10年後の日本の社会がどのように変わるか?その答えは?アメリカの現在のようになるとよく言われる。しかしこれは如何になんでも雑すぎる。アメリカのようになる部分もあれば絶対にならない部分もある。例えば、日本がアメリカ流のキリスト教社会へは絶対にならない。
しかし、日本の離婚はもっともっと増加する筈と思う。この部分はアメリカ流になる典型的なものです。原因は複雑だ。しかし、原因を議論するのは無益なので、離婚の悲劇を最小にするアメリカのやり方を2つだけご紹介いたします。
(1)離婚の原因を話題にしたり追究しない。
結婚している人にとって離婚は悲劇です。それで自分の何処が悪かったか?とか、相手の何処が悪いのか?と考え込んだり、言い合いをしがちです。これをすればするほど自分が傷つくし、相手にも深傷を負わせます。悲劇がますます深刻になります。アメリカ人では、離婚の時に相談するカウンセラーが居るという。アドバイスは決まって、「離婚の原因を自分や相手に求めたり、反省したりしないこと。離婚したくなったら離婚届を出すだけにして論争をしない」そして「慰謝料などについては弁護士や民事裁判に任せなさい。自分ですると感情的になって傷を深めますよ」
ようするにサッパリと気軽に、事務的に事を進めるのが良いとされている。両親や親しい友人の禁句は、離婚の原因を聞くこととされている。起きたことは起きたこととして将来のことのみ相談に乗ることが重要とされている。離婚した元夫婦の両方と友人として付き合ったいたなら従来通うり付き合いなさい。でも双方へ相手の現状などを報告しないことです。そんなことはお互いに聞きたくないのですから。
(2)離婚したら新しい趣味を始める。
人生のスウィッチを入れ替えるのを社会が支援する。過去は問わないアメリカ文化が精神的な支えになる。心機一転、人生をまた明るく始めるために新しい趣味をはじめる人もいる。
1988年にオハイオ州立大学で働いていたとき職場に中年の女性がいた。夏に職場の全員を家族連で郊外にある自分の馬小屋でのバーベキューへ招待した。行ってみると大きな馬小屋の中心の廊下に面して左右に8頭のサラブレットを飼っている。馬小屋の通路も清潔に掃除が行き届いている。馬小屋の前の芝生でバーベキューを楽しんだ後、8頭の馬を引き出して子供を乗せて引いてやる。馬を引いているのはアルバイトの学生だという。
サラブレット8頭と瀟洒な馬小屋とは随分お金のかかる趣味です。女主人に聞いたところ、「幸か不幸か、離婚の慰謝料を貰ったので、心機一転新しい趣味を始めました。馬8頭を飼ってみると人間以上に素晴らしく、お陰で元気がでました」という。人間以上に素晴らしく!というときに片目でウインクをして、離婚をユーモアで流している様子を見せてくれた。来年は他の州へ引っ越して、新しい人生を楽しむとも言っていました。
日本でも離婚が間違いなく増加します。周囲の人々が小賢しい説教をしたり、相談に乗ってはいけません。将来のことだけ話題にしましょう。
新しい趣味を薦めるのも良い方法です。別にサラブレット8頭なんかでなくて良い趣味がいっぱいあります。猫でも犬でも良いし。読書でも音楽でもよいのです。
女性だったら源氏物語や万葉集の購読会へ入会するのも良いでしょう。
趣味は人生のスウィッチの入れ替えの手助けをします。
ブログの趣味も使い方によっては良いかも知れません。(続く)