安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

2022年初聴きのハロルド・メイバーン「PLAYS COLTRANE」と、BRUTUS2022年1/1・15合併号の特集「百読本」の話題

2022-01-02 19:30:00 | ピアノ

雑誌「BRUTUS」の2022年1月1・15日号は、「百読本」と題して何回も読むべき本の紹介などが内容で、面白く読みました。翻訳家の岸本佐知子さんの挙げた、塚本邦雄著「十二神将変」や開高健著「眼ある花々」は是非読んでみたくなりました。繰り返し聴きたくなるCDです。

HAROLD MABERN (ハロルド・メイバーン)
MABERN PLAYS COLTRANE (SMOKE SESSIONS 2018年録音)

   

ハロルド・メイバーン(p, 1936~2019年)の新作が昨年(2021年)12月に出たので購入しました。ジョン・コルトレーン作曲のナンバーを、メイバーンが率いるセクステットで演奏したものですが、メンバー、演奏ともに良く、このお正月は何度か聴きました。

メンバーは、ハロルド・メイバーン(p)、ヴィンセント・ハーリング(as)、エリック・アレキサンダー(ts)、スティーヴ・デイヴィス(tb)、ジョン・ウェーバー(b)、ジョー・ファンズワース(ds)。現代のジャズシーンを牽引しているといってもよい選りすぐりのメンバーが集まっています。

曲目は次のとおり。

1  Dahomey Dance
2  Blue Train
3  Impressions
4  Dear Lord
5  My Favorite Things
6  Naima
7  Straight Street
5の「My Favorite Things」がリチャード・ロジャースの作曲ですが、あとの6曲は全てジョン・コルトレーンが作曲したものです。

ハロルド・メイバーン(p)については、手数が多くうるさいといった印象があって、あまり聴いてきませんでしたが、ここでは、そのへんが抑制され、メンバーにソロを存分にとらせていることもあり、均整がとれています。ジョン・コルトレーンの作曲ないし演奏した曲に焦点を当てた選曲で、ヴィンセント・ハーリング(as)とエリック・アレキサンダー(ts)が熱演し、「Blue Train」、「Dear Lord」、「Naima」と、新鮮でワクワク感が感じられる演奏になっていて、購入して良かったアルバム。

【雑誌「BRUTUS」2022年1月1・15合併号】

   

表紙

   

「百読本」の意味は、1冊の本を何回も読むということだそうで、それに値する本が紹介されています。深めて濃くする読書の提案をしているそうです。

   

作家の平野啓一郎さんは、「マイルス・デイビス自叙伝」を挙げています。読んだことのある本ですが、平野さんの紹介により、再読しようと思いました。

   

ブックデザイナーの佐藤亜沙美さんは、梶井基次郎の「檸檬」を挙げています。

   

翻訳家の岸本佐知子さんは、塚本邦雄著「十二神将変」や開高健著「眼ある花々」を挙げています。この2冊にすごく興味を覚えたので、入手して読むつもりです。『すばらしい日本語の文章』で書かれている本を挙げたそうです。

   

100回以上刷られてきた文庫本の紹介があります。新潮文庫では、太宰治著「人間失格」が209刷、夏目漱石著「こころ」が200刷。岩波文庫では、夏目漱石「こころ」が136刷、兼好法師「徒然草」が130刷などとなっていました。

   

文庫以外では、エーリッヒ・フロム著「自由からの逃走」が129刷、松下幸之助著「道をひらく」が267刷といった紹介がありました。エーリッヒ・フロムの「自由からの逃走」や「愛するということ」が、読み継がれているそうなので、驚きました。

   

翻訳本の案内です。新訳が結構出されているようです。例えば、「あしながおじさん」は、1967年に詩人の谷川俊太郎さんが訳していますが、2015年には、土屋京子さんの新訳が出ています。