朝から富士山は雲に隠れてしまっているが、夕方には姿を見せてくれるはずである。この日を逃すと仕事の都合で山中湖方面までの遠征は難しくなり、富士山頂を舞う紫金山・アトラス彗星の撮影は難しくなってしまう。まだ富士山は姿を現さないが、夕方にはきっと姿を現すと信じて、午後3時に籠坂峠を出発して山の上の展望地に向かう。彗星観察の前に、もうほとんど終わってしまっているがイネ科の植物を中心に登山道周辺に残っている植物を見ながら歩いてみる。
少しずつ青空が広がってきているが・・・
午後3時に出発した頃には富士山はまだ全く姿を見せてくれない。
花が終わった登山道は殺風景に見える。
咲き残っていたキク科の花。これはシロヨメナか?
イネ科の植物ももう種が落ちてしまっているものが多い。葉が地面から出ていて光沢があり、これはホガエリガヤであろう。
細い柄の先に小さな小穂を付けている。これはタツノヒゲであろう。
ヤマアワ?それともノガリヤス?
今年ようやく見つけたヒロハノハネガヤ。それなりに数はある。
紅葉してたくさん生えている。これはヌカボではないかと思う。
小さなトリカブトが生えていた。
花柄を見てみると屈毛が生えているようである。これはヤマトリカブトであろう。
リュウノウギクはちょうど満開だった。
砂地に生えているこの枯れた草はシラゲヒメジソであろう。他の草に飲まれてだいぶ減ったように見える。
日没前になんとか展望地に到着した。しかし相変わらず富士山は雲に隠れたままである。
この界隈は何度も歩いていてイネ科の植物はそれなりに見てきたつもりである。同定が間違っているものがあるかも知れないが、おおよそマスターできたのではないかと思う。
カメラ3台に三脚3本とさらには簡易赤道儀をザックに詰め込んで登って来た。重さは15㎏を越えてテント装備の時と同じくらいの重さになった。しかし、意外と歩けるものだと思った。肝心の富士山は雲に隠れて姿が見えない。陽が沈むとこれから冷え込んでくるので、雲が晴れて姿を見せてくれることを期待しつつ、3台のカメラと簡易赤道儀をセットして夕暮れを待つ。