ステイシー・ケント(ヴォーカル)は、この2月10日にブルーノート名古屋、12日~14日にブルーノート東京へ出演しますが、それに先立って、9日に長野市で公演があったので聴いてきました。長野市芸術館オープニングシリーズの一環で、会場は立見が基本で、飲物を飲みながら、気軽に楽しめるライブでした。
(この写真は、ご本人のホームページからお借りしました)
(出 演)
ステイシー・ケント(vo)
ジム・トムリンソン(sax,fl)
グラハム・ハーヴィー(p.keybord)
ジュレミー・ブラウン(b)
ジョシュ・モリソン(ds)
(曲 目)
午後6時からと、午後8時30分からの2公演で、入れ替え制でした。一公演約70分のジャズクラブ向けのステージで、僕は2公演とも聴きましたが、3曲ほどを除いて重複した曲がなく、レパートリーも豊富です。MCはほとんどなかったので、僕がすぐにわかった曲名だけ記します。
The Very Thought of You (君を想いて)
I've Grown Accustomed to His Face (彼氏の顔になれてきた)
Dreamer
Changing Lights
Stardust (スターダスト)
Tenderly (テンダリー)
Dindi(ジンジ)
Smile (スマイル)
よく練られたポップス系のステージを楽しめました。1回目の公演では、ボサノヴァ系のリズムにバラードという構成でしたが、バラードの見事さにはうっとりとさせられました。ステイシー・ケントのヴォイスコントロールというのでしょうか、柔らかな声で、明瞭な発音でニュアンス豊かに「I've Grown Accustomed to His Face」や「Stardust」を歌っていて、聴きほれました。
公演全体を通して、A・C・ジョビンのものなどボッサ系の音楽が多かったのですが、ジム・トムリンソンのスタン・ゲッツを髣髴とさせるテナー・サックスは伴奏とはいえツボにはまっていて心地よく、聴きものでした。また、フルートもボッサ系の音楽に合っていました。
2回目の公演でも、「Dindi」や遅いテンポで歌った「Smile」といったバラード系の歌が断然よく、さすがに世界中からオファーのある歌手です。ジム・トムリンソン名義ですが、彼女が「Stardust」を歌っているCDが販売されていたので、購入し、彼女のサインももらいました。
ややスイングするものも入れていましたが、全体を通してさっぱりとしていて、ジャズ色は薄いものでした。お客様は満員(ソールドアウトでした)で、一般にはこういう傾向が好まれるのでしょう。本公演を企画した方に感謝しながら帰途につきました。
【Stacey kent ホームページ】
【購入したCD】
Jim Tomlinson 「the lyric」featuring stacey kent (token production 2005)
収録曲全13曲中10曲で、ステイシー・ケントの歌が聴けます。「Stardust」の他にも、スタンダードではあるけれどあまり知られていない曲も収録されているなど、意外といい買い物でした。