山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ドームに沈む夕陽、樽前山(北海道)

2010年10月24日 | 圏外編
 平成22年10月14日 天候晴れ

 今年も職員旅行の季節がやって来た。昨年は九州・由布院方面、職員3人を連れて九重山を訪れ、一昨年は東北方面で、単独那須岳に行った。そして今年は北海道、ちょうど紅葉の季節だろう。旅行の行き先が決まった春先の当初から、千歳在住のブログ仲間、tarumae-yamaさんにご厄介になり、樽前山に行こうと決めていた。そして日程と時間が許せばもう一山どこか、できれば日本百名山の羊蹄山あたりをと考えていた。日程は10月14日から16日までの3日間だ。事前にtarumae-yamaさんに連絡をとり、10月14日、新千歳空港に午後1時降り立ってすぐにレンタカーを借り、コンビニエンスストアで待ち合わせてtarumae-yamaさんと合流する。ご自宅に車をおかせていただき、tarumae-yamaさんの車に乗り込んでさっそく樽前山に向かう。

    樽前山の紅葉と支笏湖


    風不死岳  なんとなく山容が茅ヶ岳に似ている。

 駐車場に到着したのは午後2時半近くになってしまい、さすがにこの時間から登って行く人はほとんどいなかった。山頂だけちょっと往復してくるつもりで行ったのだが、折角来てくれたのだからと紅葉のきれいな風不死岳(ふっぷしだけ)の裾近くを通ってぐるりと樽前山ドーム一周するコースを案内していただいた。その足の速いこと、あの飯豊本山を、コースを間違えながらも川入から日帰りしてきたのもうなずける。今年の紅葉は夏が暑すぎたためにあまり染まらないうちに葉っぱが落ちてしまい、あまり良い色にはなっていないらしいが、それでも山梨の中・低山で見る紅葉とは全く違う景色が広がっていた。
 西側が見える稜線まで登ったところで休憩して軽食をとる。遙か遠くに羊蹄山が霞んで見えるが、蝦夷富士の名の通り、富士山そっくりの山容、そしてでかい。日帰り登山はかなり大変そうだ。樽前山のドームが見えるようになるが、ちょうどその上に半月少し前の月が昇っていた。

    見上げる樽前山山頂 ドームはこの稜線を越えると見えてくる。


    樽前山ドームと月  前景の白く丸い花はシラタマノキ。たくさん咲いている。


    樽前山ドームと噴煙


    樽前山ドームから吹き上げる噴煙  シューシューという音が聞こえる。


    東側にまわり込んで見る樽前山ドーム。もう山頂は目前。


    奥の院。向こうには海が見える。

 ドームを左手に見ながら西側に回り込む。樽前山ドームからガスがシューシューと音を立てて噴出しているのが見え出す。さらに回り込んで山頂に行くと、ちょうど樽前山ドームの上に夕陽が沈んで行くところだった。反対側を見れば影樽前山の三角錐が延びている。なんという絶景か。初めて訪れた山でこんな綺麗な夕暮れ、しかも絶妙な位置に沈んで行く夕陽が見られるとは思ってもいなかった。風が強く、少しばかり寒かったが、日が沈むまでこの景色をじっくりと味わってから下山した。一応ヘッドライトを装着したが、まだ足元が見えるうちに駐車場に到着できた。

    夕陽を背にシャッターを切るtarumae-yamaさん


    夕陽とドームを背にして山頂で記念撮影


    樽前山ドームに沈む夕陽  こんな良い場所に夕陽が沈んでくれるとは思ってもいなかった。


    影樽前山


    樽前山の夕暮れ


    夕陽が沈むのを見て下山。

 その後、tarumae-yamaさんのご自宅に寄らせていただいてお茶をいただいた後、千歳市内の居酒屋で夕食をご馳走になった。牛タンと豚のしゃぶしゃぶ、おさしみ、ししゃも焼きなどなど、一品一品素材にこだわったこの店の料理はどれをいただいてもたいへんおいしかった。特に、好物のホッキ貝とししゃもは絶品だった。山は歩いたものの、体重は軽く1kgは増えたことだろう。
 すっかりご馳走になって満腹になった後、本日の職員旅行宿泊地、洞爺湖ウィンザーホテルに向かう。9時にお別れして10時10分ごろにホテル到着したものの、その後トラブルがあって自室に到着したのは10時半になってしまった。(詳細はまたの機会に。なにせこんな高級ホテルに泊まったことのない田舎者なもので。)明日の天気は午後から雨なので羊蹄山は止め、再びtarumae-yamaさんに案内していただいて、地元で人気の山、札幌岳に行くことになった。本日ほとんど寝ないで甲府を出発してきたため、大浴場で入浴後はほとんど同行した職員たちの顔を見ることもなく、さっさと寝る。(しかし、高級ホテルは体に合わないのかぐっすり眠れない。)
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3年越しのダイヤモンド富士、笊ヶ岳(2日目)

2010年10月24日 | 南アルプス
 平成22年10月10-11日 天候晴れ

 前日11時間半かかって山頂に到着した時は、もうすっかり夜中、10時半になってしまった。富士山の上にオリオン座が昇り、天の川流れる星空を眺めつつ、未明1時に眠りについた。

    夜明けの富士山


    夜明けの荒川三山 右から荒川岳、赤石岳、聖岳。聖と赤石の間にあるのが影富士。

 目が覚めたのは4時半ごろ、まだ薄暗く、もう少し寝るかと2度寝入りすると、次に目覚めたのは5時40分過ぎ。携帯電話の目覚ましを5時20分にセットしておいたのだが、全く気がつかなかった。外はもうすっかり明るくなっている。ダイヤモンド富士は確か6時ごろだったはず、飛び起きてテントの外に出ると、富士山山頂がきらきらと輝いていて、ダイヤモンドの前兆が始まっていた。急いでカメラのところに行くと、前夜セットしておいたタイマーが作動していて5カットほどシャッターを切ったところだった。構図を決めなおして絞りとシャッタースピードを再調整し、ダイヤモンド富士に備えるが、後を見ると荒川三山に朝日が当たり始めており、綺麗な景色になっていた。影富士も見える。そちら側に移動して何枚か撮影し、戻って北岳方面を撮っていると・・・ふと見ればダイヤモンド富士が始まってしまっているではないか!急いで定位置にカメラを戻してシャッターを切る。まだ朝焼けのオレンジ色が残っているうちにダイヤモンドになるこの場所の富士山はそれなりに良いのだが・・・狙っていたのは雲海上のダイヤモンド富士。すっかり雲が飛んでしまってあまりにもあっさりし過ぎている。レンズに吐息を吹きかけて光を分散させて撮ると、それなりに面白い作品にはなるのだが・・・いまひとつと言わざるを得ない。また次回・・・はいったいいつになるのか?またここまで登って来る元気があるのか?この山に来るたびにそう思うのだが、辛さは下山するとすぐに忘れてしまってまた行きたくなってしまう。山に登る人はきっとみんなそうなのだろう。

    笊ヶ岳のダイヤモンド富士  3度目でようやくダイヤにはなったが・・・雲が無くあっさりし過ぎている。


    レンズに吐息を吹きかけて光を拡散させて撮影


    朝焼けがまだ残っている時間帯にダイヤモンドになる笊ヶ岳は、条件は良いが登るのが大変。


    白根三山(右)と塩見岳(左) 真中に小さく見えるのが仙丈ケ岳


    笊ヶ岳から見る甲府盆地


    小笊と富士

 ダイヤモンド富士が終わったところで朝食をとる。夕食と朝食で水1リットル消費し、残りは布引山にデポした分を合わせて800mlほどとなってしまう。広河原の水場まで5~6時間かかるとして、ギリギリといったところだろう。昨日の登りで時間がかかり、予想以上に水を消費してしまった。それでもなお、体は脱水状態で、テント撤収でテントを丸めようとすると両手の指が攣って言うことを聞かなくなる。指を引っ張ってはテントをたたみ、また引っ張っては仕舞い、そのうち面倒になって指が攣ったままでテント撤収して無理矢理ザックの中に押し込める。さて、長い下山だ。

    笊ヶ岳の標柱  左が立派な静岡県(東海パルプ)の標柱、右は新しく立て直した山梨百名山標柱。南嶺会のメンバーが苦労して担ぎ上げて立てた標柱だ。


    布引山コルから見上げる大笊と小笊


    布引山の稜線から見る富士山  下に雨畑湖が見える。


    布引のガレから見る紅葉の荒川三山

 7時半山頂を出発、布引山9時、その先のガレ場がなかなか眺望が良く、三脚を立てて写真を撮る。ここから先が急下りだ。こんな急で道がわかりにくいところを、よくあんな暗闇の中を登って来たものだと我ながら感心する。昨日の足の疲れでふんばりがいまひとと効かないので、慎重にゆっくりと下りる。途中で軽く足が攣ったものの、屈伸運動だけで改善。辛かったのは爪先の痛みで、靴が合わないようで4時間以上のロングコース下りだと毎回痛くなる。山の神手前辺りから痛みが強くなり、靴を脱いで休憩しながら下山し、午後2時、渡渉点の広河原に到着した。

    山梨の森百選、檜横手山の苔とツガの森

 水を一気に1リットル飲んで水分を補給し、ここでゆっくりと昼食のソバを作って食べる。前日に比べて水かさはだいぶ減っており、楽に渡渉できた。靴紐をゆるめて奥沢谷、林道と歩き、午後4時20分、老平の駐車場に到着した。ヘトヘト、というほどでもなかったが、爪先の痛みがいちばん辛かった。
 山頂まで行けるかどうか、この山に登る時はいつも心配になる。今回は足が攣って心が折れそうになったが、目的と強い意志を持って登りつくことができた。ちょっとばかり危険な登山ではあったが、達成感のある登山だった。
コメント (6)
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