小林研一郎指揮群響の上田公演に行ってきました。東京、高崎公演と同じプログラムで、好きな曲が2曲聴けるので前から楽しみにしていたものです。演奏にも期待しながら上田市へ向かいました。
(出 演)
指揮:小林研一郎
ヴァイオリン:木嶋真優
管弦楽:群馬交響楽団
(曲 目)
チャイコフスキー / ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
岡野貞一 (木嶋真優編曲) / ふるさと (木嶋真優独奏、アンコール曲)
〈休憩〉
チャイコフスキー / 交響曲第4番 ヘ短調 作品36
(感 想)
チラシに「響き渡るチャイコフスキー」とありましたが、その通りの情熱的な演奏が聴けました。ヴァイオリン独奏の木嶋真優さんは、テクニック抜群と思われるキレとスピード感のある瑞々しい演奏ぶりで、最後まで聴衆を惹きつけていました。つけていく小林研一郎さんは、この曲でも暗譜で指揮を行っていて、ちょっと驚きました。
木嶋さんのアンコール曲の「ふるさと」の作詞者は高野辰之で、長野県所縁の曲ということもあり、拍手も一段と大きなものがありました。重音を交えて盛り上げる編曲もなかなかよくて、彼女の人気曲になるのではないでしょうか。
交響曲第4番では、群馬交響楽団の金管、木管楽器陣が大活躍でした。木管楽器が旋律をつないでいくところで、音量に若干差が出ていましたが、目立ったミスもなく、全体として整った見事な演奏ぶりでした。小林さんの指揮は、ダイナミックでしたが、第4楽章冒頭は、最強音でくるかと想像していましたが、楽器間のバランスに配慮したもので、繊細さも感じられました。
僕の周りには「チャイコフスキーの曲は、歌謡曲だから好きではない」という方もいますが、第3楽章のピチカートを聴くと、旋律美だけではないチャイコフスキーの一面をみることができ、改めて面白い曲だと思いました。アンコールとして最終楽章の最後の1分30秒を演奏し、満員の聴衆の大きな拍手で終了。
【あらかじめ聴いていったCD】
チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲他」。イリヤ・カーラー(vn)。ドミトリ・ヤブロンスキー指揮ロシア・フィルハーモニー。