なかなか良い天候に恵まれず、この日も日中から山の上には雲が多い。富士山の山上を舞う紫金山・アトラス彗星を捉えようと、午後から山中湖方面に向かったのだが、御坂まで行ったところで富士山ライブカメラをチェックしてみると、大きな雲がかかり始めて富士山頂は姿が見えなくなってしまっていた。徐々に天候が悪くなる予報なので、おそらく回復してくる見込みは低いであろう。まだ南アルプスは姿が見えているので、方向を変えて敷島町に向かう。茅ヶ岳山麓のホッチ峠あたりからだと甲斐駒ケ岳の上に彗星が沈むはずなので展望地を探すが良い場所が見つからず、帯那町に行ってみる。なんとか電線が避けられる良さそうな場所があったので、3台のカメラをセットし、そのうちの1台は簡易赤道儀に乗せる。この場所は北極星が見える位置なので、極軸もきっちりと合わせることが出来る。
日没の帯那町から見る南アルプス。雲が多いがなんとかなりそうな感じがする。
夕焼けに空が染まった鳳凰山と甲斐駒ケ岳
双眼鏡で観察していると、あっさりと彗星が見つかった。
鳳凰山目指して舞い降りる紫金山・アトラス彗星。かなり長い尾を引いている。
200㎜望遠レンズの視野でやっと収まるくらいの長い尾を引いている。
簡易赤道儀で追尾した画像
400㎜望遠だと視野に入り切らない。
鳳凰山に迫る彗星
追尾画像
鳳凰山に舞い降りて行く彗星
沈んだ後も長い尾が見えている。
何度も彗星を追いかけて撮影してきているが、今回の彗星がいちばん大きいと言えるだろう。しかし空模様がいまひとつでなかなか思うように撮らせてくれない。富士山の上を舞う姿を捉えたいが、天気予報を見るとなかなか良い日がやって来なそうである。1日でよいので夕方に空が晴れてくれる日を願いたい。