昔、10年もの長い間、愛用していたヨットです。12年前に手放しました。Yamaha19 という小さなクルーザーです。
このヨットは22年前にはじめてクルーザーを買った時、琵琶湖の西岸の雄琴の藤田マリンという店先に、上の写真のように置いてありました。当時、すでに進水後7年たっていましたが新品のように光り輝いていました。
値段を聞くと100万円というのですぐに買いました。店の若い主人が大型トラックに積んで、自分も一緒に霞ヶ浦まで運んでくれました。
陸送の為に倒して来たマストを立てて、四方から鋼鉄製のワイヤーでしっかり固定してくれました。親切な男でした。その後10年間激しく使いましたがワイヤーは少しも緩みません。何処も故障もしませんでした。
文字通り愛していた艇でしたが人間の慾にはキリがありません。エンジンが船体の中に組み込んであり、キャビンの天井が高く、立って歩ける程のヨットに乗りたくなりました。12年前にそのような中古のヨットをやはり100万円で買いました。この艇が終の棲家になる予定です。
12年前に手放したヨットは何時もお世話になっている近くのマリーナへ贈呈しました。暫くして大切に乗ってくれる人が買い取ってくれたのです。群馬県の人でした。船体を洗い、ペンキを美しく塗りなおして乗ってくれています。
近くのマリーナに陸置きしています。現在の持ち主には数回お会いして大切にしてくれていることへ対して心からお礼を言いました。
また数年が経ちました。時々そのマリーナへ家内と一緒に遊びに行き、昔乗っていたヨットを見上げて何故か嬉しい、楽しい気分になって帰ってきます。
道具や乗り物を大切に手入れをして何十年も使うという事は人間の心を豊かにするものです。幸福感に包まれるものです。
「何でも大切にする心」が現在の日本からどんどん消えて行くことに心を痛めています。
皆様はどのようにお考えでしょうか?(終り)