後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

今年の花菖蒲の季節も終わりになりました

2015年06月16日 | 写真
7年前に茨城県の潮来あやめ祭りから買って来た庭の花菖蒲も全部咲ききってしまいました。
紫色のが8輪、そして明るい色合いのものが6輪、つぎからつぎへと咲いて楽しませてくれました。
今年の庭の花菖蒲の写真を3枚と、東村山市の北山公園の菖蒲祭りのとき撮った写真2枚をお送りをします。後は来年の6月にまた咲くまで花菖蒲とはお別れです。









地方の歴史を知れば心豊かになる(5)神奈川県相模原市の特別な歴史

2015年06月16日 | 日記・エッセイ・コラム
相模原市では考古学的な遺跡が多く発掘されており、特に相模川の岸の、田名向原、塩田、谷原、東原などの地域は驚くべき考古学的史跡の宝庫なのです。
そして相模原市の遺跡からは20000年前の旧石器時代の住居跡が発見されたのです。それをもって私は相模原市は特別な旧石器時代の歴史を持っていると表題に書いたのです。
この旧石器時代の住居跡の発見を何故、特別な大発見と言う理由を簡略に以下に書きます。
日本の歴史は約16000年前の縄文時代に始まり、それ以前の旧石器時代は無かったと長い間思われていました。それが終戦直後の岩宿遺跡の発見で数万年前にさかのぼる旧石器時代の存在が証明されたのです。
それ以来急に旧石器時代の発掘研究が盛んになりましたが住居跡だけは発見されませんでした。従って石器時代では人々は定住しないで狩猟と採集の生活をしていたと考えられていたのです。
そして平成になってから、各地の自治体が行う土木工事の前に注意深い科学的な発掘調査をするようになります。その成果として日本各地から黒曜石などを用いた精巧な石器が多数出て来ました。
石器の出た地層の精密な年代調査と炭素同位体の分析から、出土した石器は4万年から縄文時代が始まる16000年前までの後期旧石器時代のものと証明されているのです。
現在、少なくとも4万年前から16000年前まで続いた後期旧跡時代が日本に存在した事実を疑う人はいません。
そして旧石器時代には人間は家も造らず、定住もしていなかったという学説が広く信じられていたのです。
しかしこの学説は間違っていたのです。少なくとも20000年前の住居跡が相模原市で発見され、相模原市の特別な歴史園に復元、公開されています。そしてその発掘の詳しい経緯は隣接する旧石器時代学習館に示してあります。
考古学を趣味としている私は何度もこの20000年前の旧石器時代の住居の復元模型を見て感動していました。
行ってみると其処は下の写真のように相模川の東側の岸辺でその向こうに丹沢連山が見えています。

ここ田名向原展示館の付近は相模川中流で、考古学的史跡が3層、4層と住居跡や古墳が集中して存在しています。下に2万年前の石器時代の住居跡を復元したものを示します。



そして上は上の層に重なってあった5000年前の縄文時代の住居を復元したものです。
この田名向原では2万年前の旧石器時代の住居跡と3000個の精巧な石器の他に5000年前の縄文時代の住居跡、そして1400年前の13基以上の古墳が発見されたのです。
その詳細は末尾の参考資料にあります。ご興味のある方はご覧下さい。
それでは石器時代の人々はどのような生活をしていたのでしょうか?
田名向原の展示館にある絵画で人々の狩猟や採集の様子と獣皮で屋根を作った住居の前で作業している人の様子などを示します。







下は旧石器時代に人々が狩をしていた動物を示しています。

こうしてこれらの写真を見るとこの地域の約2万年の歴史が概観出来るのです。
人々の生活は縄文時代、弥生時代、古墳時代になってもほとんど変わらなかったというのが真実に近いと思います。
円形の掘っ立て小屋に住み、土器や木製の農具を使い、石器も相変わらず使っていたに違いありません。青銅器や鉄の道具は高価すぎて支配階級しか使えなかったのです。
農民の生活を考えると時代が変わってもあまり大きな変化が無いと理解するのが自然ではないでしょうか?
石器は安価で簡単に作られる道具だったに違いありません。鉄器は高価だった時代には農民は平らな石に木の柄を着けた鍬も使っていたと私個人は想像しています。
歴史は豪族や朝廷や権力者の様子を伝え、それを学校で教えますが、一般の人々を想像すると興味がつきません。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
===参考資料:関連記事の紹介============
http://blog.goo.ne.jp/yamansi-satoyama の2013年1月と2012年12月に次の関連した記事が掲載してあります。
「相模川中流は考古学的史跡の宝庫・・・3層、4層と住居跡や古墳が集中」
「日本の旧石器時代・その悠久の歴史(1)2万年前の住居の発見」
「私の郷土史(2)旧石器時代から江戸時代までの小平市鈴木町の変遷」
「所沢市砂川遺跡と岩宿遺跡から出た旧石器時代の石器の写真と日本の旧石器時代」