山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ダイヤモンド富士ならず、しかし・・・ 雨ヶ岳(2日目)  平成24年11月10日-11日

2012年11月13日 | 御坂・毛無・天子山系
 富士の裾野から昇る木星、オリオン座と冬の大三角形、そして未明に昇って来る二十七夜の細月、さらにダイヤモンド富士を狙って前日の夕暮れ時に雨ヶ岳山頂に到着しテント泊した。空が澄み、薄雲が流れ行く空の上に満天の星が広がり、久しぶりの星空を堪能した。

 明けた11日の未明3時半に起床する。そろそろ富士山の裾野から月が昇り始めている頃だ。しかし・・・テントの外を見て唖然とする。前夜の星空はどこへやら、霧におおわれて真っ白な世界が広がる。富士山も、月もいったいどこへやら・・・??。気温-4℃、想定した通りの氷点下、結構寒い。テントに戻ってバーナーを焚き、暖をとりながら早目の下山に備えてシュラフやシュラフカバーを詰め込む。4時を過ぎた頃にテントの外を見てみると、時折富士山頂が霧の間から姿を現し、その上にはうっすらと月らしき影が透けて見える。それほど厚い霧では無いようで、空を見上げれば前夜楽しませてくれた木星と冬の大三角形がうっすらと透けて見えていた。数カット撮影してテントに戻り、今度は朝食を摂る。

    うっすらと見えた月と富士山頂


    霧の空に透けて見えた木星と冬の大三角形

 すっかりあきらめていた午後5時40分、再びテントの外を覗いてみると、南から東の空にかけて真っ赤に焼けていた。そして流れ行く霧の切れ間から富士山が姿を現す。見事に雲海の上に富士山が浮かんでくれた。空高く二十七夜の月が輝いている。

    霧の間から姿を現した朝焼けに立つ富士山


    朝焼けに昇る二十七夜の月


    見事に雲海の上に富士山が出た。


    雲海に立つ朝焼け富士


    雲が湧き上がり、富士山に絡み付く。

 これでダイヤモンドが輝いてくれれば最高なのだが、富士山の後ろ側にはあいにくの厚い雲がかかっている。雨ヶ岳山頂にあるお気に入りの木を前景にして三脚を固定し、その時をじっと待つ。時間は午前7時を回った。そろそろ時間だが・・・富士山頂がわずかに明るくなった程度で、ダイヤモンドは輝かなかった。しばらく見ていると富士山頂で明るくなった光こそが太陽で、雲が薄くなった富士山の右上で雲を透けて輝いていた。

    朝焼けが終わり、空は晴れたが富士山の裏には厚めの雲がかかる。


    この雲を透けて朝日が輝いてくれれば・・・念願の雲海上のダイヤモンド富士だが・・・。


    この構図でダイヤモンド富士を待つ。山頂が少し明るくなっているのが、実は太陽。ダイヤモンドは輝かず。


    富士山頂を過ぎたところで透けて見えた太陽。

 空は次第に雲が増え始めていた。富士山も時折山頂がすっぽりと雲におおわれたかと思えば、また姿を現す。午後からは雨の予報なので早々にテント撤収し、午後7時45分、下山開始する。スリップしそうな急斜面に注意しつつ、1時間で端足峠到着。A沢貯水池周辺の撮影ポイントをチェックしながらも、10時前に駐車場に到着した。

 山の景色は登ってみなければわからない。天候が崩れる前、そして回復してくる時にはこのようなドラマチックな展開となることがあるのだが、ほとんどの場合は空振りに終わる。しかし、こういう景色を見てしまうと見込みが薄いのを承知でまた来たくなる。中毒のようなものだろう。
コメント (5)
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