老人になると少年のころが無性に懐かしくなる。昭和11年に生まれたので、昭和天皇が懐かしい。
立川市の昭和記念公園の花みどり文化センターの中の昭和天皇記念館を訪れた。
展示はいろいろある。昭和21年から29年にわたる全国の津々浦々へ行幸なさったたときの白黒写真のスライドが大写し画面で、ゆっくりと流れる。筆者が住んでいた仙台市へいらした時のもある。小学6年生の秋であった。小旗を振ってお迎えした。展示のスライドは全国各地の人々の群れに囲まれた天皇のお姿が映っている。みな貧しげな服装であるが、顔が明るく輝いている。
この時ほど昭和天皇を身近に感じたことが無い。全国の都道府県をすべて巡幸された。沖縄県以外は。
沖縄では基地反対運動などで騒然とした時代が長く続く。そんな中で天皇の訪問は政治的に慎重にならざる得ない。ついに 昭和62年、沖縄国体の時、沖縄訪問の予定が決定する。しかし残念にもご病気で取り止めになる。
その時、代理でいらした皇太子に託した沖縄県民への手紙も展示してある。沖縄上陸作戦に民間人が巻き込まれ、悲惨な地上戦が3ケ月も続いた。そんな沖縄への切々たるお気持ちがあふれた文章である。人間性豊かな天皇であった。終世、沖縄訪問を願いつつ果たせなかった。
また展示室右手上には6枚の大型液晶画面があり87年のご生涯の映像が出る。
晩年にテレビ記者と会見したときのお元気な御声をかなり長時間聞くことができる。これは係の人に申し出て、是非お見逃しなく。
展示室の中央には昭和10年から52年までご愛用になられた箱形ベンツ乗用車が磨きあげて飾ってある。たびたび新聞写真でみた懐かしい乗用車です。
館内は撮影禁止なので入口のドアーと受付のところの2枚の写真以外は記念館のホームページ、http://www.f-showa.or.jp から引用しました。 下の列の左から2枚目は87年のご生涯の折々のお写真、3枚目は生物研究室の様子、4枚目は公務用の机、5枚目は昭和3年のご即位の折の行列の一部の様子です。
撮影日時;7月31日午前11時頃 (終わり)