日本人は日本語を使う。当然と言えば当然だが、使う人々の言葉へ対する考え方はいろいろ。大別すると三つになります。
1)言葉には思い出や連想がまとわり着いているので他人に悪いことを思い出させる言葉は使わない。
2)言葉は独立して悪魔になってしまった言葉があるので、その言葉を自分も他人も使うことへ反対する。
3)西欧合理主義から考えると言葉はそれ自体、神にも悪魔にもなれない。人間の使う単なる道具に過ぎない。それに連想や思い出をまとわり着かせるのは言葉の便利な機能を阻害させるのでしてはいけないことだ。
皆様はどの分類に入りますでしょうか? 1)と2)の境界はあいまいな場合が多く、3)の立場ほど判然とはしませんね。
日本語では、1)や2)に考えられる言葉は成るべく使わないようにするのが良いと思います。他人の心を傷つけるかも知れないからです。
例を挙げます。原子力、愛国心、靖国、大東亜共栄圏、満州、支那、陸軍、海軍、軍艦、戦闘機、などなど第二次世界大戦の間に盛んに使われた言葉は使ってはいけない言葉です。それが証拠に我が国の自衛隊では海軍や陸軍という言葉は禁句です。新聞でも満州、支那、陸軍、海軍、軍艦、戦闘機、などはあまり使われません。
しかしアメリカ人は、海上自衛隊はNavey、陸上自衛隊はArmyといいます。言葉の機能が欧米とは違う日本文化を理解出来ないからでしょう。
愛国心や原子力発電を取り上げたので、こんな感想を書いてみました。(終わり)