朝から円満に夫婦解散し、家内は何時ものカトリック小金井教会へ、私はお茶の水の日本正教会、ニコライ堂へ行きました。ブログへ寄稿して下さった伝教師の金田一豊さんにお会いし、礼拝式(聖体礼儀という)の内容を教えて頂きました。儀式は10時に始まり約3時間で、午後1時近くに終りました。荘厳な合唱で進める儀式でその合唱の芸術性には感動します。堅苦しい儀式には厳格な決まりがあって他宗派の私には疎外感と違和感があり、儀式開始後15分位は緊張し、多少後悔もしていました。見上げると聖堂のあちこちにマリア様のイコンが沢山飾ってあります。そうだ気楽に母の居る実家に帰った心算で居ることに決めました。主教の行列や祭壇での祈祷に聖職者として参列していた金田さんが、ニコニコしながら傍に降りてきて説明してくれました。マリア様のお陰で気楽にしている私を見て安心していました。それでも祈祷の合間に、3回も来てくれました。面倒見の良い人だったのです。正教のことはいずれ詳しくこのブログへ書きますので、今日は金田さんへ感謝してお写真を掲載します。
一方、家内の方は、小金井教会で川原謙三神父様の司式のよるミサに参加しました。ミサ終了後の11時から12時20分までの川原神父様の講話を聞いてきました。
川原神父は88歳で小柄ですが言語明瞭、音吐朗々で全く年齢を感じさせないで、講話をして下さったそうです。幼少時に父が神道を大切にする家庭に育ち、キリスト教とは縁がなかったそうです。
戦争になり南方のブーゲンビル島でオーストラリア軍の捕虜になり、やがて終戦。東京の実家に復員してきたが生活に困り、松屋の中で靴磨きをしていた。フッと前を見るとの貴金属売り場のレジに地味だが美しい女性が働いている。弁当を食べる時、十字を切ってから食べるのです。結論を言えば、その女性の案内で教会へ通い、洗礼を受け、終いには神父になったというお話だったそうです。幼少時から神道や仏教の教えを受けて来たので、自然にキリスト教を信じることができました。これも「隠された神の手」であったと思います。それが川原神父様の結論だそうです。
今日から待降節になります。イエス様の誕生を待つ4週間の始まりです。
この記事をお読み下さいました皆様にもイエス様の祝福がありますようにお祈り致します。 シルベスター藤山杜人
戦前に生まれ育ったせいか、「美食趣味」というものに抵抗感がある。その頃の日本は食糧事情が悪かった。
また食べ物の話をするのは品性が悪いという話をよく聞いた。それでブログにはグルメ記事をなるべく掲載しないようにして来た。
従って、テレビの食べ物に関するある種の番組には色々な理由で抵抗感がある。特に食べ物を無駄にする大食い競争や早食い競争には嫌悪感を感じ、チャンネルを回してしまう。
インドやアフリカでは餓えた人々が多数居る。そんな事を思い出す。それに人が早食いしているサマは動物的で正視に耐えない。
しかしテレビの番組でも以下のような趣旨で取材し編集したものは熱心に見ることにしている。
(1)地域性を考え季節によって安価に得られる食材を使っている。
(2)食材を無駄なく使い、料理法に創意や工夫が感じられる。
(3)料理の価格が常識的な範囲以内である。
(4)決して高価な食器ではないが盛りつけやサービスに誠意を感じさせる。
自分でも旅に出た時はそのような店を探して歩き回ることがある。料理をつくった人々の気持ちを考え、その地域の文化と結び付けて楽しむ。
食事をする店を探すときには上の(1)から(4)をいつも考えている。店を探すときはなるべくインターネットに頼らないで現地の人々に聞くことにしている。
今年の1月末に八丈島に行った時は心を豊かにする美食にありつけました。
店の人々と話もしました。地域文化が感じられます。そこで八丈島の美味しいものをご紹介したいと思います。まず、あそこ寿司からご紹介致します。
あそこ寿司の特徴は主人(写真上左)が釣りが好きで島周辺の魚に精通していることです。聞くと丁寧に説明してくれます。上の写真の下段左にあるように地元の魚の写真が飾ってあり、よく分かります。お店がすいていたのでついでに島のことや魚の仕入れ方法やいろいろ雑談をしました。
伊豆諸島で島寿司といえば、白身の地魚を醤油で漬けにして、カラシを塗った甘いすし飯で握るのが普通です。しかし、あそこ寿司の島寿司は漬けにしません。(予約をすれば漬けにした普通の島寿司も出します)
さて島寿司の味ですが写真のように細く握った寿司です。どれも歯ごたえが適当にあって、活きがよく、魚独特の甘みがあり美味でした。超美味と書きたいくらいでした。寿司が細身に見えるので、魚が少ししか乗っていなと思いました。しかし食べてみると切り身が分厚く、それぞれの魚の味がゆっくり楽しむことが出来ました。シャリは甘めですが小さく握っていて白身の魚の味を引き立てています。
(写真の赤身の寿司はキハダで、時計回りにオナガダイ、バショーイカ、アオゼ、キツネという魚の海苔巻、メダイ2コ、エース2コの順で合計9個です。)
お澄ましはトビウオのツミレと八丈岩のりが入っています。(これで2100円)
今年の1月29日の昼食に行きましたが、夜に行って地元の魚の刺身で熱燗など飲んだら楽しいでしょう。と、言いました。主人はそうです。是非いらっしゃって下さい。自分で釣った魚も出しますよ。と、言って下段右の写真を指さしました。少し以前に自分の身長くらいのヒラマサを釣り上げたときの写真です。
次は、銀八寿司の島寿司の話です。
ご主人の写真と伝統的な島寿司の写真です。東京にあるような江戸前の高級なニギリもあります。しかし島寿司の価格の方が安いのです。活きの良い地元の魚を無駄なく使っている様子がうかがえます。メダイ、アオゼ、オナガダイなどです。島へ行ってインドマグロやイクラ、エビなどのニギリを食べるのは何か不自然で私の趣味ではありません。地元では白身の魚を何日も腐らせないで寿司を楽しむために塩や酢に漬けてあるのです。甘めのシャリに慣れてしまえば絶品です。
つぎは島料理の厨という店を紹介致します。
左が昼食の島御膳「おまかせ」(1500円)で右は質素な店の佇まいの写真です。島豆腐、飛魚のツミレ煮、地魚の刺身などが丁寧に誠意を込めて作ってあります。
料理人の誠意というものは説明が困難です。しかし食べてみると明解に分かるから不思議です。
如何にも島の家庭でつつましい食材で、美味く、健康に良いように作った感じの御膳です。その家庭的な誠意に感激しました。支払をした後で厨房をのぞくと50歳くらいのおばさんが一人で作っています。「おいしかったですよ」と声をかけたらニコリとしました。
次は泊った八丈ビューホテルの夕食の写真を示す。
ホテルと言っても実態は旅館です。太平洋の眺望の良いことを抜きにすればよくある和風の旅館です。1泊2食付き12600円。部屋が良いだけに、食事の経費を節約しなければ経営が続かない感じの作りです。
しかし上の写真からうかがえるように、料理人が努力して島料理を出しています。伝統的な島寿司もついて、刺身にはマグロなど使わないで島魚を使ってます。島で容易に手に入れる魚はカジキ、オナガダイ、アオゼ、メダイ、トビウオなどです。勿論アジやサバもとれるますが、流石にホテルでは出て来ません。
この写真の右上の鍋はヤギ肉の鍋。これも島料理。沖縄のヤギ汁を思い出しました。これも琉球文化の影響だろうかと沖縄のことをあれこれ考えながら食事を楽しみます。ここには美味しい島焼酎がいろいろありますが、焼酎は強すぎるので自重して次回へ延期とした。
島の人々が工夫して食材をなるべく美味しく料理してるのを実感出来ます。
島にある大きなスーパーマーケットへも行ってみました。売っている食料品は東京のスーパーと殆ど変りません。しかし、島寿司のパックが売っている。トビウオやオナガダイや名前の知らない島魚はそのままの姿で売っている。アシタバがホウレンソウの代わりに売っている。見るだけでしたが楽しいものです。
島独特の商品以外は全国から、世界中から来ています。この状態は山林の中の小屋の趣味でよく行く山梨県北部の農村にあるスーパーと同じです。山梨では島魚やアシタバは無いが、大部分は同じものを売っているのです。
私の趣味のグルメとは、この様にいろいろな人々の食生活、少し格好良く言えば食文化を探す趣味なのです。
当然、趣味は個人の自由。他人がどのようなグルメ趣味を持とうが私には特別な意見は無い。ただ私の個人的な趣味のグルメの楽しみ方を書いただけです。
八丈島の あそこ寿司、銀八寿司、八丈島厨(くりや)、八丈ビューホテルは検索するとHPが出てきます。
今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。 藤山杜人