築地の移転問題にからんでの記事。
今春まとまった最新の総合決算によると、都内の築地、大田、足立の3市場で営業する水産卸売9社の08年度総売上高は、約5654億7000万円で、前年度を約4%下回った。経常利益は計約7億5000万円の赤字で、前年度(約26億6000万円の黒字)を大きく下回り、89年度以来、初の赤字となった。都は個別会社の業績などは明らかにしていない。
築地市場の水産物取扱量は減少傾向にあり、9社の売上高も年々減っている。都や市場関係者は、赤字転落の要因として、老朽化した築地市場に大口取引を行う機能が乏しく、大手スーパーが取引を避けている現状などを指摘している。また、長引く不況も影響しているという。
都では、「築地離れ」の事態打開の切り札として、江東区豊洲地区への移転を計画しているが、土壌汚染問題などを理由に都議会第1党の民主党などが反発。3月の都議会で移転の関連予算は可決されたものの、築地市場の再整備も検討することになり、事実上の凍結状態に陥っている。
このように、都側の説明・主張を受けて、「築地離れは老朽化が原因。豊洲地区への移転によって事態を打開したいが、民主党が反対している・・・。」というようなトーンになっている。
ところが、同じ記事の中では、
小売側が市場を通さずに漁協などから直接仕入れる「市場外取引」も増加。農林水産省の推計では、89年度に74・6%だった全国の水産物の市場経由率は、06年度には62・1%に低下している。
消費者の実感としては、市場離れが急速に進んだという方が自然。例えば、大手スパーや回転寿司チェーンなどはおそらく現地の漁協と(海外も含めて)直取引ではないだろうか。中間マージンを最小限にしようというのが、今の業界ではないだろうか。ある意味、仲買商人の出番はなくなりつつあるのがホントウではないか。いつまでも日本橋の魚市場の伝統を受け継いでなどと言っている場合ではない、と思う。
同じ記事のまとめとして、
渡辺達朗・専修大教授(流通政策論)は「機能不全に陥っている築地市場の改革には一刻の猶予もない」と強調する。一方で、「市場のあり方自体を考え直さなければ、新市場でも同じ問題が繰り返される」とも警告している。
このあたりが、正論と思える。利権があるかどうか分からないが、少なくとも知事(官僚)のメンツがらみでは、もうどうにもならないのだ。
たぶん、築地(ツキジ)は、生産・消費に伴う物流業界の発想の転換の中で、次第にたそがれていくのではないか。
今春まとまった最新の総合決算によると、都内の築地、大田、足立の3市場で営業する水産卸売9社の08年度総売上高は、約5654億7000万円で、前年度を約4%下回った。経常利益は計約7億5000万円の赤字で、前年度(約26億6000万円の黒字)を大きく下回り、89年度以来、初の赤字となった。都は個別会社の業績などは明らかにしていない。
築地市場の水産物取扱量は減少傾向にあり、9社の売上高も年々減っている。都や市場関係者は、赤字転落の要因として、老朽化した築地市場に大口取引を行う機能が乏しく、大手スーパーが取引を避けている現状などを指摘している。また、長引く不況も影響しているという。
都では、「築地離れ」の事態打開の切り札として、江東区豊洲地区への移転を計画しているが、土壌汚染問題などを理由に都議会第1党の民主党などが反発。3月の都議会で移転の関連予算は可決されたものの、築地市場の再整備も検討することになり、事実上の凍結状態に陥っている。
このように、都側の説明・主張を受けて、「築地離れは老朽化が原因。豊洲地区への移転によって事態を打開したいが、民主党が反対している・・・。」というようなトーンになっている。
ところが、同じ記事の中では、
小売側が市場を通さずに漁協などから直接仕入れる「市場外取引」も増加。農林水産省の推計では、89年度に74・6%だった全国の水産物の市場経由率は、06年度には62・1%に低下している。
消費者の実感としては、市場離れが急速に進んだという方が自然。例えば、大手スパーや回転寿司チェーンなどはおそらく現地の漁協と(海外も含めて)直取引ではないだろうか。中間マージンを最小限にしようというのが、今の業界ではないだろうか。ある意味、仲買商人の出番はなくなりつつあるのがホントウではないか。いつまでも日本橋の魚市場の伝統を受け継いでなどと言っている場合ではない、と思う。
同じ記事のまとめとして、
渡辺達朗・専修大教授(流通政策論)は「機能不全に陥っている築地市場の改革には一刻の猶予もない」と強調する。一方で、「市場のあり方自体を考え直さなければ、新市場でも同じ問題が繰り返される」とも警告している。
このあたりが、正論と思える。利権があるかどうか分からないが、少なくとも知事(官僚)のメンツがらみでは、もうどうにもならないのだ。
たぶん、築地(ツキジ)は、生産・消費に伴う物流業界の発想の転換の中で、次第にたそがれていくのではないか。