昨日、「日本が主要国首脳会議G7に参加することを誇らしく思う」という記事を掲載しました。
しかし2001年(平成13年)にイタリアで開催された主要国首脳会議(サミット)に対して20万人規模の抗議デモがありました。それ以来、毎回のようにサミットが開催されるたびに抗議デモがあります。
抗議している人々は反グローバリズムの思想の信奉者達です。その一部は暴力を振るう過激派として問題になっています。
日本のマスコミでは、「反グローバリズム」のことはあまり詳しく報道されていません。そこでこの新しい思想について簡明に書いてみたいと思います。
それにはまず、「グローバリズム」を理解するのが順序です。
この言葉の狭い意味は、「経済活動には国境の制約を撤廃し、地球全体で自由に利潤を追求すべきだ」という思想です。関税撤廃による完全な自由貿易や大企業の地球各地の工場建設の自由を標榜する思想です。従来は主にアメリカの大会社の経営者の思想だったのですが日本の大企業もこの思想にもとずいて世界各地に工場を建設しています。
例えばトヨタやニッサンやホンダが世界各地で自動車を生産しているのもこのグローバリズムの一つの結果とも考えられます。もっと分かりやすい例はアメリカのマクドナルドやコンビニやファミリーレストランが世界各地に展開していることです。そして、その背景にはグローバリズムがあると考えられています。
その上、アメリカで開発されたインターネットの技術が世界のネット市場をほとんど独占的にカバーしているのです。
このようなアメリカを主にした経済活動の国境を越えた全地球規模の拡大は良い結果ももたらしました。人々の生活を便利にし世界の物質文明を豊かにしてくれました。
しかしどんな思想でも良いことだけである筈がありません。必ず欠陥があるのです。
それでは反グローバリズムを分かりやすく説明しているHP:
https://www.npa.go.jp/archive/keibi/syouten/syouten275/text/P08-P11.html から抜粋してその欠点を見てみます。
近年の経済のグローバル化が貧富の差の拡大や環境破壊といった社会問題を発生させているなどと考えるのが、「反グローバリズム」の考え方です。
この思想の信奉者がサミットやAPEC(アジア太平洋経済協力会議)、WTO(世界貿易機関)の国際会議等において、大規模な抗議集会やデモ等を行い、この反グローバリズム運動が展開しているのです。
反グローバリズム運動には、労働組合、農業団体、環境保護団体、人権団体といった様々な性格の団体が参加しています。
その上、反資本主義としての立場から、過激派や無政府主義者(アナキスト)の一部も反グローバリズム運動に参加しています。
我が国においても、反グローバリズムを掲げる海外団体の関連組織が結成されるなど、運動の浸透がみられているそうです。
反グローバリズム運動が世界中から注目されるようになったキッカケは1999年(平成11年)のシアトルにおける5万人規模のデモでした。シアトルでのWTO閣僚会議の開催時に、「人間の鎖」により会場が包囲されたため開会式が中止されたほか、約五万人が参加したデモの最中、参加者の一部が暴徒化して、商店の破壊や警察部隊に対する攻撃が繰り返され、緊急事態宣言が出される事態となりました。この暴動の発生により、反グローバリズム運動が注目されるようになったのです。
その2年後の2001年にイタリアで開催された主要国首脳会議に抗議デモがあり、それ以来、毎回、抗議デモが繰り広げられようになりました。下にその一覧表を示します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/4e/6e181685f097c0e347eeb27e28123e3f.png)
来年のG7サミットを伊勢志摩の賢島にした理由はその島に入る橋が2ヶ所しかないからだとも言われています。反グローバリズムだけでなくいろいろな過激派の警備の上で便利なのでしょう。
結論的には、反グローバリズムは必ずしも統一され整然と体系化された思想ではなく、グローバル資本主義に反対する様々な社会運動を包括した呼び名のようです。
今日の挿絵代わりの写真は先日、東村山市の菖蒲祭りで撮ったハナショウブの写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)