夏休みに書店で雑誌の棚を見ていたら、「POPEYE」の9月号の特集が「ジャズと落語」だったので、思わず買いました。中身を読んだら、なかなか真面目な編集で、落語家へのインタビューやジャズの聴けるお店の紹介などもあり、ジャズに関心を持つ人が出てくるかもしれないと思わせる嬉しい内容でした。夏休みをもらったので、愛聴盤をレコードで聴いています。
SONNY CLARK (ソニー・クラーク)
DIAL S FOR SONNY (BLUE NOTE 1957年録音)
ソニー・クラークのリーダーアルバムを、このブログで記事にするのは初めてで、書いていて実は驚いています。サイドメンとして時々名前が挙がるので、リーダー作も取り上げたつもりでいました。ソニー・クラークは、ちょっと後乗りのリズム、やや重いタッチ、歌心に満ちたブルージーなフレーズ、オリジナル曲のよさなど、特長をたくさんもった大好きなピアニストの一人です。
これは、クラークの初リーダー作ですが、メンバーが充実しています。アート・ファーマー(tp)、カーティス・フラー(tb)、ハンク・モブレー(ts)、ソニー・クラーク(p)、ウィルバー・ウェアー(b)、ルイ・ヘイズ(ds)。いずれもハードバップを代表する演奏者ばかりです。クラークは、1963年に亡くなっているので、リーダー作はもちろんサイドメンとして参加した録音の全てが貴重です。
曲はクラークのオリジナルとスタンダード。ソニー・クラークのオリジナルが「Dial S For Sonny」、「Bootin' It」、「Sonny's Mood」、「Shouin' On A Riff」、スタンダードが2曲で「It Could Happne To You」と「Love Walked In」の全6曲。オリジナルはいづれもブルージーなもので、モダンジャズ黄金期の珠玉の作品です。「Love Walked In」は、ピアノトリオで演じられます。
メンバーよし、演奏よしの僕にとって永遠の名盤です。メンバーそれぞれが絶好調で、素晴らしいプレイを繰り広げています。例えば、「Bootin' It」におけるクラーク、フラー、モブレー、ファーマーと続くソロや「Dial S For Sonny」におけるクラーク、「It Could Happen to You」におけるファーマーの演奏は、中でも聴きもの。ピアノトリオで演じられる「Love Walked In」は、はじめスローで出て、リズムが入り小気味よくスイングし、柔らかなサウンドのブロックコードも登場するなど、クラークのスタンダード演奏のよさが存分に味わえます。
【POPEYE 2016年9月号】
「立川志の輔さん」へのインタビュー、「ジャズと落語の街に行こう」、「僕の好きなジャズと落語」など話題が満載です。僕の使っているスキャナーは小さいので、雑誌(大判です)の表紙の左右が少し切れています。