おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

読書113「顰蹙文学カフェ」(高橋源一郎・山田詠美)講談社

2010-08-08 22:44:17 | 読書無限
 ちょっと気楽な読み物を。高橋源一郎さんも山田詠美さんも好きな作家の人たち。小説の内容、どちらもちょっととんで(跳んで)(富んで)いておもしろい。自らの作品も、それを創作する原動力としての生き方?も。顰蹙を買っているだろう、文学(界)では、と自負するところが、愛すべきか。
 なんてたって、その斜に構えた姿勢がちょっと受ける(かな)。もちろん、世間(一般ピープル)には、顰蹙の前にあなた誰?という人たちだろうが。
 私的には、庄野頼子さんがその代表だと(文学という俗世間では)思っていたが、ここにもまだいるのを忘れていた。特に、山田詠美さんのデビュー作はびっくりた。それに高橋さんのも(こちらは題名の捻り方が)・・・。
 そんな二人が好きな作家仲間を呼んでの対談集です。実に楽屋話風が楽しい。興味のない方には、何これ?というだけだが。
 古井由吉、瀬戸内寂聴というすでに顰蹙を通り越して崇められる(寂聴さんに語らせると拝まれる存在)と化した方々からほぼ同世代の人たちが登場している。
 島田雅彦、中原昌也、車谷長吉。中でも中原さんはおもしろかった。島田、車谷さんの作品は読む機会があったが、今度は中原さんの作品を読んでみよう。
 芥川賞など文学賞の内輪話など、今やそれなりのオーソリティーが語る話は、ちょっといい気になるなよ、って感じさせる。またそこが、読者に顰蹙を買わせるというオチになっているのですな。
 高橋さん流のネーミングに騙されて、この本を手に取った方、お二人の手玉に見事に乗せられるかどうか。
 
コメント
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