しばらく寒い日が続いたので、先日、鍋焼きうどんが食べたくなって、職場の近くのお店を探したところ、喫茶店の「山と渓谷」で提供しているのを見つけました。珈琲やスイーツに加え、本格的な蕎麦も出てくる多彩なお店ですが、鍋焼きうどんもありました。熱々で温まりました。若手奏者の熱い演奏を。
DAVID VIRELLES (ダヴィ・ヴィレージェス)
OBLIVION (Marshmallow 2007年録音)
ダヴィ・ヴィレージェス(p)の本作は、かなり前に購入したものですが、最近CDの整理をしていて、実は初めて聴きました。上不三雄さんの主宰するマシュマロレーベルからのリリースで、バド・パウエルの曲などを取り上げ、演奏内容もよく、同レーベルの名盤の一つといっていいかもしれません。
メンバーは、ダヴィ・ヴィレージェス(p)、デヴォン・ヘンダーソン(b)、フランシスコ・メジャ(ds)。ヴィレージェスは、1983年キューバ生まれ。音楽家の家庭に育ち、同地でクラシックのピアノを習い、18歳の時にカナダに渡り、トロントの音楽大学に入学、バリー・ハリスからも教えを受けています。2003年には、オスカー・ピーターソン賞を受賞。現在は、米国に住みECMに録音するなど、活躍中です。
曲は次のとおり。
1 Tempus Fugit (Bud Powell)
2 The Fruit (Bud Powell)
3 Longina (M. Corona)
4 Hallucinations (Bud Powell)
5 Introspection (Thelonious Monk)
6 Oblivion (Bud Powell)
7 Novia Mia (J. Mendez)
8 La Mesha (Kenny Dorham)
9 Off Minor (Thelonious Monk)
10 From This Moment On (Cole Porter)
バド・パウエル作が4曲、セロニアス・モンク作が2曲、ケニー・ドーハム作1曲のジャズオリジナル7曲に、キューバの曲が2曲とコール・ポーター作のスタンダードが1曲です。キューバの作曲家マヌエル・コローナの「Longina」は、原曲のメロディーが美しい。
二重の意味で驚いたアルバムです。一つは、バウエルやモンクの曲に録音時24歳のヴィレージェスが真正面から取り組んで成功していること、もう一つは、後年ECMに録音している彼を、日本のマシュマロレーベルが記録に留めたことで、どちらも画期的です。ヘンダーソン(b)とメジャ(ds)のリズム隊が素晴らしくスイングし、ヴィレージェス(p)が小気味よく明るめのフレーズを綴っている「Tempus Fugit」や「Hallucinations」、「Oblivion」が最高、そして、キューバの曲「Longina」(ロンヒーナ)では、後半がアブストラクトで、個性的な面も窺えます。
【山と渓谷】
住所:長野県長野市南長野北石堂町1403-2
電話:026-228-8939
ホームページ:山と渓谷 (食べログのページです。)
道の反対側から入居しているビルの全景を撮りました。
ショーウインドーと看板。
『山と渓谷』(YAMAKEI)は、出版社、雑誌の名称ですが、使うことには許可を得て、創業当時から使用しているそうです。
店内。
壁に埋め込まれた日立製のスピーカー。音量はそう大きくありませんが、ジャズが流れています。
鍋焼きうどん。小ライスがついてきました。
海老、厚揚げ、きのこ、たまご、野菜が入った温かいうどん。体が温まりました。