平成20年5月17日 天候晴れ
八経ヶ岳下山後、行者還トンネルを抜けて大台ケ原に向う。国道309号は国道とは思えない細いクネクネ道、舗装はしてあるものの、車の交差は場所を選ばないと難しい。169号に抜けると広い道となる。1時間ほどで大台ケ原の駐車場に到着、広い駐車場は車がいっぱいで、入りきれずに路肩に駐車している車もいた。空いているところを探していると運良く1台空いたのでそこに車を止めて準備する。

大台ケ原駐車場
午後2時、出発。人がたくさん、しかもほとんどの人が運動靴のハイキングスタイル、登山靴と山用ザックを背負っている私が少し浮いているように見えてしまう。それもそのはず、道は広くて整備が行き届き、特に日出ヶ岳周辺は木道が整備され、革靴で歩いている人もいた。山頂には大きな見晴台が立ち、完全にハイキングコースだ。三重の最高峰だけあって確かに眺望は良い。シロヤシオツツジの季節や秋の紅葉の季節にはきっとすばらしい景色が待っていることだろう。しかし、山歩きという意味で言うとこのコースでは物足りなさを感じてしまう。機会があれば、大杉谷ルートや尾鷲からのルートをじっくりと歩いてみたいものだ。

三重県最高峰、日出ヶ岳山頂

コケを食べる鹿。このあたりは鹿がたくさんいる。人慣れしていてあまり逃げない。
隣りの正木嶺に移動、こちらも木道で、山頂一帯は木が枯れて完全に白骨化し、ミヤコザサの原っぱになっている。解説の看板を見ると、かつて(昭和30年代)の大台ケ原はツガと苔の生い茂る原生林だったらしい。しかし、台風による倒木や、倒木の搬出による山の乾燥化、観光化による入山者の増加、鹿の食害など、さまざまな要因により現在のような荒れ果てた姿に変貌してしまったという。現在再生に向けて様々な取り組みがなされており、保護林に金網柵を設けたり、木道やロープで人の歩く場所を制限したりというのもそういった取り組みのひとつである。

白骨化した大台ケ原。再生へのさまざまな取り組みがなされている。
その先の正木ヶ原には神武天皇の銅像が立っている。狩りをしているその姿は、かつて神武天皇がこのあたりで狩りをしたという意味なのだろうか。その先の林の中で道は十字路になっており、左に行くと駐車場へ、真直ぐ行くと大蛇と沢を経て駐車場に戻る周遊コース、右に行くと尾鷲道となる。このまま時間は4時、もう歩いている人もまばらだ。日没は6時半ごろなので時間は十分にあり、周遊コースを歩いてみることにする。この選択が大正解だった。大蛇は周遊コースを左に外れてやや下りながら進むのだが、蛇の頭のようにもっこりと盛り上がった岩場がある。その上からの眺望はなかなか良く、吉野の谷に切れ込む鋭く切り立った岩肌を眺めることができる。ここで終りなのかと思ったら、その先で会話している声が聞えたのでさらに進んでみると、小さな橋がありもう一つ展望台あり、さらにその先は両側が鋭く切り立った岩場があり、鎖が張られていて崖の先端まで行けるようになっていた。そこに若いカップル1組が夕暮れ近い景色を眺めていた。そこからの景色はまさに絶景、吉野谷の深い切れ込みが眼下に広がる。夕陽の沈む方向に脈々と連なる紀伊半島の山々、おそらくいちばん高いところが午前中登った八経ヶ岳だろう。大台ケ原を楽しむなら、ここからの眺望は絶対にはずせないと思う。

大蛇。蛇の頭のようなこの岩まででコース終了と思いきや、この先に橋があり、さらにその先には断崖絶壁の展望台がある。

大蛇の絶壁から見る風景。吉野谷に切れ込む断崖と深い谷の眺望がすばらしい。
コースに戻り、今度はシオカラ谷への下りとなる。石がゴロゴロしてやや歩きにくい道だが、中腹は両側がシャクナゲの生い茂る道となり、見頃を迎えていた。解説看板を見ると、ツクシシャクナゲという種類だとわかる。沢にかかる吊り橋を渡り、再び登り返して大台ケ原の駐車場に戻る。時間は午後6時、前半の日出ヶ岳はちょっとシラけたが、後半のコースは存分に楽しめた。整備されたこのコース、山梨県で言うならば、西沢渓谷、山バージョンといったところだろうか。

ツクシシャクナゲ群落

シオカラ谷にかかる吊り橋。この先は再び登りになる。
八経ヶ岳下山後、行者還トンネルを抜けて大台ケ原に向う。国道309号は国道とは思えない細いクネクネ道、舗装はしてあるものの、車の交差は場所を選ばないと難しい。169号に抜けると広い道となる。1時間ほどで大台ケ原の駐車場に到着、広い駐車場は車がいっぱいで、入りきれずに路肩に駐車している車もいた。空いているところを探していると運良く1台空いたのでそこに車を止めて準備する。

大台ケ原駐車場
午後2時、出発。人がたくさん、しかもほとんどの人が運動靴のハイキングスタイル、登山靴と山用ザックを背負っている私が少し浮いているように見えてしまう。それもそのはず、道は広くて整備が行き届き、特に日出ヶ岳周辺は木道が整備され、革靴で歩いている人もいた。山頂には大きな見晴台が立ち、完全にハイキングコースだ。三重の最高峰だけあって確かに眺望は良い。シロヤシオツツジの季節や秋の紅葉の季節にはきっとすばらしい景色が待っていることだろう。しかし、山歩きという意味で言うとこのコースでは物足りなさを感じてしまう。機会があれば、大杉谷ルートや尾鷲からのルートをじっくりと歩いてみたいものだ。

三重県最高峰、日出ヶ岳山頂

コケを食べる鹿。このあたりは鹿がたくさんいる。人慣れしていてあまり逃げない。
隣りの正木嶺に移動、こちらも木道で、山頂一帯は木が枯れて完全に白骨化し、ミヤコザサの原っぱになっている。解説の看板を見ると、かつて(昭和30年代)の大台ケ原はツガと苔の生い茂る原生林だったらしい。しかし、台風による倒木や、倒木の搬出による山の乾燥化、観光化による入山者の増加、鹿の食害など、さまざまな要因により現在のような荒れ果てた姿に変貌してしまったという。現在再生に向けて様々な取り組みがなされており、保護林に金網柵を設けたり、木道やロープで人の歩く場所を制限したりというのもそういった取り組みのひとつである。

白骨化した大台ケ原。再生へのさまざまな取り組みがなされている。
その先の正木ヶ原には神武天皇の銅像が立っている。狩りをしているその姿は、かつて神武天皇がこのあたりで狩りをしたという意味なのだろうか。その先の林の中で道は十字路になっており、左に行くと駐車場へ、真直ぐ行くと大蛇と沢を経て駐車場に戻る周遊コース、右に行くと尾鷲道となる。このまま時間は4時、もう歩いている人もまばらだ。日没は6時半ごろなので時間は十分にあり、周遊コースを歩いてみることにする。この選択が大正解だった。大蛇は周遊コースを左に外れてやや下りながら進むのだが、蛇の頭のようにもっこりと盛り上がった岩場がある。その上からの眺望はなかなか良く、吉野の谷に切れ込む鋭く切り立った岩肌を眺めることができる。ここで終りなのかと思ったら、その先で会話している声が聞えたのでさらに進んでみると、小さな橋がありもう一つ展望台あり、さらにその先は両側が鋭く切り立った岩場があり、鎖が張られていて崖の先端まで行けるようになっていた。そこに若いカップル1組が夕暮れ近い景色を眺めていた。そこからの景色はまさに絶景、吉野谷の深い切れ込みが眼下に広がる。夕陽の沈む方向に脈々と連なる紀伊半島の山々、おそらくいちばん高いところが午前中登った八経ヶ岳だろう。大台ケ原を楽しむなら、ここからの眺望は絶対にはずせないと思う。

大蛇。蛇の頭のようなこの岩まででコース終了と思いきや、この先に橋があり、さらにその先には断崖絶壁の展望台がある。

大蛇の絶壁から見る風景。吉野谷に切れ込む断崖と深い谷の眺望がすばらしい。
コースに戻り、今度はシオカラ谷への下りとなる。石がゴロゴロしてやや歩きにくい道だが、中腹は両側がシャクナゲの生い茂る道となり、見頃を迎えていた。解説看板を見ると、ツクシシャクナゲという種類だとわかる。沢にかかる吊り橋を渡り、再び登り返して大台ケ原の駐車場に戻る。時間は午後6時、前半の日出ヶ岳はちょっとシラけたが、後半のコースは存分に楽しめた。整備されたこのコース、山梨県で言うならば、西沢渓谷、山バージョンといったところだろうか。

ツクシシャクナゲ群落

シオカラ谷にかかる吊り橋。この先は再び登りになる。