山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

花咲く八ヶ岳横岳 7月13日

2008年07月18日 | 八ヶ岳・秩父山系
 7月13日  天候晴れのち曇りのち雨

 体調不良ながら昨日の富士山の疲れはほとんどなく、朝4時半に目が覚めた。空模様は良好、三つ峠の富士山ライブカメラを見ると霞の上に富士山が浮かんでいる。今頃八ヶ岳はコマクサが咲き始めた頃だろう。うまくすれば満開のウルップソウが見られるはず。花咲く八ヶ岳横岳に杣添尾根を直登した。
 お風呂に入ってから準備し、海ノ口の登山道入り口に到着したのは8時になってしまった。既に駐車場は満杯で止む無く路上に他の車と並べて駐車する。歩き出すと咳がコンコンと出始め、途中でマスクをつけて歩く。休憩している間に中高年7~8人のグループと4人のグループに追い抜かれ、その後は抜きつ抜かれつのペースで一緒に杣添尾根を登ることとなる。7~8人のグループはどうみても平均年齢は60歳以上、なのに全く引き離せない。後に休憩中に話をしてわかったのだが、静岡の三島勤労者山岳会のメンバーだった。帰ってきてから会のホームページを見て納得、それなりにハイレベルの登山を行っているグループだった。

    杣添尾根稜線から見る赤岳


    横岳稜線直下のミヤマダイコンソウと赤岳

 杣添尾根の稜線に抜け、赤岳の展望が開けたところで私は三脚を出して写真を撮る。その間に三島勤労者山岳会の人たちは横岳への最後の急登を登っていった。さらに4人のグループも先に登って行く。私が横岳稜線に到着したのは12時少し前、たくさんの人たちが訪れており、ちょうど昼時だったので休憩して食事している人たちがたくさんいた。横岳の稜線はまさに花満開、ハクサンイチゲ、チョウノスケソウ、ミヤマダイコンソウ、ミヤマキンバイ、ミヤマシオガマ、オヤマノエンドウなど、一斉に咲き誇る。そして圧巻だったのはちょうど見頃を迎えていたウルップソウだった。どちらを見ても一面のお花畑、ちょっと無理して登ってきた甲斐があった。三脚を担いであっちをぶらぶら、こっちをぶらぶら、3時間も横岳の上で楽しんだ。

    横岳のお花畑と赤岳


    岩場に咲く花たち  後ろは赤岳


    ウルップソウのお花畑と阿弥陀岳


    ウルップソウ咲く横岳大権現のお花畑

 午後3時近くになるとさすがに人もいなくなり、雲行きも怪しくなってきた。さて、下山。樹林帯に入るや否や、視線と同じ高さでゴロゴロと遠雷が鳴り始め、雨が降り出す。カッパを着てスリップに注意しつつ下山し、午後5時半、無事に駐車場に到着した。あまり見るものの無い富士山に比べると遥かに楽しい山行きだった。

    ウルップソウと横岳大同心


    ミヤマシオガマに紛れてムシトリスミレ一輪


    ガレ場に咲くヤツガタケキスミレ。八ヶ岳特産種。
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ミッション、日本最高峰を制覇せよ!  7月11日

2008年07月18日 | 日本百名山
 7月11日-12日 天候晴れ

 職員の希望で富士山に連れて行ってくれと頼まれた。あの山は登るものではなくて見るもの、ただの岩山で花もなく、何も見るもの無し、と私は思っている。御来光と言っても私に言わせればただの日の出。山梨百名山の中では私の中では一番行きたくない山だ。しかし、登山の経験が無い当院職員に頼まれればいやとは言えない。どうせ行くなら希望者を募って、総勢10人で行くことになる。

    総勢10人。マイクロバスに乗り込み、いざ、出陣。

 出発は11日金曜日の夕方、仕事を終えてから18時に病院前からマイクロバスを出して出発。私は先週の風邪がまだ治らず、鼻水ダラダラ、咳コンコンの状態だ。病院関係者なのだから少しは医学的なことをやろうと、今回は酸素飽和度モニターを病院から借りて行き、高度を上げると血中酸素飽和度はどう変わるのか調べることにした。富士山5合目に20時15分ごろに到着、心配していた夕立はなさそうだ。さっそく全員の酸素飽和度を計るとほとんど93%~96%くらい、それでも平地に比べると低いのだが、私だけ89%を示す。深呼吸を繰り返すと94%まで上がり、なにか変だなと思いつつもそんなものかと夜9時から歩き始める。

    富士山頂付近の雪渓と星空。天の川を挟んでおり姫と彦星がめぐり合う。

 6合目21時40分、7合目23時、ここまでは予定通りのペース。7合目で再び酸素飽和度を計ると、私だけ88%、あとはみんな90%を超えている。しかし、呼吸はいつもと全く変わりなく、苦しくも無い。この時は山に慣れている人は酸素飽和度が低いのだろう、というくらいにしか思っていなかった。しかし、その先8合目まで登った頃から徐々に変化が現れてくる。10mも歩くと息が上がって足が進まなくなってしまう。先頭をリードしてきたが、8合あたりで交代、最後尾を歩く。酸素飽和度を計ると、なんと、84%しかない。風邪の影響で痰がからみ、肺の換気が悪いらしい。山頂でみんなで飲むコーヒー用の水1.8リットルをよほど捨てようかと思ったのだが、なんとか担いで歩く。8合5勺か9合目あたりで御来光の予定だったのだが及ばず、8合5勺のひとつ下にある小屋の前で御来光を迎えることになる。何となく霞がかかったすっきりしない空だったが、御来光は見ることができた。金曜日に登りはじめたので道は思っていたほど混雑していなかったが、ペースはきわめて遅く、2年前の大混雑の時以上に時間がかかってしまった。朝7時、私が最後尾で山頂に到着。予定より1時間以上遅い到着だった。

    8合目からの御来光


    光る山中湖


    8合5勺小屋を見上げる。山頂はまだ遠い。

 お湯を沸かして朝食のカップラーメンを食べる。山頂では10歩も歩くと息が苦しい。酸素飽和度を計ると83%だった。だが、そのほかの人たちも低く、平均90%くらいだったが、1人だけ81%という低値を示していた女性がいた。女性はバテテはいたものの頭痛や吐気はなく、高山病の症状は訴えていなかった。酸素缶の効果などあまりあてにはしていなかったのだが、試しに10回ほど深呼吸しながら吸い込んでみると、あっという間に酸素飽和度は100%まで上昇した。自覚的にはあまり変わった気はしないが、計測上は確かに効果があることがわかった。

    山頂で記念撮影。なんとかたどり着きました。


    噴火火口と剣ヶ峰。 まだ雪が残る。

 予定では7時下山開始し、富士宮口に下りるはずだったのだが、バス時間は12時と18時の2本だけ。12時には間に合いそうもなかったので止む無く富士吉田口に下りることにした。下山道は砂埃が舞う砂利のブルドーザー道、ほとんど同じ景色でひたすら長い。花も木もなく、ただひたすら歩くのみ。9時に下山開始し、富士吉田口に到着したのは午後2時だった。

    山中湖を眼下に見ながら長いブルドーザー道をひたすら下る。

 実はこの日、鳳凰山で会ったY-chanのブログを見ると、同じ日に富士山に登っており、早朝登り始めたY-chanは私たちのグループをおそらく下山中に抜き去ったとおもわれ、午後1時に富士吉田口に到着している。快速のY-chanがうらやましい。私はもう当分富士山は遠慮したい。話にはおまけがあって、下山した翌日天候が良かったので八ヶ岳に行こうとしたところ、携帯電話が見つからない。下りてきてからあちらこちらを探したが見つからず、紛失したことがわかる。自宅の電話機で呼ぶとつながったりつながらなかったりするので、5合目あたりで落としたと思い、探すのは困難と判断し、新しい電話を作ることとなった。15日夕方、電話機を新調したところ、午後8時、その電話に電話がかかってきた。韮崎観光のマイクロバスで電話機を拾ったという人からの連絡で、行きのバスの中で電話を落としたらしい。しかし、時既に遅し、もう電話機を変えてしまった後だ。高い富士登山になってしまった。
コメント (2)
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