後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

外国体験のいろいろ(55)アメリカで使ってはいけない英語(補足)何故、敬語を使うか?

2008年07月25日 | 旅行記

ブログ文化圏に居る若者の間では、敬語・敬称を使わないのが原則です。例外はありますが。

以下のhisami さんからのコメントを前半分と後半分に分離して分析します。すると2つの理由からと分かりました!

====hisami さんからのコメント============

ブログを書いたりコメントを残すときに 年齢・生年月日の自己紹介を書く人は 殆ど居ないから

文章である程度の年齢想定をしてコメントをする
でもぉ~~あまりにしっかりした文章で年配の方と 思っていたら年下だったり~~なんて事も有ります
若い人みんな~~ひとくくりで考えるのはどうかと思います
年配の方でも常識無い方 年配の方でも自分本位で我侭な方もいらっしゃいます
若い人のブログは常識無い!とひとくくりで考えるのは 如何なものなのでしょうかぁ~?と疑問を感じます 確かに若い人の犯罪もありますが いい年をした方の短絡的は犯罪だってある訳ですからね

============原文のままでした==========

理由は、

(1)ブログでは相手の年齢・立場が一切不明なので敬語は使わない。

(2)老人でもよく考えて見ると尊敬出来ない人がいるので老人へ敬語を使うときは尊敬できる人と判断してから使う。

筆者は72歳の老人男性です。上の二つの理由は論理的に考えると実に合理的ですね。このコメントを頂いてから深く考え込んでしまいました。そうか!若者は論理的に考えて、自分が納得出来なければ敬語・敬称は一切使わない。その合理性に感動するとともに吃驚しました。

老人の自分は、

(1)相手の年齢・立場が不明の時は、とりあえず敬語を使う。

(2)年上や初対面の人へは形式的に敬語を使う。尊敬できるか否かは考えない。

言語表現の合理性をある程度犠牲にして、日本語を使う。それが伝統的な日本文化だから。敬語・敬称を適切に使った日本語が美しく感じるから、使う。

自分の国の言語を美しい状態で子孫へ残したいからと思う。

しかし若い人々がそのように感じないなら、それは仕方の無いことで、強制はしないほうが良い。いずれ年老いてくれば考えが変わるかも知れないのだから。これが自分の考えです。

敬語・丁寧語についてDiscussionをブログ上でしました折にたくさんのコメントを頂きました。ここで自分の考えを明確に公表して、一旦終わりとします。

誠意あるコメントを下さいました、zebra1192 さん、鬼家雅雄さん、高山さん、乾燥芋のおにいちゃん、そして hisami  さんへ深甚な感謝の意を表します。(終わり)

追記:上記の文章へ対して、hisami さんから、ブログでも相手によっては、敬語と丁寧語を使いますという、補足的なコメントを頂きました。合わせてお読み下さい。 


外国体験のいろいろ(55)アメリカで使ってはいけない英語

2008年07月25日 | 旅行記

@使う言葉や言い方を注意深く選ぶ

英語に敬語や丁寧語が無いからどんな言い方でも良いと思ったら大変なことになります。言葉を注意深く選んで、相手に失礼にならないようにします。

一般論から言えば、まず直接的な命令は使ってはいけない表現です。

その場合は、You might do so.(そのようになさっても良いですよ) とか、Would you  please do so ? (そのようになさってくれませんか?) とか Could you do so. (そのようになさりたければ、できますよ) という風に仮定法過去の助動詞を必ず付けます。例外は、道順を教えるときで、その場合は直接命令形式が明快なので、かえって歓迎されます。また何か頼む場合は必ず、Please と付け加えます。朝夕の挨拶は快活、明朗にするのは日本と同じです。無言が一番いけません。昔の受験英語にはこれが無くて、渡米後ずいぶん苦労したものです。

@使ってはいけない言葉

まず差別用語は禁句です。ニグロやジャップという前近代的な差別用語は勿論です。盲目、聾話、難聴、色盲などのような科学的な表現でも過去に差別目的でつかわれた言葉は禁句です。Handicapped person と言いますね。インデアンもいけません Native American といいます。

体の下半身や生理現象に関する言葉はつかわないようにします。

当然、バカとかコンチクショウという言葉も禁句です。とくに日本人は「問題のありそうな言葉」と「それを使う適切な場面」の関連がわからないので禁句が無難です。

@敬称は使わないこと

ここがヨーロッパとアメリカの一番大きな違いです。ヨーロッパではProfessor,Dr. Mr. Mrs. Miss. Madame、などの敬称は原則として必ず付けます。これは日本と、まったく同じですね。(しかし、欧州でもアメリカの影響もあり、苗字でなく名前で呼び合う人々もいますが)

ところがアメリカでは、どんな偉い人でも George, Jim, Merry, Betty というようにFirst Name や簡単な愛称で呼び合います。これを無視して 

Mr.とか Mrs.と呼んでいると、あからさまに嫌がられ、人間関係がおかしくなってしまいます。

「敬称」は人を差別する第一歩とアメリカ人は考え、それを忌み嫌うのです。敬称を用いるのは「倫理的な悪」の始まりなのです。もっともヨーロッパ人やアジア人が敬称を使うのは大目にみてくれます。でも渡米し、何ヶ月も在住して、なお敬称を使っていると、いかにもアメリカ文化へ敵意があるかのように思われます。

それでは相手を尊敬しているときはどうしますか?簡単です。どういう理由で感動したとか、何故尊敬しているかと具体的に説明すれば良いのです。尊敬している理由を明快に説明することが必要です。でないと空々しいお世辞と思われ、ずるい人間と誤解されます。なんとなく相手を尊敬している場合は態度で表わします。

日本では目上の人や年上の人には、とりあえず敬称を付けます。

相手が尊敬に値するか否かは考えてはいけません。

これは形式美を重んずる日本の伝統文化の真髄であります。それに反することは伝統文化を破棄する結果になります。茶道でも、古い華道でも、寺社建築でも形式美を重要視することが日本の伝統文化の基本なのですから。   (続く)