長澤均著「美女ジャケの誘惑」という本が目についたので購入しました。ムード・ミュージック、ジャズ、ラテンなどのレコードから厳選して300点のジャケットが掲載されています。著者は、美女ジャケを『演奏者や歌っている人とは全く無関係な美人モデルをジャケットにしたレコードのことをいう』と定義づけています。例外もあり、歌っている人が美女の場合のジャケットも掲載されています。CDですが、僕が想う美女ジャケの一枚。
SINNE EEG (シーネ・エイ)
REMEMBERING YOU (Red Dot Music 2009年録音)
デンマークの女性歌手、シーネ・エイについては、昨年、神田のジャズクラブ「リディアン」で公演を聴きましたが、今年も9月に来日して次のとおり5公演を行います。今回はヤコブ・クリストファーセン(p)、レナート・ギンマン(b)、モーテン・ルンド(ds)のトリオとの来日です。どちらかで聴きたいと考えています。
(2019 シーネ・エイ日本ツァー日程)
9月16日: 金沢ジャズストリート
9月17日: ブルーノート名古屋
9月18日: ボディ&ソウル
9月19日: モーションブルー横浜
(9/20〜9/22は韓国のフェスに出演)
9月24日: ビルボード大阪
このアルバムは、シーネ・エイの第3作目に当たるもので、デンマークの楽曲とスタンダードが選曲され、デンマークの曲も英語訳されて英詞で歌われています。メンバーは、シーネ・エイ(vo)、クリス・ミン・ドーキー(b, 編曲)、ヤコブ・クリストファーセン(p)、ヤコブ・フィッシャー(g)、ラスムス・キルベア(ds)にゲストとしてランディー・ブレッカー(tp)などが曲により加わります。
曲は、デンマークの歌が「Talking to Myself」、「Remembering You」、「Moonbeam」、「Unpredictable Love」、「You and I」、「Go Med I Lunden」(この曲のみデンマーク語による歌唱)、「Dansevise」、スタンダード曲が「Just You Just Me」、「Spring Can Really Hang You Up The Most」、「In A Sentimental Mood」、「It's All Right With Me」、「My One and Only Love」、「Happy Birthday」、ジミ・ヘンドリックス作「Up From The Skies」の全14曲。このCD(日本盤)にはボーナス曲が3曲含まれていて、「Happy Birthday」が収録されています。
明るくて駆け出したくなるような「Talking to Myself」、抒情的で美しい「Remembering You」、メロディがきれいで親しみやすい「Moonbeam」と、デンマークの曲を聴いていると、同国は歌の宝庫のように思えてきます。もちろん、編曲やシーネ・エイの歌が優れているせいでもありましょう。高音を生かしたシーネの歌が心に残る「Spring Can Really Hang You Up The Most」やピアノの伴奏だけで綴っていく「In A Sentimental Mood」などスタンダードも含め、温もりが感じられるアルバム。
【シーネ・エイ ホームページ】
【長澤均著「美女ジャケの誘惑」(リットーミュージック)】
表紙にも使われたこのジャケットが素晴らしい。スウェーデン出身の女優アニタ・エグバーグの写真を使ったものです。ヴォーカルの歌手の写真を使ったものは、アビ・レーン、マリー・マクドナルド、アナ・マリア・アルパゲッティ、ダイアナ・ドーズ、ジュリー・ロンドンのものが目につきました。
以下、本書で多く登場するアビ・レーンについて、僕が持っているレコードのジャケットを載せてみました。RCAレーベルのものは国内再発盤、マーキュリーレーベルのものは多分USA再発盤。