山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

富士山の上に輝く月を撮影に行くが・・・  高指山  平成28年8月18日‐19日

2016年08月22日 | 山梨無名山
 来年の9月に山梨大学が主幹で鼻科学会なる全国学会が甲府市で開催される。そのポスターの画像を撮影するために、夜明けの富士山と月の位置をカシミール3Dとステラナビゲーターでずっとチェックしていた。撮影場所は山梨県内からで、山梨県らしい景色と富士山を追い求めている。8月18日の朝、高指山から見る富士山が一番良さそうだったのだが、この日は天候不良で富士山は見えず、翌日の朝を狙って高指山に撮影に行く計画を立てた。火星、土星、アンタレスが接近していることだし、未明に西に傾いた夏の大三角形も良さそうだ。テントを担いで山頂泊と考え、夕方6時ごろに山中湖に到着した。ところが、昼間は晴れていた空が一変し、真っ黒な雲が富士山周辺を覆い始め、ついには小雨が降り出してしまった。予定変更、山中湖湖畔で車中泊することにして車内を寝られる体制に整えた。すると夜の8時ごろになると、雲が晴れて星が見え始めた。間もなく東の空から月が昇り始めた。これならば山頂泊で大丈夫なのではないか?ということで、ザックにテントを詰め込んで8時半から高指山山頂を目指して登り始める。

 中腹まで行くと霧雨が降り始めた。空を見上げると雲の切れ間から星が見えている。9時半、山頂に到着した頃には霧雨に小雨も混じるようになり、富士山は全く見えない。テントを設営するが、雨は降らないと見ていたのでフライシートを持ってこなかったため、当然の如くテントの中は結露して水浸しになってしまう。テントの中だというのにカッパを着て一夜を過ごすこととなる。


    霧雨と小雨の高指山山頂。富士山は全く見えず。


    雲を透かして見える月。星も時々姿を現していた。

 9時半ごろに富士山の左側に接近した火星・土星・アンタレスが輝いているはずだったのだがこれでは撮影は困難だ。天気予報と雲画像を見る限りでは未明から晴れてくれそうなので、明朝を期待して10時半に寝る。

 未明3時半に目覚まし時計の音で目が覚める。外を見ると・・・霧雨だがだいぶ小降りになっている。残念ながら富士山は見えないが、軽く朝食をとって再び外に出ると月が見え始めていた。日の出までにはなんとか回復してくれそうに見える。


    未明4時半の空。雲が多いが青空も見える。


    やがて月が見え始めた。


    4時45分、雲がだいぶ晴れてきた。日の出は5時2分ごろ、もう少し!


    4時54分、笠雲を被った富士山が姿を現し始めた。


    よし、なんとかなりそうだ。とこの時は思ったが・・・。


    富士山の後ろ側にうっすらとアースシャドウが出ている。日の出目前、しかし雲が増えてきた。


    ちょうど日の出の頃だが、残念ながら富士山は雲に覆われてしまった。


    その後はさらに雲が増えて富士山は2度と姿を現すことは無かった。


    残念、撤収。

 ポスター用には縦位置で山中湖・富士山・月と良い位置に収まってくれたとおもうのだが、この雲では富士山の裾野が見えず、富士山なのかどうかが判別できず残念ながら使い物にならない。またの機会に月の位置を見て狙ってみたい。


    この周辺にはヒオウギという稀少なアヤメの仲間が咲き、手厚く保護されている。


    保護ネットの中で咲いたヒオウギ。鹿の食害を逃れるためには仕方ないのだが、これでは受粉出来ないのではないか?と疑問を持ってしまう。


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ニョホウチドリを求めて 山梨県東部の山へ  平成28年7月2日

2016年07月02日 | 山梨無名山
 大菩薩嶺界隈のニョホウチドリは山梨県山岳連盟主催で昨年調査と観察会が行われたが、鹿の食害と笹の増殖で激減しており、まさに絶滅寸前というところまで来ている。今回は調査を兼ねて別の場所を訪れてみた。登るのはルートの無い笹薮だ。


    林越しに富士山が見えた。


    足元に黄色い花。コナスビ(サクラソウ科オカトラノオ属)


    別の黄色い花。ミゾホオズキ(ゴマノハグサ科ミゾホオズキ属)


    また別の黄色い花が岩に張り付いて咲いている。


    イワキンバイ(バラ科キジムシロ属)


    ここからいよいよバリアンスルート。膝から腰のあたりまである笹薮をひたすら登る。


    時折開けた場所があるが、そこは鹿の踏み跡だらけ。遊び場らしい。


    まだまだ続く笹薮。この藪の中では花は咲きそうも無い。


    ようやく開けた場所に出た。上のほうは笹の中に草むらが混じっているようだ。


    笹薮をかき分け、ようやくお目当ての花にご対面。


    ニョホウチドリ。


    ちょうど咲いたばかりのようだ。良い時期に訪れることが出来た。


    首をかしげてお出迎え。


    岩の根元に咲いた花。


    赤紫鮮やかな花。思わず見入ってしまう。


    この場所はそこそこに数はあったが、この笹薮の中で大丈夫なのだろうか?


    いずれは笹に埋もれて消滅してしまうのではないかと心配になってしまう。

 そのまま笹の混じる草むらを足元の花に気を付けながら強引に突っ切り、稜線の登山道まで抜ける。笹薮の突破に苦戦し、時間はもう午後4時を過ぎてしまった。少し場所が離れているが、以前にこの花を見たもう1ヶ所別の場所に行ってみることにする。


    このあたりに7~8株咲いていたはずだが・・・笹に飲まれて消失している。葉も発見できない。


    さらにその上の斜面を探してみると、数株だけ咲いていた。しかし、笹の生い茂るこの斜面、かなり危ない状況にありそうだ。


    笹薮の中に咲いたニョホウチドリ。


    背高ノッポのこの株は元気そうに見える。


    笹薮に囲まれながらなんとか咲いてくれている。


    これだけ笹に覆われてしまっていると・・・もはや消滅を待つだけ・・・という気がする。


    もうすぐ夕暮れ。

 時間は午後6時を過ぎてしまった。本日はこれまで。まだ日が残るうちに明瞭な登山道のある場所まで下りて、あとは薄暗い中をテクテクと下山した。

 今回この花を探しに行った場所も大菩薩嶺と同様に鹿の食害に加えて笹の増殖が著しく、いつ消滅してもおかしくない場所と言っても良いだろう。救いなのはこの場所が強風が吹きあげる風衝地で、笹の背丈が低く露岩とザレ地が少し混ざっていて笹が伸びにくい環境にあるということだろう。しかし大菩薩嶺の雷岩付近も同じような環境にあるにもかかわらず、あの界隈のニョホウチドリは減少の一途をたどっている。やはり手放しで安心できるとは到底思えない。盗掘が心配なのはもちろんだが、それ以上に環境の変化にこの花が対応して行けるのかどうかが心配である。





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引き続き南アルプス前衛の山の花調査  平成28年5月28日・29日

2016年06月02日 | 山梨無名山
 見つからない花の調査を引き続き行い、2日間道無き山腹を歩き回ってみた。今回は新たな情報をいただき、数は少ないながら昨年までは確実に花が存在していたという場所を集中的に調査してみた。しかし結果は・・・

 5月28日

 当直疲れが抜け切らず10時過ぎまで寝て遅めの出発となる。かつ、夕方から集会が入っており、入山できる時間は4時間ほどに限られてしまう。情報をいただいた斜面をジグザグに歩いて花探しするが・・・。


    急斜面をジグザグに歩いて花探し。先週は沢の源頭を歩いたが見つからず、今回は雑木林の林床を探る。


    ササバギンランは比較的多く見かける。


    そして相変わらずたくさんあって、花が咲き始めたクサタチバナ。


    イカリソウはもう終わりだが、食害に遭っているのか数は少ない。


    フタリシズカとクサタチバナ。


    少し薄暗い林床の中も生えているものはあまり変わらない。


    クサタチバナ群落


    古木(ブナ?)の周辺


    日当たりの良い斜面


    平坦な草地


    ヤマツツジとウツギ

 いずれの斜面を探しても同じような草ばかりで、探し物は見つかる気配が無い。時間切れで撤退。


 5月29日

 前日よりは若干早くスタートして、前日探した斜面の尾根を隔てた反対側とさらにその上を歩いてみた。


    本日は沢を登って斜面に取り付く。


    日当たりの良い雑木林の林床


    ヤマブドウのツルが絡み合うジャングルのような森


    やや日当たりの悪い少し湿った林床


    枯れた沢のいちばん上で見つけたミゾホオズキ(ハエドクソウ科 ミゾホオズキ属)。


    ミゾホオズキ

 前日と反対側の斜面でも見つけることは出来ず、ちょっと珍しいと言えばミゾホオズキくらいだ。尾根に取り付いてさらに高度を上げて、昨日歩いた斜面の上を大きくトラバースしながら歩いてみた。


    相変わらずのクサタチバナ群落


    日当たりの良い斜面に群生


    満開のクサタチバナ


    バイケイソウ咲く斜面


    岩ゴロゴロの斜面


    クワガタソウがちらほら


    フタリシズカ


    元気の良いバイケイソウ


    下の谷も、向こうの尾根も、その向こうの谷も探したはずだが・・・

 残念ながら2日間探したが探し物は見つからず、稀少植物も何も出会うことが出来ない。かつては植生豊かな山だったはずなのだが、今ではほとんど何も無い山に変わり果てているような気がする。

 次週はいよいよ山梨県山岳連盟の有志が集い、この山の探索調査が行われる。その前になんとか探し出しておきたかったのだが、ありそうな斜面の目途すら立たずに調査の日を迎えることとなりそうだ。しかし、かなりの精鋭部隊が集まる調査会なので、ひょっとしたら最後の最後で逆転劇が待っているかも知れない。
    

 



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先週に続き南アルプス前衛の山を訪れる  平成28年5月22日

2016年05月25日 | 山梨無名山
 探し物の花は全く見つかる気配が無い。おそらく草が生い茂る茂みの中が怪しいと思っているのだが、そのような環境の場所が見つからない。おそらくは沢の源頭辺りの少し湿り気のある場所が怪しいとにらんでおり、今回は沢の源頭あたりを水平にトラバースして探してみたいと思う。


    今日はここから入ってみよう。


    倒木でゴチャゴチャな沢。右の沢に入る。


    沢の源頭付近。この上で枯れ沢に変わる。


    緑は豊かだが生えているのはフタリシズカ。


    そしてクサタチバナ。鹿の食べない草ばかりが残っている。


    日当たりの良い場所では開花しているクサタチバナ。


    草地があったかと思えばハシリドコロの群生。


    トラバースして尾根を越え、隣の沢の源頭に着く。


    岩の間からきれいな水があふれ出ている。


    しかしここにあるのはバイケイソウ。


    時折見かけるのはラショウモンカズラ。


    さらにトラバースすると、森の妖精でも出てきそうな緑豊かな森に出た。しかし、生えている草はハシリドコロ。


    水があふれ出る美しい森。


    木の根元から水が湧き出している。


    岩の下から湧き出る水。


    クリンユキフデ


    ミヤマハンショウヅル

 だいぶ斜面をトラバースしていくつかの沢の源頭を見て回ったが、やはりそれらしき草が生い茂る場所は見つからない。あるのはバイケイソウ、クサタチバナ、ハシリドコロ、フタリシズカばかりで、目的の花は発見できない。さらに尾根を越えてトラバースしたがその先は枯れた深い谷になっていたため、急登の尾根を稜線に向かって登り上げた。


    急峻な斜面を滝のように沢が流れている。その上に尾根を巻いて登ってみる。


    急斜面の途中から勢い良く水が流れ出していた。ここが沢の源頭。


    この先は枯れた急峻な谷のため、この尾根を上に登るがかなりの急傾斜。木の根っこにつかまりながら必死で登る。


    ツバメオモト


    イチリンソウ


    ハシリドコロに混じってヤマシャクヤク


    ユリワサビ


    シダの生い茂る森


    水源から離れるとやや乾燥した斜面になり、生えているのはフタリシズカ。


    上に稜線が見えてきた。このあたりはバイケイソウの森。


    もう少し。


    登山道のある稜線に抜け出た。

 斜面をかなりトラバースして探し回ったので、稜線に抜け出るまで6時間もかかった。稜線の道を進むと保護柵で囲われた草地に出るので、そこまで行って大休憩、遅い昼食をとる。2時ごろまでにはこの場所に到着するはずだったのだが、時間は3時を回ってしまった。斜面でだいぶ踏ん張ったので足が痛い。ゆっくりのペースで下山するが、いつもの癖で怪しい斜面があるとついつい入り込んでしまう。おかげでまたまた下山にもかなりの時間を費やしてしまうことになる。


    保護柵で囲まれた内側は豊かな緑が蘇りつつある。地面を覆い尽くすマイヅルソウの大群落。


    キジムシロとシロバナノヘビイチゴの大群落。


    下山道の脇に咲いていたルイヨウボタン。山の斜面にもこの花の葉だけはたくさん見かけた。


    ルイヨウボタン


    ウスバサイシン


    ミツバツツジ


    登山道を外れて森の中に入ると、ミヤマスミレの群落があった。


    合唱するラショウモンカズラ


    シダの生える斜面


    次回はこの上部の探索だろうか?


    この滝の源頭も今日は巡り歩いてきたはずだ。

 夕暮れが迫る6時少し前に車を止めた場所に戻り着いた。本日も自分ながらには充実した探索登山だったと思うのだが、探し物は見つからずそれらしき草地にもめぐり逢えなかった。おそらく保護柵で囲まれた場所以外は、この山の全域が現在はこのような状況になってしまっているのではないだろうか?花探しだけでなく、山の状況を見ることも探索のうえで必要なことだと思う。ほとんど収穫はなかったが、まだまだこの山の探索調査は続ける。    
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バリアンスルートの花探し しかし探し物は見つからず  平成28年5月15日

2016年05月24日 | 山梨無名山
 南アルプス前衛の山へうーさんを誘って花探しに出かける。先週下見をしておいた沢だが、途中で二手に分かれているので、左側の沢を登って稜線まで抜け、稜線を回り込んで右側の谷の上から沢を下って来るという登りも下りもバリアンスルートの谷だ。先週の急峻な谷に比べるとこちらのほうが傾斜が緩いので歩き易いとは思われるが、どうなるかは歩いてみないとわからないので30mザイルを持って入山する。標高差は約600mだが、バリアンスルートのこの標高差は決して簡単では無いだろう。かつ、直登では無くて斜面を右往左往しながら花を探しながらの登山、果たしてお目当ての花が見つかるかどうか??


    沢の分岐点。左手の沢を登る。


    登って行くと間もなく沢の源頭に出た。岩の間から水が湧き出している。


    ここからは枯れた沢の斜面や尾根を右往左往しながらジグザグに登って行く。


    イチリンソウ、ニリンソウは葉がたくさん出ていたが花はまばらに咲いている。


    イチリンソウとニリンソウが混在


    イチリンソウ


    青々と茂る草地の斜面に出た。探し物があるとすればこんな場所だと思うのだが・・・


    そこにあったのはハシリドコロの畑。


    そして大きな葉を広げるバイケイソウたち。鹿の食害の跡地なのだろう。


    ヤマシャクヤクは葉をたくさん見かけるが花を付けている株はきわめて少ない。


    ニリンソウ


    ヤマエンゴサク


    急登が終わって傾斜が緩くなってきた。もうすぐ稜線に抜ける。


    稜線付近もバイケイソウの山。登って来た斜面を含めて、徹底的に鹿にやられているという印象を受ける。

 3時間半ほどで稜線に抜け出たが、この程度の時間で登れればまだ早いほうだろう。うーさんと2人で広範囲の斜面を右往左往しながら登って来たつもりだが、探し物の花がありそうな場所は全く見つからない。稜線で食事をとって大休憩し、場所を移動して今度はもう一方の沢の上部から谷に下る。


    日当たりの良い尾根道沿いに咲いていたタチツボスミレとワチガイソウの群落


    沢に向かって窪んだ斜面を下るが、そこはクサタチバナの大群落。


    奇妙な葉っぱが・・・と近付いてみればテンナンショウ。


    昨年も別ルートで花を探してこの場所に出た。探し物は見つからず、ここでしばし休憩。


    このゴシャゴシャな藪の中が怪しいが・・・それらしきものは無し。


    見つかりませんね~。もうすぐ沢の合流点。

 今回歩いた沢沿いの斜面が最も可能性が高いと思っていたのだが、残念ながら発見できず。問題なのは発見できなかったこと以上にその花が咲きそうな環境の斜面が全く見当たらず、手ごたえが全くないということだろう。難航はするだろうと予想はしていたが、草の生い茂るそれらしき場所は沢を詰めればそれほど難無く見つかるだろうと予想していたのだが、そのような環境の草地は全く見つかりそうな気配が無い。それと同時に、この環境では探し物の花が鹿に食べられてしまうか、山肌の乾燥化によって絶えてしまう可能性が高いということだろう。なんとしても探し出して何らかの対策をとらなければならないであろうが、見つからないことには対処の仕様が無い。探し物とはこの山にしか生育していない穂先の突き抜きの草。次週は隣の沢に挑む。  
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花を探してバリアンス尾根を登り谷を下りるが・・・ミッション失敗  平成28年5月8日

2016年05月11日 | 山梨無名山
 今から15年ほど前に、今回訪れる山にはお花畑が広がっていたが、徹底的な鹿の食害に遭って全く様相が変わってしまった。その頃に沢沿いの斜面に今では山梨県では絶滅しているだろうと思われている花が咲いていたらしい。その沢にはルートは無くバリアンスルート、まず入る人は居ないのでどうなっているかも全くわからない。

 作戦は尾根を途中まで登って沢に下降して上まで登る、という予定だったが、いざ尾根を登って沢を覗き込んでみると傾斜がかなりきつく、ザレた岩がゴロゴロの枯れ沢でとても花が咲きそうな沢には見えない。そのまま尾根を上まで登ることにした。


    荒れたこの沢の上部と聞いたが・・・まずは右側の尾根に取り付く。


    こんな斜面に別の探し物、ピンク色の妖精が咲いている頃だが・・・見つからない。


    急登の尾根をひたすら上に登る。


    ツバメオモト


    ミヤマウズラの葉


    見つかったのはこの双葉の花。おそらくタ・カ・ネ・フタ・バラン。


    イチヨウランの葉


    ヤマシャクヤクだと思うが花が咲きそうな様子は無い。


    苦節3時間、平らな森に登り着いた。


    大きなトドマツの木


    登山道に抜け出た。

 登山道までなんとか登り着いて一安心だ。この道を林道まで下りれば元の場所に到着できる。しかし・・・肝心の沢には入れないことになる。昼食をとって休んだ後、GPSとにらめっこしてルートを検討し、目的の沢を下降してみることにした。かなりの急傾斜の沢だが、枯れていて滝は無いはずだ。念のためザイルを準備して急峻な沢に下りる。


    上部の草地はバイケイソウだらけ。シカの食害でほとんど何も無くなったようだ。


    ザイルを準備する。


    急峻な沢に下降する。


    下り着いた沢。倒木と石ゴロゴロの荒れた沢。


    イワボタン


    ツルネコノメソウ


    クルマバソウ

 荒れた枯れ沢の中は浮石だらけのガラガラな沢で、踏み込むと50㎝ほど足元が崩れてしまう石屑の沢で非常に歩きにくい。あまり目ぼしい花が咲いているような環境には見えなかった。幸いにしてザイルを使用せずになんとか下降できたが、足はすっかりガクガクになった。


    石屑の沢を振り返る。目ぼしい花は咲きそうも無い。


    なんとなく下が見えてきた。


    沢の源流。石屑の間から水が流れ出る。


    おいしくて冷たい水が流れ出ていた。


    こんなところを登る奴の気が知れない。しかし沢の途中には青いテープの切れ端が散らかっていて、ここに入っていた人が居たようだ。


    隣の沢。ひょっとしてこっちなんじゃね~??

 翌日これとは別件で情報を提供してくださった花の先生から電話があった。こちらの沢のことをもう一度聞いてみると、やはり今回下りてきた沢では無くて隣の水が流れているほうの沢だったようだ。しかしこちらもルートの無いバリアンスルート、どうやって攻めるかはまた検討し直して挑戦したいと思う。

 さて、時間は午後3時半。もうひとつ、別の花の調査で入山を予定している沢がある。もはやこの時間で稜線まで登り着くのは困難なので、途中まで下見に行くことにする。


    林道脇に咲いていたラショウモンカズラ。


    ニリンソウがたくさん咲く。


    沢は途中で2本に分かれている。右の沢は昨年上から降りてきたが、斜面が広大で調査不十分で終わっている。


    こんな斜面のどこかに居るはず。今年第一の目的の草。


    シロバナタチツボスミレ


    おそらくナガバノスミレサイシン


    次は沢を上の稜線まで登る予定。

 調査はまだ始まったばかりだが、慣れない沢登りのうえに咲いている場所の情報がきわめて少なく宝探しをするようなものだ。しかしどこかにあることは確実である。なんとか今年のうちに決着を着けたい。

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ミヤマスミレと交雑種のスミレ  平成28年5月4日

2016年05月06日 | 山梨無名山
 先日の栃代川遡上した際にミヤマスミレに出会ったが、このスミレはどうやら標高が1,400mあたりのところから分布しているようだが、茅ヶ岳や黒富士の辺りでは見かけたことが無い。ネットで調べていると、これの交雑種のスミレが存在することがわかったきた。そしてその交雑種が咲いている環境は画像を見る限りではどうやら広葉樹林の林床らしい。情報はかなり少ないが、標高1,400mを越える広葉樹林の山、かつあまり人が入らなそうな山ということで目星をつけて出かけたみた。

 先日の栃代川とは打って変わって今回登る沢は穏やかで歩きやすい。足元には春の植物がたくさん葉を出しているが花が咲いておらず何だかわからないものがいくつもあった。しかし登って行くうちにちらほらと花が咲いている株に出会うことができ、大部分の花は判別がついた。


    今回登る沢は穏やかで、栃代川とは大違い。春の香りを満喫しながら遡上する。


    葉はたくさんあったが花が見つからず、ようやくご対面。シコクスミレ。


    沢沿いに咲くシコクスミレ。


    これも葉はたくさんあったが花はこの1株のみ。フタバアオイ。


    こちらもようやく花に出会った。コチャルメルソウ。


    ミツバコンロンソウ。周辺にたくさんある葉はテバコモミジガサ。


    何やら見慣れない葉が現われた。


    あたりを見回すと数株花が咲いていた。


    なんとこれはチ・チ・ブ・シロ・カネソウではないか!


    山梨県ではあまりお目にかかることが無い花。

 沢を登り着いて尾根にたどり着く。日当たりの良い尾根にはスミレが咲いているが、お目当てのミヤマスミレは見つからない。尾根を登ってコブを2つほど越え、標高は1,600mあたりまで登って来たがあるのはミヤマスミレでは無くタチツボスミレばかりだ。これは当てが外れたようだ。昼食をとって大休憩する。


    アカネスミレ


    アケボノスミレ


    咲き残っていたヒナスミレ


    ヒゴスミレが1輪だけ。


    標高1,600mを越えたがあるのはタチツボスミレばかり。

 ミヤマスミレが咲くのはどちらかというとやや湿った斜面のはずだが、この尾根はどちらかというと乾燥している。まだ時間があるので方向を変えて別の尾根に取り付いてみる。すると・・・同じく標高1,600mあたりのところで小さな紫色のスミレが姿を現した。今度こそミヤマスミレのお出ましだが、満開を少し過ぎて痛み始めていた。


    方向を変えて別尾根を登る。ヤマザクラの向こうにちらりと富士山が見えた。


    ようやく出会えたミヤマスミレ。


    ミヤマスミレ。かなりの数があるが、少し時期を過ぎていた。


    そして出会えました。葉がギザギザした交雑種のスミレ。残念ながら花期を過ぎていた。


    こちらも周辺にたくさん葉が出ているが、花は傷ついた2株のみしか出会えず。


    ミヤマスミレとエイザンスミレの交雑種、フギレミヤマスミレ。

 花期を過ぎてしまっていたのは残念だったが、ひとまずは初めての確実な交雑種のスミレに出会うことが出来た。(前出のカクマはどうも怪しく、確定には至らない。)今回はたまたま運良く出会えたに過ぎないのだが、花の咲く環境や標高、木や岩の質などを総合して考えるとある程度ではあるが探し物の花が咲きそうな場所が推定できるようになってきた。環境と植生を知ることは花探しだけで無く、保護や再生を行って行くうえでも大変重要なことだと思う。
    
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甲斐の姫君を訪ねて 山梨県県南部の山へ  平成28年4月9日」

2016年04月10日 | 山梨無名山
 昨年訪れた県南部の山で撮影したコバイモ属の花を花の先生に見てもらったところ、花弁が細く先端がやや尖っており、これは山梨県ではまだ発見されていないイズモ・コ・バイモの類のものでは無いかという話になった。他の写真も見てみたがほとんどがこの写真のように先細になっている。これは確認に行くしか無いということで今年も訪れてみることになった。昨年は若干時期が遅かったので、今年は武田神社の桜の花を見ながら、桜が散り始めたおそらくはコ・バイモが満開になっているだろうという時期を狙って訪れた。


    昨年撮影したコバイモ属の花。確かにカイ・コ・バイモのように開いておらず花が細く見える。果たして正体は??

 今回訪れる場所はかつて登山道があったらしいが今では廃道となっており、国土地理院の地図からもルートは消えてしまっている。しかし、倒木だらけの藪道や崩落個所があるものの、林業の軌道跡と細い登山道跡は残っている。そしてこの季節になるとヤマヒルが発生する山なのでその対策も必要となる。昨年のGPS軌道跡を確認しながらうーさんと2人で入山する。


    昨年は最初に現われるこの看板のところでいきなりルートを見失ったが、今年は登山道を発見。しかしその道は途中で崩落し、藪の中に消える。


    適当に尾根に取り付くと再び登山道が現われ、ミツマタの群生地に出る。


    紙を生産するためにミツマタを植林したらしい。植林帯フェンスの周辺はミツマタだらけ。


    朝は見えていた富士山だが雲に巻かれてしまった。


    日当たりの良い斜面にはタチツボスミレがたくさん咲く。

 植林帯のフェンスの外周を回り込んで登ると杉の植林帯に入り、ここには明瞭な道がある。昨年見かけた細長いスミレの葉はヒナスミレだとばかり思っていたが、花が咲いてみるとそれらは全てナガバノスミレサイシンであることがわかった。植林帯を抜けるといよいよところどころ崩落地のある笹交じりの急登になる。


    杉の樹林帯の中に咲いていたナガバノスミレサイシン。


    細長い葉のスミレはどうやら全てナガバノスミレサイシンのようだ。


    エイザンスミレが数株。


    一株だけ咲いていた何だかわからない小さなスミレ。これはアオイスミレか?

 沢に降り立つとハナネコノメがたくさん咲いていた。ひょっとしたら秋になるとこれまた珍しい花が咲くかもしれないと思い、それらしき葉が無いかどうか探してみたが見当たらなかった。


    沢の中の苔に咲いていたハナネコノメ。


    イワボタンとハナネコノメ


    ユリワサビ


    見たかったツルシロカネソウはまだ蕾だった。


    尾根のヤマイワカガミもまだ蕾。昨年は白い花を咲かせていた。

 急登の尾根を登って平坦地に登り着くと、間もなく目的地に到着する。ザックを置いて一休み、すると、休憩した足元にもう目的の花が咲いていた。場所を変えるが目が慣れてくると休憩しようとした場所の周辺に数株咲いており、まだ花を付けない若葉がたくさん出ている。あたりを良く見まわし、さらにヤマヒルが居ないかを良く見ながら腰を下ろして休憩する。

 昼食をとって花を探しに行くと、昨年とは比べ物にならないくらいたくさんの花が咲いていた。そして若葉もこれでもかというくらいに元気に日を浴びている。


    居ました、目的のコ・バイモ。保護色でひっそりと、しかし、しっかりと存在感を示している。


    今年はかなりの数が咲いている。


    周囲にはまだ花を咲かせない若葉がたくさん出ている。


    しかし、この花はどう見ても甲斐の姫君、カイ・コ・バイモ。


    昨年は雨の後で花弁が痛み、左の花のように先端を閉じていただけだったようだ。


    花弁の内側に斑点は無い。これは間違い無く甲斐の姫君。


    圧巻の8株。こんなのは初めて見た。


    下から失礼。何株か花弁が傷んでしまっているのが残念。一株はレンズに収まり切れない。


    数株をアップで。


    その先の斜面にも甲斐の姫君がたくさん咲いていた。

 最初は株数をカウントしていたのだが、その先の斜面にもたくさん花を咲かせており、もはやカウント出来るような数と範囲では無いことがわかる。この場所はほとんど人が入ることが無く、この花たちにとっては天国なのだろう。私たちも天国にいるような気分でこの花たちの咲いている姿を楽しませてもらった。

 新種のコ・バイモを期待していたのだが、この場所に咲くのは甲斐の姫君、カイ・コ・バイモということで決着がついた。しかしこの場所は規模、花数とも思親山よりも数倍あり、おそらくはこの花の自生地の中で最大規模のものだろう。簡単には行き着けない場所だけに、これからも咲き続けてくれるものだと思う。
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ほころび始めた積翠寺裏山のスミレたち  平成28年3月25日

2016年03月28日 | 山梨無名山
 昨年裏山を散策している時に偶然見つけたイブキスミレの大群落。しかしその時は既に花期を過ぎており、確認したのは葉っぱだけ、しかも夕暮れを過ぎた頃で暗かったため写真は撮られていなかった。どの程度の花が咲いてくれるのか、今年は楽しみにしているのだが、若干時期が早いかも知れないが見に行ってみることにした。しかし、現地に到着してビックリなことが・・・!!


    武田神社の桜は5分咲きだが、標高の高いこちらはまだ固い蕾。


    道端に咲いていたタンポポ。このあたりはほとんどが二ホンタンポポ。


    日当たりの良い草地ではスミレがたくさん咲く。


    林道で見つけた円い葉っぱ。イブキスミレだろうが、花芽はまだ根元の辺りに出始めたばかり。


    こちらは葉っぱがハート形のタチツボ君。


    蕾を付けたヒナスミレ。

 昨年群落を発見した場所に到着して唖然。まさにこれでもかというくらいに葉っぱが群生していたその場所は林業作業のためにそっくりえぐり取られてしまっていた。周囲を探してみると、群落とまでは言えないまでもまだ残っている株があった。


    削られてしまったまさにこの斜面にびっしりとイブキスミレの葉が密生していたのだが・・・残念。


    まだ蕾のスミレ。葉が巻いているが広げてみると丸っぽい葉。イブキスミレだろう。


    近くに一輪だけ咲いていた。タチツボかと思ったが葉を良く見れば巻いている丸っこい葉。イブキスミレだ。

 生き残っていることだけは確認できたが、残念ながら楽しみにしていた大群落は無残にも失われてしまっていた。先に進む。


    こんな苔の生えた沢沿いにはきっと居るだろうと探してみると・・・


    ここは白いほうでは無くて黄色いほうの領域らしい。


    咲き始めたコガネネコノメ。


    観音様に立ち寄る。


    さらに山頂に立ち寄る。少しだけ雪が舞った。


    途中で1枚だけ見つけた見慣れない葉っぱ。ランだったら大変だが、たぶん別物だろう。

 楽しみにしていたイブキスミレ群落は失われてしまったが、この山域にはかなりの数のイブキスミレがあり、さらにもうすぐ赤紫色鮮やかなスミレが咲き出すはずだ。4月になったら再訪してみたい。
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畑熊から大畠山ルート偵察とミスミソウ  平成28年3月5日

2016年03月07日 | 山梨無名山
 ミスミソウで有名な市川三郷町畑熊から四尾連湖の上、蛭ヶ岳の西に位置する畑熊山へのルートがあることを最近知った。先日うーさんが途中まで歩いているが狩猟の人たちが入っていて猟犬が放たれているということで帰って来たそうだ。ハシゴありロープ有りの面白いルートらしいのでミスミソウの観察ついでに途中まで偵察に行ってみることにした。

 畑熊のミスミソウを観察に行ったのはもう8年も前のことで、案内されて付いていっただけなのでその場所もあまりはっきり覚えていない。一番覚えているのはジグザグの細い林道の途中に車を止めようとしたところ、地元の方の軽トラックが下りてきて「そんなところに車を止めるな」と怒られたことだ。確か入口のところにミスミソウの群生地の看板があって、そこにこの場所のミスミソウの歴史のようなものが書かれていたように思う。県道沿いに車を止めてジグザグの林道を歩いて行くがその林道沿いには看板は見当たらない。しばらく登って行くと人家が数軒あり、その先で林道には鎖がかかっていて車が入れないようになっていた。群生地は通り過ぎてしまったようだが、そのまま林道を進んで詰めまで行き、その先に山腹を巻くように付いている山道に入る。GPSが指し示す大畠山の登山道とはルートが違うが、すぐ上の尾根が登山道のはずなのでここからも行けるはずだ。


    林道を進むと民家が数軒立っていた。


    その先で林道には鎖が張られていて車は入れない。


    林道の詰め。ここから山腹を巻くように道が付いている。


    間もなく道は左右に分かれ、左は谷を通るルートになっているらしい。右を登る。


    どんぐりが芽を出していた。


    芽吹いたフデリンドウ。


    尾根に登り着くと正規の道と合流した。

 登った山道は途中から不明瞭になったが、尾根に登り上げるとそこには正規のルートがあった。帰りはこちらの道を歩くことにする。ここから先は荒れてはいるが明瞭な道が付いていた。


    無線用のポールが何本も立ち、下にはアンテナが散乱していた。


    山道を彩っていたアブラチャンの花。


    立ちはだかるように見える760m平坦地のピーク。この日はあそこまで。


    760m平坦地ピークの登りは左に山腹を巻いて緩い左斜面を登る。途中の崩落地に取り付けられたロープ。


    ペンキで文字の書かれた木が何本もある。「公社・・・?」読めない。


    760m平坦地のピーク。ここで県道から大畠山へのルートの中間点くらい。大畠山が1,100m少々なので、あと350mほどだ。


    林の中で展望が悪いが、隣の尾根越しに甲府盆地が見える。

 標高差で450mほど、1時間半ほど登った標高760mのところで休憩し、ここで折り返す。下見だけなのでザックは持たず、カメラ用のバッグにペットボトルの水1本とお菓子を少々しか持ってきていない。あまり歩く人のいない藪道かと思っていたが、以外にもまともな道であることがわかった。
 正規の道を下山すると、抜け出たのは林道にかけられた橋のところだった。途中から沢に合流しているらしい。そこから少し下ったところにうーさんから聞いていたハシゴがあった。このハシゴを使って尾根道に取り付けばもう少し楽に行けるようだ。


    枯れた沢を下って林道にかかる橋の下に出た。


    そこから少し下ったところにハシゴがあり、ここから取り付くと楽に行けるようだ。

 さて、通り過ぎてしまったミスミソウの群生地はどこなのだろうか?民家のところまで下りるとおじいさんが畑の見回りをしており、場所を聞くと快く教えてくれた。私が山に入って行く姿を見ていたそうで、どっちに行ったか心配されていたそうだ。教えていただいたルートに沿って斜面を下って行くと、間もなくミスミソウが姿を現した。


    急斜面を下る。


    間もなくミスミソウがお目見え。


    群落を造っているわけでは無いが、林の中にパラパラと咲いている。


    畑熊のミスミソウ。


    同上。


    写真を撮るために斜面が削れてしまっている場所があるのはいただけない。望遠レンズを使って欲しい。

 群落を外れた別の場所でスミレの葉が出ていたので観察していたところ、その近くにミスミソウが咲いていた。こちらはまだ葉が青々としていて新鮮な株だった。花がゴージャスに見えるのだが、良く見てみれば八重咲き、花弁が16枚付いている。


    スミレの葉を観察していたら、近くに白い花が咲いていた。ミスミソウ。通常は花弁が8枚か12枚だが・・・


    こちらは八重咲き。数えてみると16枚ある。


    葉が青々としていて新鮮な株。数は3~4株ほど。

 平成20年3月に訪れた時の画像を見直してみると、その時の写真の中にも八重咲きのミスミソウが写っていた。撮影したのはあの群生地の中だが、その頃は今よりももう少し数が多くて林の中がもっとじめじめしていて湿度が高かったように思う。下草が減って山肌が乾燥してきているように見えなくもない。踏み跡もあちらこちらに付いていて、この場所は今後大丈夫なのかと少しばかり心配にならなくも無い。


    平成20年3月に撮影した八重咲きのミスミソウ。このころは山肌が湿っていたように思う。

 同じような環境の場所はこの山域には他にもたくさんあるので。おそらくは他の自生地も存在しているのではないかと思う。この山域も歩いて見たいとは思うのだが、その前に他の山でやるべきことが山積みされている。

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山中湖界隈の某山にて植物観察会  平成27年9月26日

2015年09月29日 | 山梨無名山
 今年4度目(5度目?)となる山梨県山岳連盟主催での植物観察会が開催された。今回の山は知る人ぞ知る花の宝庫で、ちょうど見ごろを迎えた紫の花を観察するために花マニアたちが集まって来る季節である。今回は講師を仰せつかっているが花の名前に自信があるわけではなく、花見隊メンバーの出動も要請して総勢15名で観察会に出かける。


    一応下見はしておいたが相変わらずわからないもの、同定できないものばかり。何じゃこりゃ~??たぶんヤマハッカ(シソ科ヤマハッカ属)。


    このあいだはこんなの咲いてなかったと思うが・・・たぶんヒキオコシ(シソ科ヤマハッカ属)。


    オケラ(キク科オケラ属) 


    最近この山のお気に入りの花がこれ。黄色じゃなくて赤いほう、コシオガマ(ゴマノハグサ科コシオガマ属)。


    半寄生の植物らしいが、全くそうは見えない。


    マツムシソウ(マツムシソウ科マツムシソウ属)。まだ結構咲き残ってました。


    葉や茎に棘が無い。これはタムラソウ(キク科タムラソウ属)。


    タチコゴメグサ(ゴマノハグサ科コゴメグサ属)。以前にも見たことがあったはずだが、名前ばかりでなく存在すら忘れていた。


    ありました。本日いちばんお目当ての紫の花。


    しかし以前に比べると数が減って大きさも小ぶりのものばかり。


    富士山を背景に撮れるような株は無くなってしまった。


    山頂で記念撮影。ですが・・・人数足りなくね~?

 普通に歩けば1時間ほどで山頂到着できるが、植物を観察しながら大回りして登って来たので、約2時間半かかって山頂到着。ここで昼食をとって下山する。


    もうひとつ見ておきたかったのがこの花。


    ハラグロ、は私で、おちょぼ口の花が可愛らしいフシグロ(ナデシコ科マンテマ属)。


    このホタルブクロは萼が反り返っていない。これはヤマホタルブクロだろう。


    もう終わっているだろうと思ってましたがまだ少しだけ咲き残ってました。ヒナの・巾着。

 広大な草地が広がり植生豊かなこの山だが、鹿の食害も、また、無法地帯であるだけに盗掘もあるのではないかと予想される。年々減少しつつある稀少な花たちの保護のためには保護柵の設置が必要だろうと考えているが、しかし、この山の地権者や利権等の問題でそれはなかなか難しい問題らしい。手遅れにならないうちに何か手を打てればと思うのだが・・・。。




    
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予習を兼ねて花の咲く山へ  平成27年8月24日

2015年08月31日 | 山梨無名山
 花の好きな人たちには有名な山だが、山に登る人たちにとっては単なる通過点でしかないこの山。豊かな植生を持つこの山は山梨県内でも有数の花の名所であるが、全く保護がされていない無法地帯の山、かつ鹿の食害も目立ち、オオバギボウシの花芽は食害の跡が目立ち、年々数を減らしている。

 最近自然保護グループを中心に植物の観察や保護に力を入れ、山岳連盟の会員も興味を持って協力してくださる人たちが増えている山梨県山岳連盟。今回この山の植生と現状を理解していただく目的で、山岳連盟に植物観察会を提案したところ、実施することが決定した。案内役と講師を仰せつかっているため、花の観察と予習のために訪れてみた。花見隊メンバーは後に知ったがこの前日に訪れており、そのうちの一人は痛い目にあったらしい。そんなことなどつゆ知らず、単独で草むらをブラブラと歩くが、蜂の巣には全く気付かなかった。

 以下、予習を兼ねて花の写真を列記するが、花の名前は当てにしないでください。


    山の入り口に咲いていた関東嫁無い? いや、カントウヨメナ(キク科ヨメナ属)、と思ったが花が白いのでユウガギク(キク科ヨメナ属)だろう。


    姫常温?? いえいえ、ヒメジョオン(キク科ムカシヨモギ属)。


    追いはぎ? 違うだろう、ヤマハギ(マメ科ハギ属)。


    ドロボーハギ? ちと違う、ヌスビトハギ(マメ科ヌスビトハギ属)。


    ツルフジバカマ(マメ科ソラマメ属)。 良く似たクサフジよりもツルが太く葉が厚い。


    タチフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)。


    オオマツヨイグサ(アカバナ科マツヨイグサ属) 別名「月見草」または「宵待草」。帰化植物。


    シシウド(セリ科シシウド属) 強剛なのでイノシシが食べるのに適したウドということで命名された。


    吹雪暴風?? セリ科の花は鑑別が難しい。細かく分かれた葉はイブキボウフウ(セリ科イブキボウフウ属)と思うがシラネセンキュウかもしれない。


    雌雄別株のイタドリ(タデ科タデ属) こちらは雄株。


    こちらは赤い雌株。


    バンザイ?? 何だかわかりません。 


    これはどっち?


    萼に注目。ツリガネニンジンは萼が細長く針状。


    一方、フクシマシャジンは萼が幅広く三角錐状。


    ということで、こっちがツリガネニンジン(キキョウ科ツリガネニンジン属)、上がフクシマシャジン(キキョウ科ツリガネニンジン属)。


    もう飽きたカラマツ? いえいえ、まだまだ続くアキカラマツ(キンポウゲ科カラマツソウ属)
    

 ふざけたブログ、まだまだ続きます。



    オミナエシ〈女郎花〉(オミナエシ科オミナエシ属)。 男死ねし、じゃなくてオトコエシもあったはずだが、撮り忘れた。


    クセ~ワタ? いえいえ臭くありません。キセワタ(シソ科メジハギ属)。


    猫にこんばんわ、犬にゴマ? イヌゴマ(シソ科イヌゴマ属)。これはあまり枝分かれしない。


    イヌゴマ  


    上と良く似ているがこちらは枝分かれするクルマバナ(シソ科トウバナ属)。花が輪生することに名の由来がある。


    河川清掃? 違う、カセンソウ〈歌仙草〉(キク科オグルマ属)


    引かれて寝ている引き寝ヨモギ??


    何を言うか、本当は立って咲くヒキヨモギ(ゴマノハグサ科ヒキヨモギ属)。葉の形がヨモギに似ている。


    タケニグサ(ケシ科タケニグサ属)。竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなるらしい。あるいは茎の中空部が竹に似ているからとも云われている。


    キンミズヒキ(バラ科キンミズヒキ属)。


    シラヤマギク(キク科シオン属)。


    ノブドウ(ブドウ科ノブドウ属)だと思う。


    オオナンじゃこりゃ~!? やっと見つけたと思ったのにもう終わっているオオナンバンギセル(ハマウツボ科ナンバンギセル属)。


    コオニユリ(ユリ科ユリ属)。オニユリとはムカゴが付かないことで区別され、クルマユリとは葉の付き方が違う。


    ヤエムグラ(アカネ科ヤエムグラ属)。これからはびこって来るかも知れない。


    大和撫子七変化


    これは普通に見られるカワラナデシコ(ナデシコ科ナデシコ属)。


    屁臭いかズラ? じゃなくてヘクソカズラ(アカネ科ヘクソカズラ属)。


    全体に悪臭がするのでこの名が付いたらしいが、この可愛らしい花からは想像できない花名。お灸(ヤイト)の跡に似ることから別名ヤイトバナ。


    私は口が堅いんです。


    開くとこんなです。キキョウ(キキョウ科キキョウ属)。


    シソ科イブキジャコウソウ属の花と思われるがわからない花。タチジャコウソウだとすれば外来種ということになる。イブキジャコウソウの変種か?


    再び登場。これは・・・そうです。フクシマ。


    ヤマハッカ(シソ科ヤマハッカ属)。


    ウツボグサ(シソ科ウツボグサ属)


 最後はやっぱりこれ。


    小さな小さな花。


    腰の巾着? 花に失礼だろう!ヒナノキンチャク(ヒメハギ科ヒメハギ属)


    下のほうの種になった部分が巾着のように見える。


 他にも見落としている花が多々あるが、とりあえず今回の予習はここまで。

 真面目なブログを見たい方はこちらあちらをご堪能あれ。
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あのスミレは咲いているだろうか? 幸潤院白砂尾根から阿梨山・興因寺山周回  平成27年4月12日

2015年04月13日 | 山梨無名山
 2年前の春にヒゴスミレを探して幸潤院から阿梨山・帯那山と散策し、群生している場所を見つけることができた。その後その場所はどうなっているのだろうか?そろそろ咲き始めている頃ではないだろうか。今回は昭文社地図に示されているルートでは無く、隣の風化花崗岩で出来た白砂の尾根を登ってみることにした。ここは所属山岳会嶺朋クラブ顧問の上野厳先生おすすめのルートで、取り付き口は道が不明瞭だが尾根まで登ってしまうとルートがあると聞いている。白砂尾根というのは正式な名称ではなく、私が勝手に付けた名前である。あしからず。


    桜咲く幸潤院。2年前に歩いたのは幸潤院の後ろ側に見える尾根。今回は別尾根を登る。


    しだれ桜と南アルプス。右端に見えるのが農鳥岳。


    駐車場の向こう側の斜面を適当に登る。すぐに尾根筋に出る。


    尾根筋にはまともな道がある。


    15分ほど登ると花崗岩の白砂と岩が混じった展望地に出る。ここからの眺望は抜群!


    見下ろす幸潤院と南アルプス。


    白砂と岩の彼方に南アルプスの眺望。


    白岩と富士山。


    大岩と南アルプス。


    幸潤院と反対側の眺望。帯那町の家並と大正池、その向こうに富士山が見える。

 天候も良く、春はなかなか姿を見せてくれない富士山も見ることができた。初めて訪れる場所だが、すっかりお気に入りの場所になった。地図に載っていないバリアンスルートで、ほとんど知られていない場所でもこんな良いところが甲府市内にはある。30分ほど景色を楽しんで先に進む。


    これから登る阿梨山の尾根。右端の奥あたりが阿梨山になるのだろう。


    ミツバツツジがほぼ満開。


    途中道が不明瞭になる場所があるが、尾根通しに登れば良い。


    フイリヒナスミレの葉かと思ったが、裏を見ると茶色い。これはゲンジスミレの葉。


    ミヤマウズラの葉。標高600~700m付近の低山でもこの花は見られるようだ。


    その先で群生する場所を発見した。このあたりにはかなりの数があるようだ。


    尾根の正規ルートに出た。ここからは明瞭な道。


    このあたりの斜面に10株以上咲いていたはずだが・・・鹿の足跡が多数、しかしヒゴスミレは葉っぱすら見つからず。時期が早かったようだ。


    タチツボスミレもまだ咲いていない。


    ヒナスミレの葉。


    このスミレは? ニオイタチツボカと思ったが葉っぱの様子がちょっと違う。まだ葉が開いておらず、正体不明だが、後に正体がわかる。


    阿梨山山頂はこの上。


    阿梨山山頂。なだらかなピークで眺望は無い。


    小さな看板が付いている。ほとんど知られていないマイナーピーク。


 ルートの途中にヒゴスミレの群落地があったのだが、まだ時期が早かったようで葉っぱすら発見できなかった。そのあたりは鹿の踏み跡が筋状に多数付いており、食害で消滅してしまった可能性も無きにしもあらずである。しかし、まだタチツボスミレが蕾を付けていない状況を見ると、まだ咲いていないと見たほうが良いだろう。こんな近場の低山にもミヤマウズラの葉がたくさんあったのには驚いた。スミレ探しや、途中でルートを外れて別斜面をうろついたりしていたので、阿梨山まで3時間半もかかってしまい、時間は午後1時を過ぎてしまった。阿梨山の先のピークから脚気石神社への尾根を直下りする。


    阿梨山の先にあるピークから脚気石神社に下りる道。道標は無いがテープが付いている。


    このあたりは伐採の真最中らしい。斜面の下のほうからチェーンソウの音が聞こえてくる。


    地図のルートは途中から沢に下りるようになっているが、テープがあるので尾根を直下りする。


    沢に出た。あまり歩かれている様子は無く、荒れている。間もなく右岸に林道が現れる。


    沢沿いで見つけた薄紫色のスミレ。


    唇弁の脈絡と薄紫色の花弁がとても美しい。特徴的な葵の御紋の葉っぱ、アオイスミレ。


    林道脇にもちらほらと咲いていた。


    葉っぱを見れば、まだ開き始めで丸まっている。先ほど稜線で見かけたスミレと同じものであることがわかる。正体はアオイスミレだった。


    林道は荒れていて、途中は沢のようになっていた。


    脚気石神社。祭りが行われているらしく、子供を含めて人が大勢集まっていた。

 脚気石神社には1時間ほどで到着した。時間は2時15分、4時半の会合に間に合わせるためには、向こう側の興因寺山を周回できるかどうかギリギリの時間になってしまった。目的は興因寺山ではなくて、その先にある白砂の尾根、金子峠から興因寺山に行く時に見える白い岩地に以前から行ってみたいと思っていた。興因寺山は昭和池側からだと簡単に到着できるので、おそらくは時間に間に合うはずだ。問題なのは白砂の台地から下りるバリアンスルートだが、距離も短いし、籔もそれほどでは無いはずだ。


    昭和池。興因寺山は池の向こうに見える山のすぐ裏側。


    鉄塔の立つ興因寺山。


    興因寺山山頂。休憩せずに先に進む。


    道は左に曲がっているが、ここを曲がらずに直進する。なんとなく踏み跡が途中まであったが、急斜面のところで消失。


    あるはずの白砂台地が見当たらず、GPSで位置を見ながら左方向に下りると沢に出てしまった。ここには道(らしきもの)がある。


    林道に出る。どうやら尾根を間違えたらしい。

 踏み跡があったのでこの尾根と思って踏み込んだのだが、1本向こうの尾根だったようで目的地の白砂台地にはたどり着かず、沢筋から林道に出てしまった。作戦失敗。あとは菜の花と桜が咲く帯那町の中をテクテクと歩いて幸潤院の駐車場に戻った。


    帯那町の桜はちょうど満開。


    菜の花畑と桜。向こうに見える山はカイイワカガミが咲く白山界隈。


    駐車場に戻る。もともとはルートの取り付き口がここにあったのだろうが、荒れてしまっている。

 午後3時半幸潤院駐車場に到着。三脚を出して写真を撮らなかったこともあるが、興因寺山から先は意外と時間がかからなかった。



  
    今回歩いたルート。


 ほとんど歩く人がいないマイナールートの上に、さらにバリアンスルートを歩いたので誰にも会わなかった。静かな山歩きを楽しみたい人には超おすすめルート、特に幸潤院白砂尾根は眺望が良くおすすめである。目的のスミレは出会えなかったので、機会があれば再訪してみたい。ゲンジスミレも。


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春の積翠寺裏山バリアンスルート散策 棚山と要害山  平成27年3月15日

2015年03月17日 | 山梨無名山
 春の恒例になっている自宅周辺の低山散策だが、昨日の天狗岳の疲れを考えて軽く棚山まで往復(標高差にして600mほど)してくるはずだった。しかし、要害山の脇を通る武田の杜遊歩道を歩いていると、道標の脇にトラロープが張られているのが目に付いた。その先の道はえぐれた沢の中に消えているが、反対側の杉の植林帯が登れそうに見える。GPSを持ってしまうと、ルートの無い山も登れそうな気になってしまうのが少し怖いのだが、その斜面を登ったピークは要害山の裏側に聳え立つ三角錐を描いた格好良い山で、いつか登ってみたいと以前から思っていた山だった。思ったほど足の疲れは無く、むしろいつもより軽く感じる。では、GPS頼りに登ってみることにしよう。ピークを越えた向こう側に太良峠から棚山に至る正規ルートがあるはずだ。


    洞集落に至る県道脇のスペースに車を止め、武田の杜遊歩道を要害山に向かって歩き始める。この時は正規の道を歩くはずだったが・・・


    以前に比べると格段にルート整備が進んだ武田の杜遊歩道。


    道標で右に曲がれば正規のルートだが、その裏にトラロープがあるのを発見。その先の枯れた沢で道は消えているが、対岸を登れそう。


    杉の樹林帯。これならば行ける、と、ここで予定変更。GPS頼りにバリアンスルートを登ることに。


    杉樹林帯上部の谷。登り易そうな左手の尾根に取り付く。


    ところどころテープがあるが、これはルートを示すものでは無くて林業作業用の目印。


    岩に突き当たる。左を巻き、その上の岩は右に巻いて越えた。


    林業作業の痕跡、ワイヤーが付いている。


    大きなテーブル状の岩のある尾根に到着。眺望が開けて反対側の谷と山並が見えるようになる。

 足が吊りそうになる急斜面を1時間少々登り、尾根に出た。そこは眺望の良い岩があり、深く切れ込んだ谷の向こうに山並が見えるのだが、見慣れない角度からの眺望なのでどこの山が見えているのかさっぱりわからない。GPSと地図をにらめっこして、ようやくどこの山が見えているのかわかってきた。正面に大きく見えているのは山名の記憶が正しければ鹿窓、その右に見えているのは東山で間違いなさそうだ。左手に見えているのが、おそらくは要害山の裏側にある三角錐ピーク(山名は知らない)、それを越えて向こう側に正規ルートがある。


    向こうに見える山は何??地元なのに角度が変わると全くわからない。GPSと地図を良く見合わせて、左側が岩堂峠南西側のピーク(確か鹿窓)、右は東山。


    その先に見えるのがいつも見上げている要害山の裏側にある三角錐ピークだろう。


    岩場の下には足がすくむような深い谷が広がる。


    三角錐ピークに向かってまた登る。何となく道?っぽい。


    ピークと思われる場所に着いたが、三角点も看板も何も無かった。裏側の尾根は意外と平らなことがわかる。


    向こうに見える小さな三角錐が本日目指す棚山。


    尾根を進んで行くと太良峠からの正規ルートに出た。ここは岩堂峠方面への分岐点。


    棚山方向に進むと、「神峰(かんぽう)」という小ピークを通過する。ここからは兜山に至る尾根が派生している。


    見えて来た棚山。すぐそこに見えるが、ここから一旦下って登り返しになる。


    棚山の登り。トラロープが張られたやや急な斜面。


    やっと棚山山頂に到着。

 9時45分に武田の杜遊歩道に入り、棚山に到着したのは午後1時、軽い散策のつもりだったが、山頂まで3時間少々かかった。この棚山はあまり有名な山では無いが、眼下に山梨市、笛吹市の町を見下ろし、その向こうに大菩薩・小金沢連峰を望む好展望地である。富士山の眺望もなかなか良い。昨年初めて登ったが、隠れお気に入りの山のひとつになっている。


    西側の山頂看板。


    東側は山梨・塩山の町並の向こうに大菩薩・小金沢連峰が聳える好展望。


    富士山の眺望もなかなか良い。


    ここから見ると、鹿窓と東山は容易に同定できる。要害山は尾根の陰に隠れて見えない。

 眺望を楽しみつつゆっくり昼食をとって下山する。帰りは正規のまともな道を下りるはずだったのだが、途中で分岐する細い道が気になり、またしても・・・バリアンスルートに入り込むことに。


    先ほどの分岐点を深草観音・兜山に向かって下る。


    こちらは沢筋を下るきわめてまともなルート。


    やがて林道のような広い道に出た。そのままこの道を進めば、岩洞峠に到着するはずだったが・・・


    赤テープと細い道を発見。GPSで位置を見ると、ここには古い道があったらしい。

 岩堂峠に至る広い道の途中で右側に分かれる細い道と赤テープが目に留まった。GPSで位置を確認すると、そこにはかつて道があったようだが、歩かれている様子は全く無い。そちらに進んでみると、すぐに道は崩落していてどちらに行けば良いかわからない。崩落個所を1段上に昇って見ると明瞭な道があったのでそれを進む。しかし、その道もやがて細くなって、さらに進むと完全に道は消失してしまう。GPSで再度位置を確認すると、途中でルートを間違えたようだ。戻って道を探すと、なんとなくそれらしきものがある。いや、それしか無いと言ったほうが良いかもしれない。沢筋に向かって下って行くと、ところどころテープがあるが、道は荒れていてほとんど歩かれた様子も無い。歩き易そうな場所を選んで沢筋に沿って下ると、ようやくまともな道に出た。


    ここはまともな道があったようだ。


    しかし、道なりに進んだつもりだったが、途中で道は消失。崩落したのでは無さそうだ。戻ってGPS頼りにルートを探す。


    これが道か?しかし、GPSのルートはここを指している。


    テープ発見。なんとなく道っぽいがかなり荒れている。


    プチ氷爆、ではなくてただのつらら。


    鬼の角のような大きな岩が見える。


    やがて沢の源流に出た。そして間もなく・・・


    橋のかかる正規ルート、これは深草観音から要害山に至る武田の杜遊歩道の一部。看板には要害山と書かれている。

 出たところは武田の杜遊歩道の一部、深草観音から要害山に至るルートの途中だった。ここは以前から棚山に行けるのではないかと目を着けていた場所だった。GPSがあったから下りて来られたが、地図とコンパスだけでは難しかっただろう。便利な道具が出来てバリアンスルート歩きは楽になったが、反面地図読みをしなくなって頭を使わなくなってしまった。

 要害山の方向に向かえば元の場所に戻れるので、そちらに向かってまた登りになる。要害山は立ち寄る必要も無かったのだが、分岐から10分か15分で行けるので折角だから立ち寄ってみることにした。この山からも見えると聞いてはいたが、確かに富士山が見える。


    要害山の分岐。もうすぐ時間は午後4時。ちょっと立ち寄ることにする。


    武田氏の城があった要害山。


    武田信玄公生誕の地の石碑が立つ。


    初めて見る要害山からの富士山。遠い昔に武田信玄もこの景色を見ていたのかと思うと感慨深い。


    本日登った要害山裏に聳える三角錐ピーク。


    朝登り始めたバリアンスルート分岐。これで1周。


 軽く足馴らしのつもりで出発したのだが、予定外のバリバリルート歩きとなったこの日の裏山散策、7時間かかって1周した。前日の天狗岳以上にハードな山行になってしまった。裏山の低山だからといって侮れない山の面白さが、バリアンスルート歩きにはある。しかし、GPSが無ければどうなっていたことか、登ることは出来ただろうが、下りで間違った場所に迷い込み、下山できないということになっていたかも知れない。深草観音周辺の谷は崖が多いので、見下ろす谷と山肌を見ながらナメては取りかかれない山域だと感じた。




    本日歩いた(と思われる)ルート。 GPS不調で途中からログ(軌道)記録が出来なくなってしまい、ルートは正確ではありません。

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座禅草三昧 玉宮ザゼンソウ公園と小倉山  平成27年3月2日

2015年03月03日 | 山梨無名山
 何年も前からこの花が咲く公園があることは知っていたが、実際に訪れるのは今回が初めて、そしてこの花に出会うのも初めてである。2月中旬に花が咲き始めている画像を見たので、そろそろ咲いている頃だろう。


    玉宮ザゼンソウ公園駐車場。小倉山はずっと奥に少しだけ見えているところ。


    ザゼンソウ公園案内板。(ですが小さくて見えませんね。こちらをご覧ください。「ぐるり甲州市 ザゼン草の里コース」)


    この看板の先が保護地区。鹿避け電気柵が張り巡らされており、これをまたいでコース内に入る。


    遊歩道が整備されている。


    すぐに一株目を発見。と思ったら・・・


    こんなにたくさん咲くものなのか。

 コース内の遊歩道に入って歩いて行くと、すぐに一株目を発見した。その周りにもぼつぽつと咲いているが、こちら側を向いて咲いている良い株がなかなか見つからない。先に進んで行くと、こんなに咲くものなのかと思うほどにたくさん咲いている。毎年来ているという常連さんの話だと、これでも今年はまだ少ないほうで、昨年はもっとたくさんあったと言っていた。まだ少し時期が早く、来週あたりからピークを迎えそうだ。


    お見合いですか?


    三姉妹。ようやくこちらを向いてくれた株を発見。 200mm望遠レンズで撮影。


    沢の周辺にその先にも続々と咲いている。


    開花した中は花粉がいっぱい。


    お一人さん


    見たかった白花の貴婦人を発見。


    たくさんではないが、ぽつりぽつりと白花が混じる。


    広角レンズで撮影できる良い株を発見。


    さながら地底から出て来た怪獣の爪。


    シドニーのオペラハウスもどき。


    沢沿いに咲くザゼン草。

 普通に歩けば20分ほどで抜けてしまうコースなのに、撮影に熱中して時間はあっという間に2時間を越え、5時半になってしまった。小倉山を周回して駐車場に戻る予定だったが、もうすぐ日没だ。折角なので、20分ほどで到着できる小倉山山頂の展望台だけ見てくることにする。


    小倉山に向かって登る。


    20分ほどで展望台のある山頂に到着。


    残念ながら富士山はあの大きな雲の中。富士山がほぼ南に位置するこの山からは、低空に輝くあの星が富士山を貫くように見えるはずなのだが・・・。


    甲府盆地に町灯りが灯る。


    南アルプスの夕空に金星が輝く。真ん中少し右寄りの三角錐が甲斐駒ケ岳。

 風が止んで静かな夕暮れになった。富士山が見えてくれれば言うこと無しだったのだが残念。金星が輝き出したところで時間は午後6時を過ぎた。さて、帰りましょう。


    途中の斜面から見上げる月と木星(左下側)。 右上の星はおおいぬ座のシリウス。

 すっかり楽しませてもらった玉宮公園のザゼン草。見頃は今週末から来週あたりになりそうだ。おすすめです。
コメント (4)
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