山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

オオバナオオヤマサギソウとオオヤマサギソウ  令和2年7月23日

2020年07月27日 | 花・花・花
 4連休初日であるがこの日も天候が悪く、連休中もずっと晴れる日は無さそうな予報である。山の上の花を見に行く元気は出ず、車で移動して少し歩く程度の場所を散策する。今年どうしても見たかった花のひとつがオオバナオオヤマサギソウである。良く似たオオヤマサギソウは芦川の保護柵で囲った周辺にたくさん咲いてくれており、オオバナのほうとどこがどう違うのか、今年こそは確認してみたいと思っていた。1ヶ所は偶然出会った方から場所を教えていただき1株だけ確認している。個体数の多い場所があるらしいのだがどこだか全く分からなかったのだが、情報を持っている花仲間に教えていただくことが出来た。雨が降ったり止んだりの不順な天候であるが、この4連休を逃すといつ行けるか分からず花期を逃してしまう可能性が高い。傘を持ちながら散策に出かける。


    フジイバラは満開を過ぎて散り始めている。


    以前に教えていただいた株はまだ早くて蕾だった。


    場所を移動して別のところを散策。なかなか見つからなかったがやっと咲いている株に出会えた。


    小雨が降る薄暗い森の中に咲いていた花


    オオバナオオヤマサギソウ。咲いている花は初めて見るが、咲いている花も生育環境もオオヤマサギソウにきわめて良く似ている。


    オオバナオオヤマサギソウ


    側面から見る花

 雨脚が強くなり、もう少し散策したかったが車に戻ることにする。そして今度はそろそろ満開になっているだろうオオヤマサギソウを見に行ってみる。


    咲いている。


    見ごろを迎えていた芦川のオオヤマサギソウ。立ち枯れしていた個体も多かった。


    オオヤマサギソウ


    オオヤマサギソウの花

 いずれの花も良く似ていてちょっと見た感じでは同じもののように見えてしまう。ではどこがどう違うのか?並べて見てみると別物であることが分かって来る。


    オオバナオオヤマサギソウの花


    オオヤマサギソウの花


    オオバナオオヤマサギソウの花の拡大。側萼片は腕を広げるように横向きに広がる。


    オオヤマサギソウの花の拡大。側萼片はバンザイするように上を向く。


    オオバナオオヤマサギソウの距は真直ぐかやや下向きに湾曲する。


    オオヤマサギソウの距はやや上向きに湾曲する。

 この側萼片の開き方と距の曲がり方を見極めればいずれの花であるかは区別できるであろうが、いずれにしても開花している時でないと判別は難しい。もうひとつ、山梨県では分布域が分かれており、富士山山麓のものはオオバナオオヤマサギソウ、御坂山塊のものはオオヤマサギソウと住み分けているようである。その他の山域はまだ見ていないので何とも言えないが、櫛形山に咲いていたものがオオヤマサギソウだったところを見ると、おそらく富士山麓以外はオオヤマサギソウなのではないかと思っている。
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