原田マハ著「ジヴェルニーの食卓」(集英社文庫)という本を読みました。文庫には4作品が掲載されいて、それぞれ、マティス、ドガ、セザンヌ、モネという印象派の画家について、彼らを取り巻く人々からの係わりを通して、人生の断面を描いたものです。有名な絵画名も出てきて、美術・芸術に関連した小説でしたが、興味が持続する面白いものでした。久しぶりに美女系ヴォーカルを。
BARBARA RUSSELL (バーバラ・ラッセル)
GOLDEN BLUES (United Artists 1961年録音)
1950~60年代のポピュラー全盛期に活躍した歌手は、いまやほとんど話題になりませんが、バーバラ・ラッセルは2枚のアルバムをUnited Artistsに残していて、ヴォーカルファンの収集対象でした。このアルバムは、ジャジーで、かつポピュラーな曲目が並んでいて、気軽に楽しめるものです。
メンバーは、バーバラ・ラッセル(vo)、編曲がニック・ペトリロ、オーケストラの指揮がバッキー・ピザレリです。歌の間に入るソロは、ギターとフルートが多いのですが、ギターは、ピザレリが弾いているものと思います。僕の持っているのは、LPTIMEレーベルから発売された紙ジャケットのCDです。
曲は、スタンダードと当時のヒット曲です。「Bye Bye Blues」、「Love Me Tender」、「Learnin' The Blues」、「Am I Blue」、「Cry Me a River」、「Never on Sunday」(日曜はダメよ)、「Georgia On My Mind」、「I Cried For You」、「Love Me or Leave Me」、「You Don't Know What Love Is」、「Mean to Me」、「Who's Sorry Now」の12曲。編曲は、「Love Me Tender」を途中からスイングさせるなど、ジャズ寄りで、さらっとしていて悪くありません。
バーバラ・ラッセル(vo)の声は明るめで声量もあり、さらに、リズムへの乗りもよく、モダンなフレージングも心得ていて、実力派の歌手といっていいと思います。「Bye Bye Blues」や「I Cried For You」では、少ししっとりとしたところも聴かせ、軽快にリズムにのる、「Never on Sunday」や「Love Me or Leave Me」は楽しい出来。短いながらバッキー・ピザレリ(g)らのソロも華を添えています。話題にはあまり上らないかもしれませんが、親しみやすく優れたアルバム。
【原田マハ著「ジヴェルニーの食卓」(集英社文庫)】