東京も西多摩郡桧原村の奥の山地へ行くと、昔ながらの萱葺きの家に住んでいる人々が居ます。でも上の写真は青梅市に近い日の出町を車で通っているとき偶然発見しました。江戸時代の後期、150年以上前の造りと推定しました。柱や梁が100年以上も囲炉裏の煙で燻されて真っ黒になっています。しかし梁の材木は太い一本木で、上等な材木を使っています。写真を撮らせてもらおうと、玄関まで行きましたが、お留守でした。上の写真は生垣の外の道路から撮ったものです。掃き清めた庭の反対側には綺麗な白壁の蔵も建っていました。
この写真をよく見ると2階の前面に明り取りの障子が張り廻らせてあり、養蚕に使っていた様子が伺えます。屋根を仔細に観察すると一番下は稲藁で葺いています。その上を萱で葺いて、表面は檜皮葺きになっています。いずれは屋根全体をトタンで覆うートタン葺きになるのでしょうが、この家の家族は先祖伝来の立派な家を大切にして、悠々と暮らしています。
時代がいくら変わっても古い家を修理しながら豊かな気持ちで人生を送っているこの一家へ深い敬意を感じます。お留守でなければお話も聞けたに違いありません。(終わり)
撮影日時:10月15日午前12時頃、撮影場所:東京都日出町、秋川街道沿いにて、