたすら絵を描く才能ただ一筋に育てられた子どもであった。

「子どもは誰でもはじめは身近にいる者の真似をする。」
「ピカソには、そこに絵を描いている父がいて、彼は無心でそれを真似をしていた。」

ピカソは10歳で絵画学校に入学して、父親に学校でも家でも学ぶ。
父親にデッサンがきちんとなるまでは、絵具を使ってはいけないと教えられていたピカソは忠実にデッサンの修行を積む。13歳になったあるとき自分よりもうまくデッサンを書くピカソの絵を見て、父は絵具と絵筆を息子に与えて、絵を描くのをやめたそうだ。
(中島敦の「名人伝」を思い出す)

ピカソは生涯に2万点を超える作品を描く位、多作であったが、父親が教えることをやめてからは、他人の作品を数多く見るのも重要な勉強の一つとなった。
美術館が彼の「学校」となった。いかにも模倣といわれる作品も、数多く作られたのである。

著者いわく
「独創性をやたら強調する現代の教育の風潮の中で忘れられていることは、まねをする能力と物事を鮮明に記憶する能力である。
ピカソは一度見たものは決して忘れず、自由に再現することができて、意識的無意識的に自分の作品に利用したという。」

天才ピアニストグレングールドいわく
「創造的行為と模倣的行為の違いは、時間が経つと比較的わずかな差となる可能性がある。」

著者いわく
「何事につけ、無から創造は不可能である。豊富な知識こそ創造の源泉である。」
「あらゆる本は引用であり、すべての人間は祖先からの引用である。もっとも偉大な天才は、他人のお陰を受けている人間だ。」

ひたすら読んで自分の読書ノートに書き加えていくしかない。






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空売り売り乗せ

2008-09-17 23:14:02 | Weblog
今日は株は反発して、円も106円台まで戻された。

株はともかく為替やっている人は大変だと思う。
上下の動き方が一方に向かわず、ジグザグ走行であるから、逆に逆にポジションとってしまって結局儲からないという人が多いのではないか?
ルーレットでいえば、赤または黒がずっと続くというパターンでなく、赤黒赤黒と続くパターンのような気がする。
一日中じっと見ていられれば違うんだろうけど。。。

でも日経平均は明らかに売り乗せのパターンとなった。
基準となる移動平均線との乖離はまだまだ下がってもおかしくない水準だ。
昨日が二番底になる可能性は薄い

サーフィンでも静かな波より、昔「ビッグウェンズデイ」の映画の中に出ていたような極度の大波に好んで挑戦する人が多いように、ボラティリティが急激に高まった相場に挑むプレイヤーが多いのではないか?
逆張りにはまだまだ早すぎ、明らかに空売り一直線という感じと私は読むけど

政府の連中がのんきなこといっているから、もっと株式を下げて驚かせて、サプライズな経済対策が出る動きに持っていってもらった方がいいと思う。目標は日経平均1万円割れだ。




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「バッドエデュケーション」 ペドロ・アルモドバル

2008-09-17 08:06:40 | 映画(洋画:2000年以降主演男性)
ペドロ・アルモドバルはスペインの映画監督

日本では「オールアバウトマイマザー」で注目を浴びるようになった。そして「トークトゥハー」はオスカー脚本賞をとる。これは外国映画ではなんと名作「男と女」以来だそうだ。「ボルベール」はここでも取り上げた。

同性愛の話が強そうで後回しにしていた「バッドエデュケーション」を昨日見た。

人気映画監督のエンリケのところを幼馴染と称する男が訪れる。(これはいかにも探偵に依頼者が訪れるスタートから混迷させるフィルムノワール的だ。)
彼は脚本を持ってきて、それを映画化してほしいと希望する。エンリケは作品を読んで幼いころの思い出の話と理解する。それはキリスト教系の小学校での出来事。
神父との男同士の秘め事の話を基点にして、エンリケと男との小さいころの怪しい秘め事の話まで書いてある。。。。

いかにも見たくない脚本だが、ペドロ・アルモドバルは我々を一種の迷彩にはめ込む。映画の中の「映画」を用いて、現実と虚実がわからないようにする。
最近ではデイヴィッドリンチ監督の「インランドエンパイア」がこの手法だった。
デイヴィッドリンチほどの極度の迷彩は使わないが、ペドロ・アルモドバル独特の美しいコンテを次から次へと見せ、美術的(というべきであろうか)に見る人間を飽きさせない。
原色の使い方がうまい。スペインで多分漆喰だと思うが、ライトキャメル系が基調の色の壁にきれいに原色の小物を組み合わせる。色の組み合わせの妙ということを彼や美術担当が良く知っていないとこうはならない。出てくる俳優に昔のハリウッド映画のような美男美女は出てこない。(ボルベールのペペロネクルスは別だが。。。)むしろ若干落ちるのでは?というレベルである。
でも美男美女がでる映画よりもはるかに画像がきれい!!
デイヴィッドリーンの映画の美しさとも違う美しさだ。

次が楽しみ
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水木しげる 幸福論(私の履歴書)

2008-09-16 22:51:23 | 
日経新聞の私の履歴書はずっと見ている。
でもつまらないものは実につまらない。気がついてみると月の半ばからまったく見ないこともある。逆に毎朝起きるのが楽しみでしょうがないのもある。

スポーツ選手たちのは面白いのが多い。西本幸雄、野村監督、長島茂雄のはいずれもおもしろかった。最近の吉田元阪神監督のもよかったと思う。
企業戦士、政治家、学者は両極端。先月の電通の成田さんのは若いころの豪傑振りがおもしろかったし、同じ日本領朝鮮出身の野村證券田淵さんのも同様だった。

でもベスト5には、それ以外の人物が入る。
実に面白かったのがゲゲゲの鬼太郎の水木しげるさんである。
日経の履歴書が本になっているのが、水木しげる「幸福論」だ。
彼は劣等生だ。親もできの悪い息子はかわいいとばかり、愛情を注ぐが、何をやってもうまくいかない。まさに極楽トンボだ。ここまでのダメ男は私の履歴書ではきわめて異例だ。

それにしても戦争の場面は実に臨場感がある。
彼は片腕しかない。戦争で受けた傷の具合が悪く現地で切断したのだ。
そこに至る場面で、自部隊が敵の奇襲攻撃を受け、全滅になる直前に逃げまくるシーンがある。ここの臨場感はすごい!

敵の攻撃を受けると同時に、部隊長たちが倒れ始めるのをみて、走る!走る!
逃げまくる!サメが怖いけれど、海に飛び込み泳ぎまくる!ジャングルの中、すべてを敵と思い逃げまくる。このシーンが映画のように画像的な表現ですばらしい名文だ。本当に大変だったんだなあと思うし、戦争世代でなく本当によかったと思った。

運良く終戦を迎えた後、紙芝居の絵描き、貸本漫画の漫画家で生計を立てるが、これがまたスレスレのところで生きている様子がうかがえて、読んでいて感動する。
でもどんなときでもひたすら努力し続けたのが良くわかる。
そうして売れっ子漫画家へのチャンスをつかむ。

ジーンとくるすばらしい「私の履歴書」だ。

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アメリカ大変!2

2008-09-16 22:15:34 | Weblog
昨夜は当然のごとく米国株急落↓&円高↑

今日に入り、信用不安に加えて円高を嫌がる日経平均は暴落で11500円台まで下がる。チャートの節目を割ってきたので、政治や経済政策の動きに一喜一憂しながらもっと下がるでしょう。持ち株はキャッシュポジションにして、チャンスをじっくり待つしかない。

テレビを見ていたら香港のHSBCが定期預金のコマーシャルをやっていた。
少しでも高い金利の預金にしておくのが正解だよね。
さすが香港人商売うまいなあ!グッドタイミング!

いつものように閣僚たちは無難な発言。民主党はこれもいつものように自民党政府の批判。これを見ている外国人はいったいどう思うであろうか?
どう見ても正気の沙汰とは思えない。
ちっともよくなる見込みはない。

個人的には保守大合同が一番株価が上がるんだろうなあと感じる。

でも最近思うのは、女性蔑視的言い方だが、普通の主婦たちは米国で大変なことが起きているなんて、まったく関心がないようだ。もちろん株大好きの女性は別だけど、街を歩いていても、女性たちの表情はまったく変わらない。であるから、女性を相手にその懐から正統派の商売でお金を出させることさえすれば、自分たちだけは切り抜けるということは十分可能だと思う。
幸いにして日本は金利が安い。改めてこれってすごい重要なことだと思い始めた。一部乱暴な商売をしている中堅以上の不動産業者が倒産し始めたけど、地道にやっている小さい業者は、軽いリストラをやったりして、あっという間に父ちゃん母ちゃん的商売に鞍替えする。しかも安い金利だけ払っていれば、金融機関を驚かす大冒険をしない限り、借入金回収にも入られない。
ひたすら無知な人たちをうまく引っかき回す日銭商売をすれば生き延びていける。

ちょっと極端だけど、目立ってグローバルになんていわないほうがいいのかもね。

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アメリカ大変!

2008-09-15 22:58:53 | Weblog
何気なく携帯で日経のニュース見ていたら、アメリカ大変なことになっているようですね。

先週リーマンブラザーズの大赤字が判明した後から落ち着かない日が続いていましたが、ついに破産だそうですね。身売り交渉どうなるかとも思っていたけどね。
平成9年の日本でいう山一証券の倒産と意味合い一緒ですし、むしろリーマンの方が世界経済への影響大でしょうからとんでもないことになりました。

それに加えてのバンクオブアメリカのメリルリンチ吸収合併はビックリ!!
これはすごい合併だ。
でもこういう流れで、ウォール街ではたくさんの金融関係のエリートたちが職を失うと思うと気が重い。当然、それぞれ日本法人があるはずだから、日本でも首切りあるんだろうなあ↓心が痛みます。

住宅ローン金利が約7%台で、資産価格が下落するという流れは、日本のバブル崩壊とまったく同じ流れだと思う。あの時は、総量規制が銀行から出された後、不動産会社の借り入れの行き先が、朝鮮系金融機関や住宅専門金融会社(いわゆる住専)にいってしまった後、不動産会社が持ちこたえられなくなってつぶれると同時に金融機関がやられるという構図だった。
住宅ローンが7%というのはやっぱり高い。調達金利が高いだけに当然そうなるのだろうが、ある意味住宅ローンというのも、少ない自己資金で家を建てるという一種レバレッジをきかせているのと同じことだから、転売がきかなくなった時点でババを引かされる人が続出するはずだ。

土地の値上がりはどこかでいったんピークを迎えるわけで、そういった意味ではアメリカ人も日本の教訓を生かしきっていなかったのかもしれない。でもアメリカのすごいところはこういった倒産があっという間になされるということ。
日本は平成2年に大きな資産価格の下落が始まって、結局北拓銀行や山一がつぶれるまで7年かかったが、アメリカは昨年サブプライム問題が出たばかりだ。
やはりスピード感があるし、回復も早いのではないかと思う。

原油もあっという間に100$割れ、自分はいったん最高値147$の黄金分割ラインの91~92$程度まで下がって、最終半値の73$前後まで下がると見ている。下落チャートはいつも似たような動きをするはず。
でもガソリンスタンドの店頭価格はまだまだ160円台がいいとこ、もっと加速度を上げて下がってほしいなあ。
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キルビルとタランチーノ

2008-09-15 08:33:18 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
タランチーノはエリートではない。
知能指数が極めて高いと言われるが、普通の学校を中退して、ビデオ屋の店員になっている。そこでは好きなだけ映画が見れたらしい。
そのとき大量に仕入れた映画のネタがベースになっているものが多い。

数多く食べ歩きした人が、いい料理人になるとは限らないが、彼には食べ歩きをした方々のネタを自分の料理に生かす能力が抜群にある。ミシュランガイド的グルメ店だけでなく、幅広くB級、C級のグルメ店のいいところを吸収している。

キルビルもその一つだ。
日本が舞台となっているVO.1は、千葉真一や栗山千秋などの日本人俳優も数多く出演して、日本人にも馴染み深くなっている。しかし、やくざの親分リューの日本語などわれわれ日本人から見ると不自然なところも多い。
しかしそれを埋めるほどの迫力がある。

まずは、復讐第一戦の黒人女性宅への訪問と対決である。
このスピード感で一気に盛り上がる。相手の娘がいるにもかかわらず、復讐の灯は止まらない。ここで容赦なく黒人女性を倒す場面で一気にひきつけられる。娘がいるのに殺すなんてちょっとそお展開はいきなり驚かされる。
あとは、栗山千秋
これはいかにも強そう。しかもセーラー服がかっこいい。
ハンマーのようにビュンビュンふりまわす。互角の対決と思わせる迫力が栗山千秋に備わっている。

映画全体にどたばたかなと思う部分もあるが細かく練られた感じが強い。
日本映画やイーストウッドのウェスタンなどいろんなところからヒントをもらって場面場面でつかっているらしい。

リューを倒した後のVO.2ではずっと連戦連勝かな?と思わせるが、単純には行かない。ビルの弟を倒そうと寝城の車に行くが、弟にいきなり撃たれて棺おけに入れられてしまい、お墓に埋められる。これも逆にびっくりだ。映画の時間まだまだ長いなあ?大丈夫かな?なんて思っていると白い眉の老人が出てくる。
中国の古代武術に熟達した仙人のような老人に、武術を教わる場面がでて、そこで手の突きで木を打ち破る極意を習うのを見てようやくなんだそうなのかと思う。
棺おけを突き破り、砂の中を地上に這い上がり、再びビルの弟の車に戻るが、そこにはユマのライバルの片目の女殺人鬼が来ている。。。。

結局最後はビルを倒すんだろうなあ。。。とストーリーの先は想像がついてしまうが、そこには軽い迷彩がちりばめられて単純にはいかない。
情緒的な話も混ぜながら、単なる対決だけに終わらせないところがいい。

自分もたくさん映画を見ているけど、創作への道はまったく想像がつかない。
やっぱりタランチーノはすごい



コメント (4)
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吉越浩一郎 デッドライン仕事術

2008-09-15 06:16:17 | 
吉越浩一郎氏はトリンプジャパンの前社長である。

社長当時はやり手で知られ、テレビで紹介された時に彼のことを知った。
会社の諸問題を早朝会議にて次から次に即断即決していくその姿をみて驚いた。こんなに会議を有意義に利用している日本の経営者は見たことなかったからだ。会議以降うやむやにするのではなく、すべてデッドラインをもうけ、それが進捗しているかどうかは会議にて確認するという方式だ。

この本で気になった記述は
1.有限の時間の中で、より多くの仕事をこなそうと思ったら、処理するスピードを上げるしかない。3倍のスピードで仕事をすれば、三分の一の時間ですむ
2.社内向け書類を作成する時、見栄えを整えるのに熱心な人が多い。
3.社内メールを一対一でやることを禁じていた。(同じことを多人数に伝えるためにメールを利用する)
4.事前に正解を見つけて行動するよりも、行動しながら考えた方がいい。
(まずは川に飛び込め!)
5.社員の仕事は「小さな意思決定」の連続だ。悩む前に行動しろ
6.仕事のアウトプットを決めるのは、能力×時間×効率
7.書類は時系列で整理する。
書類を整理するため、日付を入れたA4サイズの仕切りが3か月分あり、そのほかに月別のファイルを作る。何日もかかる仕事も分解して、その日やる仕事を示す。
8.何を誰がいつまでにやるかを明確化する会議
9.時速300KMのF1マシンを若葉マークの運転手が運転しても、100KMくらいしか出せないだろう。かえってF1ドライバーがトラックを運転した方が早いかもしれない。
10.トップが現場から遠い企業はダメ
11.仕事のできない管理職に限って情報を隠す
12.撤退のルールを決めておけば、いつでも撤退できる。
13.世の中には、「一人でできなくても、会社というチームで進めば何とかなると思っている。」風潮がある。当事者意識がないとダメ。仕事は「駅伝」のようなもの。
14.ボトムアップと言いながら最終的に決めるのはトップの仕事。多くの意見を聞きながら最良の案を選択して、組織内に貫徹させる。

基本的には今までの著書と一緒の流れだが、整理術が参考になった。
仕事をするのに役に立てたい。


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勝間和代  利益の方程式

2008-09-14 21:07:06 | 
人気の作家である。雑誌から書籍まで売れに売れまくっているという感じである。

この本で参考になったところを記述する。
1.成功というのは、成功するまで仮説→実行→検証を繰り返すこと
2.顧客原価を、顧客が感じる価値を損なわないようにしながら、限りなく小さくすること。(むやみにケチるのではなく、価値を感じるところには必要なコストをかけ、そうでないところは徹底してコストを省く)
3.すべての人には可処分所得を上限とした予算がある。
4.単価に関する反応は、顧客がこれまで経験してきた膨大な消費経験との比較になる。
5.最初は顧客単価の高い層にまず少数の、高い商品を売って、そのお金で開発費、販売費を回収した後に、徐々に顧客単価を下げた商品を売り、より広い顧客層にアピールする。
6.コンプレックス市場には、顧客は高い価値を感じ、全財産をなげうってもかまわないほどの予算枠を用意する。
(ハゲ、美容、英語、子どもの教育、恋人探しなど)
7.プリフィックスのあるフレンチでは、コーヒーをエスプレッソに換えると+200円とか、食材に高級なものを使って+1500円とかさまざまな形で顧客単価を上げようとしている。
8.数万円、数十万円のお金は痛みが大きいが、数百円、数千円は痛みが少ない。
9.売れた本は宣伝しなくても初速が速い。
10.獲得しやすい客と儲かる客はちがう。
(無料サービスに食いつく客は、渋い客である。)
11.原価管理で一番重要なのは、「なるべく人を少なくすること。」人はやや少ないくらいがストレッチする。コスト削減に熱心でも、人件費にはルーズなのが日本の企業
12.余剰人員が出ると、顧客の価値にならない仕事を勝手に作る。
13.価格を設定する際は高めに設定すること
14.顧客単価を1円でも高くなるようにコツコツ引き上げ、無意味な値下げをしない。
15.既存顧客のニーズに耳を傾けすぎるとマニアックになり、一般顧客ニーズから乖離する。
16.S字カーブにおけるイノベーター2.5%とオピニオンリーダー13.5%の重要性と他社製品がS字カーブのどの位置にあるのかを考える。
(普及率16%の論理:エベレット ロジャース「イノベーションの普及」)
17.価格が高いほど顧客はいいものを買ったと満足する。

なかなか参考になったぞ!!!
彼女は1ヶ月に50冊の本を読んでいるそうだ。彼女の感覚じゃないが「高い本も5千円以下であれば、飲み代一回と思えば安いもんだ」という感覚を大事にしよう。
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中山康樹  リッスン

2008-09-14 13:28:42 | 
中山康樹の名前は本屋で何度も何度も見る間に知った名前だ。
マイルスデイビスやジャズの評論の人かと思っていたが、ビートルズや桑田の本を出しているので驚いた。
ビートルズの曲紹介本はなかなかの傑作である。

そんな彼が書いている自叙伝を本屋で見つけた。
「リッスン」

大阪堺の先の上野芝で育った彼は近所に住む友人とビートルズを聴き始めた。
ちょうど来日前、アハードデイズナイトの前くらいであった。
「フロムミートゥーユー」よりB面の「アイソーハースタンディングゼア」の方が良いよね。とか「プリーズプリーズミー」かて「アスクミーホワイ」しか聴いてへん。なんて会話は非常に素敵な会話で、自分もそんな話をしたことがある。
「アスクミーホワイ」は自分も大好きな歌だった。

ビーチボーイズも聴きながら、次第にジャズの道へ入っていく。
最初はレコード屋の親父にいくつかレコードを選んでもらって聴き始めるが、ミナミの「ファイブスポット」や森小路の「ムルソー」というジャズ喫茶でじっくり聴き始める。
そんなころの心境を「ジャズを聴いているという特権意識や優越感が周囲の人間を下に見せていた。」と言っているが、同じような気持ちを中学から高校にかけて自分も持ったことがある。

それにしても悲劇だったのが、彼の父上の事業が破産してしまったことだ。高校卒業する前にそのようなことになってしまったことは大変だったと思う。大学進学をあきらめることになるのだが、彼はいわゆる「自分の大学」すなわち「ジャズ大学」にはいっていくのであった。
そう思うと、晩年は父の事業は開店休業状況だったけど、自分が30半ばを過ぎるまで父ががんばってくれたことに心から敬意を表したいと思う。

その後自分たちが作ったジャズの同人誌が認められて「スウィングジャーナル」に入ることになる。その経緯話は、椎名誠の新橋話に似ていておもしろい。
中学から高校時代自分にとって神様だった「スウィングジャーナル」児山編集長やいソノテルヲや油井正一、植草などの人たちのふれあいの話は興味深い。

特に植草さんの書き方の特徴をうまく書いてある。「ジャズを書く時の彼の手法は、外国のジャズ雑誌を素材に自分の雑感、周辺模様を盛り込み、どこが植草の文章なのか、どこが引用なのかを、区別できない語り口にすることだった。」
本質を書かなかったから一般にも広く支持された。となっている同感である。
ジャズだけでなく映画の文章もそうだった。

自分も同じような音楽きちがいだったので、共鳴することが多い。
自営だった親の金をくすねてレコードを買うところは自分も同じだ。最後まで愛情を注いでくれたいかにも大阪らしい人情味あふれる母親の話は素敵な話であった。




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競輪の町立川と井上茂徳

2008-09-11 22:41:03 | Weblog
久しぶりに立川で仕事があった。
以前お世話になった銀行マンからお呼びがかかって行ったわけだった。

中央線で新宿から特別快速に乗った。
速いものだ。吉祥寺も荻窪も止まらないわけだから。。。
駅に降りて北口に立つと、伊勢丹がドンとある。高島屋とビッグが二つ
新宿並みである。
町を歩いている人たちもどことなくあか抜けているような気がする。昔はそうでなかった気がするんだけれど、気のせいだろうか?

立川というと競輪である。
今はまったくといってやらない。でも年末の競輪グランプリは見る。
オリンピックの競泳や短距離陸上競技のように見ていてものすごく面白い。
ばくちという次元を超えている。
最高レベルの選手たちが一気にゴールを目指す姿は実に美しい。

記憶に残るのは井上茂徳である。
競輪グランプリの第一回は中野浩一が勝ったけど見ていない。
第2回と88年に井上が勝った時は見た。
基本的には大レースになると、中野浩一の後ろにつく。コメントも「いつものように中野さんの後ろで」と
第二回のときは清嶋が大逃げをうった。清嶋の大逃げはある意味反則ぎりぎりで、ジグザグ走行をする。彼のペースにうまく巻き込んだ時は強く。全日本選手権でも2回優勝した。その時も清嶋のペースだったけど、井上が最後内を強烈につき、最後は落車しながらゴールした。自転車の間と間を突いていった。これを見て競輪に関心をもつと同時に井上茂徳に関心を持った。
88年の時は目の前で見た。
いつものように中野浩一の後についた。この年中野は比較的好調で、特別を2つ勝ったと記憶している。ただし当時は滝沢の全盛時代。人気も滝沢中心で後には山口健治がついていたのではないか?
中野は打鐘のあとも最後8番手についていた。それまで足は使っていないのでどうなるか?と思ったところ、「浩一ダッシュ」と言われた強烈なまくり足で向こう正面を一気に抜いていった。上級者ばかりの決勝でああいうまくりを見せたのも多少衰えを見せていたあの当時はそんなになかった。後ろについていった井上は第4コーナーまで中野の後ろにつき、そこから直線ですさまじい足を見せトップとなった。2着は山口健と記憶するが自信はない。

いわゆる立川競輪場から立川駅までの「おけら街道」を歩きながら、井上ってすごいなあとおもったっけ。。。通常の記念競輪でも彼の鬼脚を見ようと追っかけたけど、どちらかというと横綱相撲が多くてサーカスのようなすごいのは見れなかった。やはり高額賞金がかかると違うという気がした。

今日は「おけら街道」には行かなかった。
部下と一緒だったので、彼の車に乗りながら「モノレール」をものめずらしそうに見ながら帰った。途中「立飛企業」という看板をみて、バブルのとき株価が含み資産からみで大暴騰したのを思い出した。


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読書ノート

2008-09-10 22:05:04 | 
かなり本を読んでいるのに読書ノートちょっとさぼり気味だ。

映画年間300本、本年間300冊両方目標達成しても、最近は備忘録としての映画ノートばかり残る。少しは読書ノートも必要だ。

今日から備忘録としての読書ノートをブログのなかにスタートしたい。
今日は中山康樹氏の「リッスン」を手に取った。
音楽評論家として、ジャズばかりでなく新書で「ビートルズ」や「クワタ」まで語っている。そんな彼の文庫本が目に付いて購入した。

人生は限られている。ひたすら頭の中に入れなくては。。。
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ベティ デイヴィスの怪演

2008-09-10 18:04:31 | 映画(洋画 69年以前)
「何がジェーンに起こったのか?」を見た。

当然この映画の存在は前から知っていたが、DVDのジャケットにあるベティデイヴィスの顔が気味が悪くて敬遠していた。ジョーンクロフォードの顔も往年の美しい姿とはほど遠いもので、ホラー映画を敬遠する感じで見なかったが、これは2大往年のスターによる凄い映画である。ベティデイヴィスの怪演は「サンセット大通り」のグロリアスワンソンに匹敵する。

妹ベティデイヴィス(ジェーン)と姉ジョーンクロフォード(ブランチ)は姉妹で子どものころから芸能界で育っている。1917年が最初の場面、ベティがショーで踊っているところからスタート、その当時はわがままベティがスターで、ジョーンはもう一歩。やがて時が経ち、1935年になると立場が逆転して、ジョーンがスターで、ベティは大根役者と評される存在であった。あるとき自宅にいるとき、ジョーンが車にひかれる。はっきりとは映らない。そこで初めて映画のクレジットがスタートする。
舞台はタイムスリップして今にもどる。ジョーンは車椅子生活で2階にいたきり、ベティは介護するが、姉に対していい気持ちを持っていないでいじめ抜く。
ここで繰り広げられるベティのジョーンに対するいじめ(と言うべきか?)はすさまじい。動物の死骸を料理に出したり、2階から外部に電話ができないようにする。精神的に問題あるベティを医者に見てもらおうとするが、電話を切られて外部と連絡させてもらえない。窓には鉄柵で隣家とも通じない。
ベティからジョーンへのいじめシーンがこれでもかというほど何度も何度も出てくる。ジョーンが逃げようとすると必ずベティが帰ってきて外部との連絡ができない。いったいジョーンはどうなるのであろうか?

家事を受け持つ家政婦や再デビューにそなえてベティが雇ったピアニストが絡んで、ストーリーは展開していき結末へと向かう。ある程度予想できる結末と思ったが、最後には意外な事実が語られる。

まさに怪演と言うべき「ベティのいじめ」はその表情も含めて怖い。
オスカー映画「イブのすべて」の時のベティデイヴィスは、現役スターで登場して、いつの間にか女優希望のアンバクスターにしてやられる役だが、性格は悪そうだけど普通の女優と変わらない。ここでは女の業を不様に見せている。
ジョーンクロフォードも「グランドホテル」の美しい姿とは違う。
2人とも回想場面で昔の映画の場面が出てくる。

元大女優がまだまだいけると踏むというストーリーは「サンセット大通り」と似ている。「サンセット」がグロリアスワンソンとウィリアムホールデンの男女だが、今回は女の二人、舞台裏でも激しい対決があったといううわさ
アルドリッチ監督もさぞかし寿命をちじめただろう。
「特攻大作戦」なんて作品はほとんど男しか出ない。女の気遣いに疲れたのであろう。

凄かった。星5つ!!の大傑作


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