安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ズート・シムズ NIRVANA

2018-04-25 20:03:16 | テナー・サックス

今年は季節が早く過ぎていくようで、自宅の小さな花壇の花も結構勢いよく咲いています。普段ほとんど手入れをしませんが、ありがたいことに次々と咲いてくれて目を楽しませてくれます。雑草もどんどん成長するので草取りも必要になりますが、春から初夏にかけての彩豊かで賑やかな庭は心温まるものがあります。心温まるアルバムを。

ZOOT SIMS (ズート・シムズ)
NIRVANA (Groove Merchant 1972年録音)  

   

Groove Merchantは、1970年代前半に多数の録音を行ったレーベルですが、R&B色も強く、ズート・シムズの録音は不思議な感じがします。バディ・リッチ(ds)が、サイドメンとして入っていますが、リッチはビッグバンドで同レーベルから何作か出しているので、その縁でシムズの録音が実現したのでしょうか。いづれにしても結果は上々で、僕はレコード、CDのどちらも持ち続けています。

メンバーは、ズート・シムズ(ts,ss)、バッキー・ピザレリ(g)、バディ・リッチ(ds)、ミルト・ヒントン(b)。ズートがギター入りのトリオで演奏しているものは多くありませんが、ピザレリとは相性がよいのか、ここではデュオでも演奏しています。バディ・リッチもブラシによる繊細なプレイを行うなど、小編成でも実力を発揮しています。最後の「Send in The Clowns」は、ピザレリ(g)のソロです。

曲は、Torrie Zitoの書いた「Summerset」、「A Summer Thing」、ズート・シムズ作「Nirvana」、あとはスタンダードで、「Honeysuckle Rose」、「Somebody Loves Me」、「Gee Baby, Ain't Good to You」、「Indiana」、「Memories of You」、「Come Rain or Come Shine」、「Up Lazy River」、「Send in The Clowns」の11曲。「Gee Baby, Ain't Good to You」では、ズートとリッチがワンコーラスづつ歌っていて、ズート・シムズの歌声を聴くことのできることで知られているトラックです。

共演のメンバーもよく、ズート・シムズ(ts,ss,vo)もリラックスしながらも締まったプレイを行っていて、愛すべきアルバム。最初の「Summerset」は、たそがれた哀愁メロディが印象的で、ズートのテナーサックスの音色が似合います。バド・パウエル(p)が素晴らしい演奏を残している「Somebody Loves Me」は、ズート・シムズ以下よくスイングしていて、一緒にハミングしたくなります。「Gee Baby, Ain't Good To You」では、ズートの歌声を聴くことができて貴重、バラード「Memories of You」の温かさ、ピザレリ(g)のソロが心に残る「Send in The Clowns」と、満ち足りた気持ちになりました。

【長野市自宅の花 2018年4月】

   

【ジャズ批評2008年9月号「ズート・シムズ特集」

   

内容が盛りだくさんで、充実しています。「ズート・シムズ・アルバム・ベスト5」という記事では、それぞれの方がアルバムを挙げていますが、今回取り上げた「Nirvana」については、3人の方がベスト5に入れていました。

【ズートシムズファンクラブ 会員募集のお知らせ】

   

ズート・シムズファンクラブが出来て、会報の発行やレコードコンサートなどを行っています。興味のある方は次のホームページをご覧ください。入会方法なども記載してあります。

zootsimsfanclub


草笛MIDORI店 (蕎麦 長野市 長野駅ビルMIDORI 3階)

2018-04-24 20:03:33 | グルメ

「信州蕎麦の草笛」MIDORI店で、友人と小宴会を行いました。本店は小諸市にある蕎麦屋さんですが、長野県の東信、北信にお店を展開しています。7割蕎麦で、盛りがよいことでよく知られていて、地元でもファンの多い店です。長野市を訪れた方や帰りに一杯といったお客様で、午後7時くらいには広い店内も結構埋まりました。

JR長野駅に隣接したビル内で立地がよいので、僕も一人で蕎麦を食べに寄ることはありましたが、その他の料理を頼んだのは今日が初めてです。蕎麦屋らしいメニューが用意されているので、お酒を飲むのにも使えるお店で、地酒をはじめアルコール類はかなり揃っています。

入口

外から蕎麦を打っているのが見えるようになっています。

小上がり席にしました。ノンアルコールビールを飲みましたが、お通しに野沢菜のきざみ漬が出されました。

にしんの煮つけ。にしん蕎麦に使うものだと思いますが、単品でも出してくれます。

くるみおはぎ。お腹も空いていたので、おはぎを注文。結構美味しい。

鯉のからあげ。鯉のあらいを揚げたものですが、からっとして結構いけます。

手作り厚揚げ。厚みがある割に柔らかさもあり、美味しいつまみです。

季節もので、フキノトウの天麩羅

蕎麦。盛りがよいので、食べ終わる前に乾かないように、桶に入れて供されます。

くるみ蕎麦にしました。くるみのペーストが入ってくるので、その上から汁をいれます。蕎麦の量が多いですが、全部いただきました。

【草笛 MIDORI店】

住所:長野県長野市南千歳1丁目22-6 MIDORI長野3F
電話:026-219-6651
ホームページ:kusabue-nagano.owst.jp


オッコ・カム指揮 群馬交響楽団演奏会 【4月21日 群馬県高崎市群馬音楽センター】

2018-04-23 20:07:10 | 演奏会・ライブ

群馬交響楽団の2018年度の最初の定期演奏会は、フィンランドの指揮者オッコ・カムを迎えてのシベリウス交響曲第1番などです。このプログラムは是非聴きたいので、期待しながら出かけていきました。

   

(出 演)

指揮:オッコ・カム
ピアノ:レミ・ジュ二エ
管弦楽:群馬交響楽団

(曲 目)

シベリウス / 交響詩《フィンランディア》作品26
ショパン / ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21
シベリウス / 交響曲第1番 ホ短調 作品39

ショパン/マズルカ No.13 作品17-4(レミ・ジュニエのアンコール曲)

(感 想)

シベリウスの交響曲第1番に感激することができた素晴らしいコンサートでした。指揮者のオッコ・カムさんは現在72歳のフィンランドの指揮者で度々来日しています。僕は、ナクソスレーベルに録音したサッリネンの管弦楽曲などのCDを持っていて、優しげにじっくりと演奏をするといったイメージを持ったのですが、シベリウスだと思いも異なるのでしょうか、かなり情熱的な演奏を聴かせてくれました。

オッコ・カムの交響曲第1番の指揮は、特に第1楽章あたりで、クレッシェンドとデクレッシェンドを際立たせるなどメリハリをかなりつけていて、すごくダイナミックでした。この曲は、弦楽合奏と管楽器だけの合奏が交互にでてくるへんも個性的ですが、管楽器の合奏にもう少し滑らかさがほしいような気がしましたが、終楽章までテンポもよくスリリングで、身を乗り出して聴いていました。

「フィンランディア」もライブで聴くことができて嬉しかったのですが、ショパンのピアノ協奏曲第2番については、豪壮なフィンランディアの後だけに、オーケストレーションの薄さばかり(ショパンは意図的にそういう伴奏にしているとは思いますが。)が目立ち、レミ・ジュニエのピアノ独奏に注目がいかなかった嫌いがありました。第3楽章の早いパッセージが出てきて、ショパンらしくていいなと思い始めたら演奏は終了でした。

オッコ・カム指揮のシベリウスの2曲はとてもよかったので、ラハティ交響楽団と録音したシベリウスの交響曲全集をタワーレコードに注文しました。

【あらじめ聴いていったアルバム】

ペトリ・サカリ指揮アイスランド交響楽団のCD(NAXOSレーベル)を聴きました。交響曲第1番は、比較的穏やかな演奏で、こういうのも悪くありません。

   

   


セシル・ペイン ZODIAC

2018-04-22 20:00:01 | その他木管楽器

北陸新幹線の車両内で配布されているJR西日本「西Navi北陸2018年4月号」が、気になったので自宅に持ち帰りました。特集は「高岡をつくった前田利長」で、加賀百万石を作った前田利長が、隠居後に高岡城を築城し城下町も整備したという記事がメインです。高岡城跡や所縁の寺院などが紹介されています。その他、竹久夢二が最愛のひとと過ごした湯湧温泉(金沢市)や広島県廿日市市のあなごめしが取り上げられていました。武将のような風貌のミュージシャンです。

CECIL PAYNE (セシル・ペイン)
ZODIAC (STRATA-EAST 1968年録音)

   
セシル・ペイン(1922~2007年)は、長期間活躍を続けたバリトンサックス奏者で、チャーリー・パーカー(as)のコンセプトをバリトンで表現したような演奏を行っています。ディジー・ガレスピーやカウント・ベイシーといったビッグバンドに在団したり、自らのコンボでの録音を残していますが、デューク・ジョーダン(p)との共演が比較的聴かれていると思います。

メンバーは、セシル・ペイン(bs)、ケニー・ドーハム(tp)、ウイントン・ケリー(p)、ウィルバー・ウェア(b)、アルバート・ヒース(ds)。クリフォード・ジョーダンがプロデュースを行ったストラタ・イースト・レーベルの制作です。ドーハム(tp)やケリー(p)が入っているので、それだけで購入したくなるアルバムです。

曲はすべてセシル・ペインのオリジナル。「Martin Luther King, Jr.~I Know Love」、「Girl, You Got a Home」、「Slide Hampton」、「Follow Me」、「Flying Fish」の全6曲。1968年4月に凶弾に倒れた黒人運動指導者のマーティン・ルーサー・キング牧師を悼み作られた「Martin Luther King, Jr.」は、哀悼の意が溢れている曲想です。「Girl, You Got a Home」のメロディ、雰囲気から、映画「探偵はBARにいる」のメインテーマを想い起して、笑みがこぼれました。

セシル・ペイン(bs)が作曲能力を含めて実力を発揮したアルバム。最初の「Martin Luther King, Jr.」は、ドーハム(tp)の切々としたプレイ、続くペイン(bs)の優し気なソロと、胸をうつ演奏です。「Girl, You Got a Home」はいわゆるソウル・ジャズそのもので乗りのよいテーマに豪快なペイン(bs)や端正なドーハムのプレイがかっこよく、チープな感じも良くて僕の好きな一曲です。「Flying Fish」は、ラテンリズムも取り入れた明るいナンバーで、ゴリゴリと吹き続けるペイン、意外に息の長いフレーズを綴るドーハム、そして、ケリー(p)のリズミカルなプレイが聴き物。

【JR西日本PR誌 西Navi2018年4月号】

   

表紙

   

   

竹久夢二が過ごした宿などの紹介があります。湯湧温泉は気になるので、機会を作って訪れてみたいものです。

   

裏表紙です。このあなごめしは美味しそうです。

   


初めてのSACD 【シャルル・ミュンシュ指揮 ドビュッシー 交響詩「海」】

2018-04-21 19:58:42 | オーディオ

昨年購入したパイオニアのCDプレイヤーPD70AEは、SACDも聴けるので、初めてSACDを購入してみました。購入したのは、シャルル・ミュンシュ指揮フランス国立放送管弦楽団のドビュッシー「交響詩 海、夜想曲など」です。元はコンサートホールレーベルの音源で、タワーレコードとDENONの企画制作によりつい最近発売されたものです。

   

シャルル・ミュンシュ指揮フランス国立放送管弦楽団 ドビュッシー:交響詩「海」など (1968年録音)

音質が貧弱だと言われているるコンサートホール音源のアルバムが、SACD化によって音質が改善されているかどうかに関心があり、聴きなれたアルバムを購入してみました。下記は聴き比べに使用した英国スクリベンダムレーベルが復刻したCDです。この中から上記SACD収録の「海」を聴いて比較してみました。

   

シュルル・ミュンシュ・コンサートホール・レコーディングス(Scrbendum CD4枚組)

タワーレコード発売のSACD盤は、音質の向上が図られているようで、オーケストラの各楽器の重なりが団子にならず分離し、スクリベンダムのCDよりも鮮明に聴こえるようになりました。録音が1968年なので、コンサートホールの元々の録音もまずまずなのでしょう。

クラシック、ジャズを問わず最近の録音はすごくて、特にSACDでなくてもCDでよい気がします。しかし、クラシックの古いオーケストラ作品については、新しくマスターから作られたSACDは、復刻の手段として存在意義がありそうです。

最近、タワーレコードがDENONと組んでコンサートホール音源をCDや一部SACDで復刻していますが、英国のスクリベンダムレーベルも10年くらい前にCDで相当数復刻していました。この際なので、手持ちのものを少し聴いてみました。

   

カール・シューリヒト・コンサートホール・レコーディングス(Scrbendum CD10枚組)より、シューマン:交響曲第3番「ライン」

シューマンの交響曲第3番「ライン」を聴きました。レコードでかなり聴いたアルバムですが、このCDも残念ながら音質が良くありません。マスターがどこかにあればSACD化してほしいものです。

   

近年タワーレコードがCD化したもので、SACDも出されました。ブラームスの交響曲第3番は、上記スクリベンダムの10枚組には入っていないもので、貴重です。元の録音が古く音質も良くないので、SACDも購入しようと考えましたが、迷っています。

   

ヨハン・シュトラウス集です。タワーレコードのCDで音質も我慢できる範囲なので、SACDの購入は我慢。

   

イーゴリ・マルケヴィッチ・・コンサートホール・レコーディングス(Scrbendum CD3枚組)より、メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」

録音が1970年代ということもあり、まあまあ聴ける音質です。このマルケヴィッチ(指揮)の3枚組は、フランスの作曲家の曲が主に収録されていて面白く、入手してよかったものです。できるならタワーレコードでSACD化してほしい。

   

ポール・パレ―・コンサートホール・レコーディングス((Scrbendum CD2枚組)より、モーリス・ラヴェル:「道化師の朝の歌」、「ラ・ヴァルス」

録音年が比較的新しいこともあり、この2曲は音質もよく、演奏も素晴らしいと思いました。コンサートホールレーベルのものは、音質はもう一つというものが多いですが、このレーベルのレコード(当時、日本コンサートホールソサエティという通信販売の会社から発売)でクラシックに親しみ、おもちゃ箱的な面白さもあるので、レコード、CDともに手放せないでいます。

【再生に用いたSACDプレイヤー パイオニア PD-70AE】

SACDを再生した場合、ランプが青く点灯します。CDの場合は点灯しません。