長野市芸術館開館記念として、NHK交響楽団長野公演が8月24日に行われたので、出かけてきました。NHK交響楽団が長野で聴け、加えて、森麻季を迎えてオペラの名曲が聴けるということで、たいへん楽しみにしていた公演です。当日は、午後5時から宴会に出席していたのですが、そちらは中座して、会場に向かいました。
指揮:ジョン・アクセルロッド
ソプラノ:森麻季*
管弦楽:NHK交響楽団
グノー/歌劇「ファウスト」から ワルツ
グノー/歌劇「ロメオとジュリエット」からジュリエットのワルツ「私は夢に生きたい」*
マスカーニ/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」から 間奏曲
ベッリーニ/歌劇「カプレーティ家とモンテッキ家」から「おお、いくたびか」*
プッチーニ/菊の花
プッチーニ/歌劇「ジャンニ・スキッキ」から 「私のお父さん」*
プッチーニ/歌劇「ボエーム」から 「私が町を歩くと」(ムゼッタのワルツ)*
チャイコフスキー/交響曲 第4番 ヘ短調 作品36
(アンコール)
レスピーギ/リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲から「シチリアーナ」
NHK交響楽団の弦の音が洗練され、低音から高音までしっとりとし、きれいで、その点だけでも聴いた甲斐がありました。日本のトップオーケストラと言われるだけのことはあります。
前半は、オペラからの名曲が多く、親しみやすいプログラムでした。ステージに近い席だったので、森麻李のソプラノもよく聴き取れ、有名アリアを堪能しました。プッチーニの「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」が、恋人を思う気持ちが伝わるような歌唱で、曲想の良さもあって最も印象に残りました。前半は、N響の弦楽合奏と森麻李の高音がよく響く歌声で至福の時を過ごしました。
休憩をはさんで後半は、チャイコフスキーの第4番。指揮者のジョン・アクセルロッドは、アメリカ出身の、現在、王立セビリア交響楽団の音楽監督で、パリ管弦楽団やロンドンフィルなど一流オーケストラに客演を続けている方です。サンクトペテルブルク音楽院でも研鑽を積んでいるので、チャイコフスキーは得意なレパートリーに違いありません。
交響曲第4番は、弦ばかりでなく金管楽器もよくそろっていて、音を外すこともなく、NHK交響楽団の優秀さが出ていました。アクセルロッドの指揮は、大げさに強弱を出すのではなくて、穏やか気味の演奏だったように思います。チャイコフスキーはダイナミックな演奏が多いのですが、まとまりのあるいい意味で手堅い演奏に好感が持てました。アンコール曲は、レスピーギらしい弦合奏の名曲で、これも堪能しました。
プログラムもよく考えられ、最初から最後までまとまりのある演奏と歌を楽しめた、かなり充実した音楽会でした。