アメリカ大使館、アラムナイ・コーディネーター:クリスタル・プライヤー殿
拝啓、昨日、ご依頼のあったオバマ大統領のアジア政策に関する演説へ対する私自身のコメントをお送りしました。お受け取りになったことと思います。
さて今日は小生のブログの読者の6人の方々から投稿のあったコメントをお送り致します。私のように親米的な立場でない人々の本音のコメントです。
親米的な人々からのコメントだけでは演説に対する間違った評価になると信じています。どうぞ親米的でない平均的な日本人のコメントも翻訳されてワシントンDCへお送り下さいます事を期待致します。
クリスタル様のご健勝とご活躍をお祈りいたしています。
敬具、藤山杜人(1960-62年のフルブライト留学生)
(1)YYさん:ブッシュ大統領以前の大国意識は影を潜めて、是非を認める正しい路線で、来日以前に好感を持たれたオバマさんでした。しかし、銃乱射事件などでのスケジュール変更と短縮もあったので、来日の遅れは誤解を招きました。原爆投下を非と認めたことの証に、広島、長崎で慰霊塔に献花があれば、日本人の心を完全に掴むことができたでしょう。鳩山政権の対米政策が信頼されていないので、今回はそこまで踏み込めなかったのかも知れません。アジア外交の重要性と、力でなく協調路線を明らかにしたことも前進であり、チェンジでありました。
新政権に対する社交辞令とAPECを重視の姿勢だと、歪んだ見方の日本人から批判の声も一部にあります。保守から革新へ変化の日米の両政権です。ともに新しい道を探って行くべきで、早計な結論は慎むべきだと思います。
(2)ZBRさん:演説で述べられている範囲では、確かに藤山氏の感想は的を得たものであるし、その通りだと思う。しかし、もの足らないのは、昨年秋以降の世界同時不況の原因がアメリカにあった事を詫びていない。また多額の公的資金を注入された米国金融機関が、少し良くなるとまたぞろ莫大な報酬を出すといった米国流資本主義の問題への反省の弁が全くないことに失望した。また止むを得ぬとしても、やはり未だに世界を牛耳っているのは米国なのだとの思いが、言葉の裏に隠されている様に思えるのである。またアジアが輸出に依存し過ぎているとしながら、一方で米国の雇用戦略の為には、自国の輸出に重点を置くべきと言うのは、些か虫が良すぎるのではないか?それでも歴代の大統領に比較すれば、数段格上の演説ではなかったかと思った。