山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

不発に終わった甲府の皆既月食  平成26年10月8日

2014年10月10日 | 番外編
 午後休みをとって撮影に備えていたのだが・・・今年最大と言える天体現象、皆既月食の見られるこの日、富士山の上に昇った赤い月を撮影するために再三カシミール3Dでシュミレーションを行い、朝霧高原ふもとっぱらあたりでの撮影を考えていた。しかし、午後になると雲のかかることが多い富士山だけに、もう1ヶ所、富士山が見えなかった時のために準備しておいたのが瑞牆山森林公園だ。瑞牆山岩峰群を仰ぎながら、ちょうど皆既が始まる頃に月が見え始めるはずだ。この場所ならば低空に雲があっても空を仰ぐような角度なので、一瞬でも月が出てくれれば絵になるはずだ。

 当日の朝はやや雲が多いものの、青空が広がった。しかし、富士山は既に雲の中だ。富士山ライブカメラをチェックしながらどこで撮影するか考えるが、午後になるとさらに雲が増え、富士山を望むことはほぼ絶望的になる。ならば瑞牆山へ・・・ということで出かけるが、途中から見る標高1,700mほどの茅ヶ岳山頂に既に雲がかかっている。標高2,200mの瑞牆山はもっと難しいか?と思いつつもひとまず現場まで行ってみる。


    瑞牆山森林公園


    見上げる瑞牆山岩峰は雲がかかる。これでは月の見える可能性はほとんど無い。

 瑞牆山はほぼ絶望的。ではもう少し高度を下げて、かつ前景に何か良いものがある場所・・・ということで、明野村のハイジの村に向かう。ここには西洋の城を思わせる前景にちょうど良い建物と塔があるが・・・北東から東に連なる茅ヶ岳・黒富士の山塊に雲がかかって空は全く見えない。止む無し、甲府まで戻って城跡のある舞鶴城公園に行くことにする。

 車の運転中に途中で半分ほど欠けた月が見えたが、すぐに雲の中に消えた。舞鶴城公園に到着したのは7時過ぎ。定点カメラでの撮影はもはや困難なので、Eos7Dだけ持って出かける。城門のところで試し撮りしていると、突然雲間から細い月が姿を現した。なんとか4カット撮影したが、その後すぐに雲に隠れてしまう。


    舞鶴城公園城門


    雲間から皆既間近の月が現れる。


    城門に昇った月食の月


    しかし、すぐに雲の中。

 公園の頂上まで行ってみると、月食の月を見に来た人が10人ほど、若者が多い。三脚を構えている人もいるが、残念ながら月は見えない。一段下がってこの城壁を入れる構図で三脚を構える。時間は7時半になった。もう皆既している頃だ。少しでも姿を見せてくれれば・・・とじっと待つ。


    城壁の上で月を待つ人たち。舞鶴城は城壁のみで、天守閣は造られていない。


    1段下がって城壁を入れたこの構図で月の出を待つ。


    南西側は雲が切れている。


    東側は全くダメ。


    どこかに写らないかとシャッターを切るが・・・いない。(寝そべっている女子高生を狙ったのではありません。)


    ようやく見えたのはもう皆既が終わった月。雲を透かして一瞬だけ見えた。


 こうして、今回の皆既月食は不発に終わってしまった。皆既していたのは7時半から8時半ごろで、比較的低い位置の月だったので、前景に何か入れての撮影には好条件だったのだが残念な結果に終わった。

 次回は来年の4月4日(土)だ。すっきり晴れてくれることを期待する。
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皆既月食前哨戦 パール富士 朝霧高原  平成26年10月6日

2014年10月10日 | 山梨百名山
 10月8日は今年の天体現象の目玉皆既月食が起こる。月が地球から遠い位置にあるため、1時間という長時間にわたって皆既した赤い月が楽しめる。撮影の前の練習を兼ねて朝霧高原にパール富士撮影に出かけた。

 台風18号の影響は山梨県ではほとんど被らず、雨は降ったものの風はさほどでは無かった。昼過ぎには台風が通り過ぎ、青空が広がり始めた。富士山ライブカメラでも三つ峠、精進湖、本栖湖とも富士山が姿を現し始めていた。今宵の月は月齢12の月。何故か今宵は月見の日らしく、自宅では月見団子を準備していた。月齢12の月は早い時間に昇り始めるので富士山に近付かないと夕暮れ時の月を捉えることができないが、車で近付ける良い場所は無い。日没の10分以上前に月が出てしまうが、その場所しか見当たらないので、朝霧高原の富士山に近い道沿いに撮影場所を決めて出かける。喫茶店(らしきものを経営されている)駐車場があったので、ご主人にお断りして車を止めさせてもらう。他には車2台、思ったよりもこの日はカメラマンが少ない。


    まずは試し撮り。


    75mmズームレンズ+EosM2。こちらはほぼ固定でシャッターを切るのみ。


    200mm単焦点レンズ+Eos40D。こちらは月の位置に合わせて構図を変えて使う。本番の時はEos40Dと7Dの2台を使う予定。

 月食のときも同じだが、本日は三脚2本にカメラ2台、レンズ3本を持ち、1台のカメラはほぼ定点固定でシャッターを押すだけにセット、もう1台は焦点距離、構図を変えながら撮影するようにセットする。5時ごろから試し撮りして構図を見ていると、5時10分ごろ、もう富士山頂に月が登り始めた。計算していたよりも10分早い月の出だ。


    5時10分ごろ、もう月が姿を現し始める。日没から15分ほど早い。


    富士山頂に姿を現した月齢12の月。


    あっという間に昇って来る。


    パール富士。予想通り、時間が10分ほど早かった。


    富士山頂に昇った月


    月はどんどん昇って行く。


    夕陽が照らす。


    台風一過の澄んだ空、夕陽に富士山が赤く染まる。


    残照と月


    剣ヶ峰に昇る月齢12の月


    200mm望遠レンズで追えるのはここまで。


    残照


    夕焼けの空と月。


 なかなか良いタイミングで撮れないパール富士。位置条件的には翌日のほうが良いのだが、仕事の都合で無理。かつ、これほどに空気が澄んだ条件で撮影できる日がそうたくさんあるわけでも無い。

 皆既月食の日、空が晴れてくれることを祈るばかりだが・・・。
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