8月15日を「敗戦記念日」と言うのは、確かに当事国としては言いにくいが 「終戦記念日」という言葉にもひっかかる。
「台風が去った」と同じように自然現象のように「戦争が終わった」のだろうか?
日本語は事を起こした人たちに責任を取らせない やさしい言葉だ。
今は使われないが、私が子供の頃毎日のように聞いていた言葉に「シンチューグン」がある。
いったん「シンチューグンがこう言っている」となれば、周囲の大人は皆、言う事を聞いていた。
なかでも「シンチューグンのマッカーサーはんがこう言うてはる・・(大阪の言い方)」というのは黄門様の印籠と同じで絶対だった。
小学校の高学年になって「シンチューグン」が「進駐軍」と書くことを知った。
中学生になって英語を習いだしたとき、「進駐軍」と訳された元の英語が「occupation forces」と知った。そのまま訳せば「占領軍」だった。
占領軍を進駐軍と言い換えるなんて、霞ヶ関には頭がいい知能指数の高い官僚がいるもんだと感歎する。
日本はアメリカ軍を主とした連合国軍に昭和20年から昭和26年まで6年間占領されていたのだった。
ところで、開始以来昨年まで、日本国が負担している在日米軍駐留経費は、基地周辺対策費と基地交付金を含めると
12兆9,600億円だそうだが、英語でいう「Host Nation Support」を日本語では「思いやり予算」と言う。
「Host Nation Support」の意味を直訳すれば「主催国がする支援」だ。
当時も今も、意図的に国内向けに訳語を変えるというのは、敗戦国の政治家や高級官僚が持つ自己防衛だけの浅ましい心根のような気がする。
美しい国に住む、いつまでも、どこまでも戦争の勝利者に優しい「くにたみ」たち。
思いやり予算の原資を税金で払っている私もその「くにたみ」の一人です。
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