近所迷惑になるといけないので、夕方以降ピアノに触れることはまずありませんが、先週、奥様が不在だった折に、珍しく弾いてみました。実は、フリードリッヒ・グルダのモーツァルトのソナタ集(CD)を最近購入したのですが、それが素晴らしくて、僕も弾きたくなったからです。たどたどしくしか弾けませんが、作品のメロディはもちろん、リズミカルなところが、モーツァルトの天才たる由縁でしょうか。たどたどしいピアノのあとは、流麗な演奏を。
GEORGE CABLES (ジョージ・ケイブルス)
NIGHT AND DAY (DIW 1991年録音)
ジョージ・ケイブルスは、近年もHighNoteレーベルから新作を出していますが、ユピテルやDIWという日本のレコード会社へ録音したものを主に聴いています。高度なテクニックを用い、澄んだ音色でスタンダードを清新に演奏していて、発表から年月が経っていますが、いまなおフレッシュです。ハービー・ハンコックやマッコイ・タイナーからの影響がうかがえますが、高音を中心とした早いパッセージなど彼の個性も出ています。
メンバーは、ジョージ・ケイブルス(p)、セシル・マクビー(b)、ビリー・ハート(ds)。タイトなリズムを送り出しそうな、マクビーとハートという極上のリズム陣が参加していて、彼らのソロなども期待できます。また、ケイブルスの横顔を使ったジャケットは、全体の色合いと文字のデザインが優れていて記憶に残ります。
曲は、スタンダードの「I Thought About You」、「Night and Day」(夜も昼も)、「I Love You」と、ビル・エヴァンス作「Very Early」、ジャコ・パストリアス作「Three Views of A Secret」、ケイブルスの自作「Ebony Moonbreams」、M.Bassという人の作曲した「Grear is Here」、ソニー・ロリンズ作「Doxy」の全8曲。スタンダードの他、「Very Early」や「Three Views of A Secret」における演奏にも興味が湧きます。
ジョージ・ケイブルス(p)のきれいなタッチで、スリルのある爽やかな演奏が楽しめます。タイトル曲の「Night and Day」では、ケイブルスはドライブのかかったプレイを繰り広げていますが、低音部の動きが意外と細やかで面白く、ビリー・ハート(ds)のソロ、バッキングも刺激的です。「I Love You」も、ケイブルスがスピード感のある変化に富んだフレーズを繰り出し、マクビ―(b)のソロも聴けます。「Doxy」は、力強くて迫力があり、重量級で、ピアノというよりもホーンを意識した演奏のように聴こえます。
【フリードリッヒ・グルダ・モーツァルト・テープス(CD6枚組)(Deutsche Grammophon)】
k.331(トルコ行進曲付き)、k.333などお馴染みの曲が収録されています。華麗な装飾音、確固としたリズム、強弱の付け方などグルダならではの演奏が素晴らしい。
6枚目のBONUS CDに収録されている「Andante from Sonata in C Major K.545 "Facile"」(Amadeoレーベルに吹き込んだ1965年録音)には、ぶっ飛びます。グルダの自由な装飾によって、別の曲かと思うほどですが、頗る魅力的です。昔から一部では有名な演奏のようですが、僕は実際に初めて聴きました。
【たまにはピアノを】
老化防止は無理にしても、老化の遅延はピアノからと、ハノンを少しやって、モーツァルトの方は気に入った曲を訥々と弾いてみました。